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285. 困惑

 何だろうこの状況は…たくさんの人に囲まれとても居心地が悪い。その中の一人であるジルベスターさんが前に出てきて俺の前に立った。そういえばヨルさんがジルベスターさんが俺に用があるといっていたっけ。


「まったく…便利なんだろうが相手にするには中々厄介なスキルのようだ」


 面倒そうな顔をまったく隠さずジルベスターさんは軽くため息をついた。それが合図だったのかわからないけどすぐ傍にいた人が何かをジルベスターさんに手渡した。


「これを君に渡そうと思ってね」

「…これは?」


 目の前に差し出されたのはちょっと眩しいくらいキラキラと輝く金色の腕輪。とりあえず趣味が悪いと言っておこうか。


「協力関係なのが書面だけでは不安であろうからな。こうやって我が家の紋章入りの道具を用意させてもらったよ」


 よく見ると確かに何やら模様が描かれていた。なんだろう…何か生き物の絵だろうか。そもそも向きもわからないから生き物じゃないのかもしれないが。


「さあさっそく腕にはめてくれ。これをこれから見せればわざわざ紙を出さなくて済む」

「はあ…」


 別に紙を取り出すくらいさほど面倒ではない。というかこの派手な腕輪を付ける方がちょっと嫌なんだが…まあ後で外せばいいし今だけ腕にはめたことを見せれば気が済むだろう。そう思った俺はちょっと顔を引きつらせながらも腕輪を左手首につけた。カチャリと音がして腕輪はハズレにくくなったようだね。引っ張っても外れることがない。


「えーと…これでいいんですか? というかこれどうやって外すんだろう」

「ふ…外しかたかい? 残念ながらそんなものはないよ」

「え…じゃあお風呂とかもこのまま?? ちょっと嫌だな~」

「心配することはない。そろそろ…馴染むころだ」

「???」


 馴染むってどういうことだ? つけている感覚がなくなるってことだろうか。


(…ーい、リョータ? 聞こえるか~? というかまだブンナーにいるのか??)

(ああうんそうだよ)


 ヨルさんだ。


(そっかならよかった。父にまたリョータの所在聞かれてさ、間違っていたらまずいかと思って)


 なるほどね。それで直接ジルベスターさんはこっちに向かってきたわけか…いや、なんか変じゃないか? わざわざ急いでこんなものを俺に直接届ける必要はないんじゃないか。ちらりとジルベスターさんの方をみるとなぜか機嫌がよさそうに笑っている。


「あのジルベスターさ…」


 なんだ…? 何か違和感を感じた。


「そろそろ馴染み始めたころかね?」

「…! りょーちゃんっ りょーちゃんがはってた結界が解けてる!!」

「よかったちゃんと効果があったみたいだ。君のスキルや魔法はやはり厄介だからね」

「おいリョータこのおっさん何者だ!」

「おっと、君は初めて見る顔だけど…下手な行動は起こさない方がいいい」

「なんだと…?」


 カルガードにそういったジルベスターさんが手をあげると、周りにいた人たちがこっちに近づいてきた。


「さあ、そのネコをこちらに。それとそうだな…御神木もいただこうか。ここに植えられたら困るのでね」

「ジルベスターさんなにを…?」


(だけどリョータいい加減戻って来いよー? そろそろ父も戻ってくるからさ。聞こえてるか~?)


 ヨルさんが喋る声が聞こえる。迫ってくる人たち…ネコルーを? 御神木を?? 一体何が起こって…

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