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303. ゴミ拾いをする

 昼食の後、たけと雪乃を連れてドワーフの町へ戻って来た。ルーはまた明日ここで手に入ったポイントでスキルが出なかった場合、さらに別の場所へと連れて行ってもらえるようにお願いしておいた。


「うへぇ~なんじゃこりゃ」

「これはひどいわね」


 まあそう言わない。このひどい状態だからこそ俺は助かるわけなんだし。


「で、ゴミ拾いだっけ? ゴミって…まさかこれか??」


 たけが適当に近くにあったよくわからない金属の塊を持ち上げる。よかった、ちゃんとそれがゴミだって認識できるんだ。まあそれ以外にゴミと言えるようなものは目につかないんだけどね。


「ちょっとまってよっ そこらに落ちてる金属類を集めるの? 集めるのは重たいし、マジックバッグにだって入りきらないわ」

「だよなー 金属は重いからな」

「だから連絡用にイヤリング渡しただろうが。バッグに入らなくなったら連絡くれればすぐ回収にむかう。それでなんとかなるだろう」

「なるほどな。こっちが場所を言えば良太が取りに来るってわけか」


 どうやら納得したみたいで2人とも頷いている。


「久しぶりに外に出たんだからちょっとぐらい店とか覗いてもいいわよね」

「ああいいぞ。だけど念のために2人一緒に行動してくれよな」


 話がついたいので早速ゴミ拾いに入る。たけと雪乃は町の南側から中央を北に抜けてもらう。俺は町中の外周を走り抜け一度2人の所へ顔を出すつもりだ。


「久々にポイント稼ぎいきますかっ」


 目についたものを片っ端から足で触れインベントリへとしまう。え? ちゃんと手で拾えって?? 通り掛けに蹴ったほうが早いじゃないか! それに手で触れるためにはかがまなければならない。その動作分だけ時間がかかってしまうんだよね。だったら草も走って回収できたくらいだし、金属ゴミだって足で蹴るだけでいい。結構楽かもしれない。まるで軽くランニングをするかのようなペースで走りながら次々と金属を回収する。ポイントに変えるのは後でまとめてやればいい。しまう枠は結構あるからね。ただ…この金属ゴミたち、ゴミとして分類されるものとされないものがあるのがちょっと厄介。ゴミならゴミでストックされるんだが、そうじゃないものはそれ単体だけで枠を一つ埋めてしまうんだ。


「つまりこいつらはゴミじゃないってことか」


 再利用できる金属か、そのままで何かしら価値があるものなのかもしれない。

 中央南側から左へ向けて回収していたらあっという間に北側へとついた。このまま続けて東側へと走り抜ける。と…その前に中央の通りで回収している2人はみえるかなーと南側に向かって視線を向けて見たがちょっと見えないな。まあ歩いている人もいるし、そもそも落ちてる金属が大きなものもあるからそれらが邪魔でみえないだけなのかもしれない。


『たけ調子はどうだ~?』

『…こうか?』

『聞こえてるぞ』

『おお、スマホみたいだな』


 それを言うなら電話だろうと思ったが細かいことなのでわざわざ言わない。このイヤリングがスマホだとするならゲームが出来たっていいはずなんだ…ってそうじゃなかった。


『調子はどうだ?』

『今ちょっと雪乃が変わった店があるって言うからそれに付き合ってる』

『そうか、後で何の店だったのか教えてくれよな~』


 早くもさぼりの方だったか…まあ久々に外を歩けるから楽しくなってしまったんだろう。

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