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300. 北へ

 朝起きてまずは身支度を整える。その後店へ向かい昨夜のうちに用意しておいた朝食をすぐ食べられるように準備を始めた。まあ朝は簡単なものでスープとロールパンだけ。どっちもこの世界のものよりおいしく出来ているのでこれだけで喜んでもらえるので問題ない。スープは調理場に置いておき、作業員たちがやってきたら温められるようにしておき、ロールパンは冷めても問題ないのでまとめて皿にだしておいた。その後自分達も食事を済ませる。


 朝食を済ませた後、響子がお祈りへ向かうのでシズクがまだ目を覚まさないノノさんの傍に。俺はこのお祈りが終わったらシズクと一緒にやってくるルーとエルフの里からさらに北へと向かう予定だ。この待ち時間の間にノノさんの状態を見に行ったり昼食の準備をしておこう。


「ノノさんはどんな感じ?」

「そうだな…前はほとんど動かなかったが、今は寝返りとかうつようになったぞ。そろそろ起きるんじゃねーか?」


 なるほど順調に回復しているってことなんだろう。医者とかじゃないので流石にわからないけど、見た感じ顔色も悪くないし魔法で回復をしているんだからそろそろ目が覚めるころなのかもしれない。


「お待たせしました」

「リョーちゃん気をつけてね?」


 ノノさんのお見舞いをした後店に戻り昼食用の食事を複製していたらルーと響子がやってきた。どうやらお祈りが終わったみたいだね。


「大丈夫だよ。やばくなる前に箱庭に逃げ込むし」

「あ、それっ 話聞いたよぉ~ 馬車で走ったまま箱庭に突っ込んだやつ。さらにあの家壊れちゃうから、一度場所を移動してから箱庭に入るんだよ?」


 誰だその話を教えたやつ…あの時一緒にいたのはルーとシズクだったっけ。どっちも響子と最近はよく会う。どっちが話していてもおかしくはないな。まあ口止めするような内容じゃないから別にいいんだが…思ったより俺の知らないところで俺のことは話題に上げられているのか? 他に何が話されたのか気になってくるな。


「気を付けるよ…じゃあ行こうかルー」

「はい。あ、今日は別の出口から外へと出ますのでまた途中から手を繋いでくださいね」

「あー北の方から出る感じかな」

「そうですね」


 どうやらエルフの里の出入り口は一箇所じゃないみたいだ。


 ルーと一緒にエルフの里の中を北の方へと歩いて進んでいく。こうやって歩いていると御神木様がよく見える。だけど森の外からは見ることが出来ない。魔法はやっぱすごい物だね。


「ではここから手を繋いでくださいね」


 差し出された手に自分の手を重ねよくわからない場所を歩いていく。少しすると視界が開け眩しくて目を細めた。前方に見えるのはだんだん草木が無くなっていく地面とそこらに転がっている岩っぽいもの。どうやらこの先は土地があれていそうだね。


「あまり見たくない光景ですね…」

「まあ色んな種族が住んでいるんだし、こういった土地があってもおかしくはないんじゃないか?」

「そうなんですけど、昔はもっと緑豊かだったので」


 ふ~ん…だんだん植物がいない土地になってきたと。


「…とそうだ。馬車の準備をしないとな」


 ネコルーを呼び出しインベントリから馬車を取り出す。ルーがネコルーに馬具をとりつけてくれる。未だに俺はその扱いがわからないから仕方がない。というかルーが馭者をするときくらいしかいらないので、覚える必要もないというか…俺も出来るようになった方がいいんだろうか?


「リョータさん終わりましたよ。乗ってください」

「いつもありがとう」

「ど、どうしたんですか?」

「さあ行こうか」


 すぐ横でルーが首を傾げているが俺が進むことを言うとそのまま馬車が動き出した。さっきからちらちらとルーが俺の顔を見ているが俺は気がつかないフリをしながら前を見つめていた。

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