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314. 話を聞きに行く

ジエル視点①を4話の後に追加しました。

 俺とルーは箱庭から出てルーの住んでいる家のジエルの部屋の前にやってきた。扉をノックすると部屋の中から返事が返ってくるかと思いきや、いきなり扉が外へと開いて顔面を打ち付けた。


「…あ」

「いた…くはないけど、いきなり開けたらだめだろうが」

「ここと、ここが、赤くなってる」


 ジエルは額と鼻を指で示し首を傾げた。どうやら自分がやったというじかくがないみたいだね。


「もういいや…」

「ジエル、リョータさんが御神木様に会いたいそうなんだけどすぐ会えるかしら」

「今から?」

「出来たら今からがいいかな」

「…だめ。今から、私は、おやつ」


 いやいやいやいや…ジエルの都合もだけど、まずは御神木様の都合はいいのか聞いているんだけどね~?


「清めなくて、いい、から…明日朝、来て?」

「朝って言うとお祈りの時間?」

「そう、面倒」


 面倒って…巫女ってそれでいいのかよ。まあいいや明日の朝なら会わせてくれるって言ってるし、その時に聞きに行こう。


 ルーとジエルと別れ箱庭に戻ってからまったり過ごすことにした。スキルを作るのに思ったより魔力を使っていたみたいで、それなりにだるさを感じたからね。


 次の日朝早くから起きてみんなの朝食を用意したあと、俺は響子と一緒にジエルの元へと向かった。


「そういえば響子、御神木様に会うのに普通の服装なんだな」

「え、いつもそうだよ~? 儀式とかじゃないのに着るわけないじゃない。毎日なのにそんなことしてたら大変じゃないの」

「そりゃそうか」

「うん。りょーちゃんだって普通の服装じゃん」


 言われてみればそうだわ。というかお清めとかも初回だけで後はやっていないな。ジエルの部屋の前につくと扉をノックした。今日は中から返事が返って来てゆっくりと扉が開いた。中から出来てたのはルー。うん、どおりでと一人で納得。


「ではいきましょうか」


 俺、ルー、響子、ジエルの4人は以前歩いて向かったのと同じ場所を通り御神木様の元まで向かった。少し手前でルーが足を止めたので俺はルーの手を引いた。


「リョータさん?」

「せっかくだからルーも一度会っておこうよ」

「いいのでしょうか? 私は直接関係がないのに…」

「別に怒られることもないんじゃないかな。もし怒られるのなら、今まで御神木様を連れ歩いていた俺と響子はもうとっくに怒られているよ」


 俺がそういうと観念したのかルーも大人しくついてきた。どうやら2人がお祈りをしている間、ルーは少し離れたところで終わるのを待っているのが普通だったみたいだね。


 御神木様の足元へやってくるとジエルと響子は両膝をつき両手を胸の前で組んで祈りを始めた。それと同時に辺りに淡い光が現れ始める。すると少し離れた場所にちらほらとエルフが集まり出した。


「ルー、もしかして毎日こうなの?」

「あの人たちのことですか? たまたま光に気がついてやってきただけなんだと思いますよ」


 言っちゃ悪いがまるで光に集まる虫みたいだよ…


「リョータ、手」

「ああそうだった」

「リョーちゃんは私と手を繋ぐんだよ」


 俺は2人の傍に近寄り、ジエルの肩に手を置いた。


「なんで~っ」

「起きやすい場所に肩があったから?」

「意味がわからないわっ」


 響子が一人文句をいっているだけでジエルは黙っているので放置しておき、俺は顔をあげた。ちょっとぶりに見た御神木様だけど、2人ともやっぱり幼女だな…


「これが御神木様…」


 初めて見る御神木様の姿をルーはぼんやりと眺めていた。

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