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281. ローレンスさんからの情報

「こちらにいましたか」


 箱庭の建物の外で俺とたけ、それとエルナとミイの4人で昼食を食べているとローレンスさんがやってきた。そうか店か開いていなかったから声のする方にやって来たってことか。まあ余分なことさえしなければ好きなようにうろついてくれていいけども。


「お客さんですか。すぐに店をあけますっ」

「ます~」

「ああ急いでいませんので食事が終わってからでいいですよ」


 ローレンスさんの言葉にエルナが申し訳なさそうな顔をする。ミイは何事もなかったようにロールパンを口に詰め込んだ。口いっぱいに入れるので頬が膨らんでまるでりすみたいになっている。やはり小さい子は癒しだね~ そこにいるだけで場がなごむ。


「ああ、ありがとうございます」


 傍に座ったローレンスさんに飲み物を渡した。まあただのオレンジジュースだが。


「フルーツを絞ったジュースがこれだけたくさん飲めるとは中々贅沢ですな」

「それも他のお菓子と同じく特殊な入手方法ですからね」


 ローレンスさんにガチャのスキルは教えていない。特殊な方法でいろんな菓子が手に入るとだけ教えてあるのだ。こういう人に教えるともっといろいろ有益な使い方とか指導してくれそうだけれども、それに追われる未来しか見えないので言いたくないのだ。


「丁度よかった。ローレンスさん植物を育てることや土に関することに詳しい人って知りませんか?」

「植物や土ですか…? どのような情報を求めているのでしょう」

「えーと…御神木様を植えたいのですが、その土地の土が死んでしまっていて、どうにかしたいんです」

「そういえば御神木様を連れ歩いていましたね。お元気ですか?」


 俺は指で箱庭と外を繋ぐ扉を示すとローレンスさんはその方向に顔を向ける。扉の向こうでは楽しそうに会話をしながら食事をしている3人とその傍らに置かれている御神木様が見えた。その様子をみたローレンスさんは満足そうに頷いている。どうやら安心したらしいね。


「えーと死んだ土地を生き返らせたいですか…そういえば最近どこかで耳にした気がしますね。使用人たちが話していたんでしょうか、育ちの悪かった花が買ってきた何かを土に混ぜ込んだらよくなったとか何とか…」

「何かを混ぜた?」

「ええ、どこかからか買ってきたようです」


 店で売っている何かか…それを使えば土がもとにもどるかもしれないな。もしくは少しでも改善されればまだ何とかなるかもしれないし。


「それはどこの店かわかりますか?」

「たしか隣町…ええとマリジアナですな」


 あーあそこか…あのしつこいくらい俺たちを追いかけてきた、えーと…カル…カルガモだっけ? なんかちょっと違う気がする。


「なあたけカルガモだっけ?」

「…何の話だっ」

「あ、すまん。たけにきいてもわかるわけなかったわ」

「おい!」

「そういえばこちらの方はもしかして…」


 ローレンスさんが目を見開きたけをじっと見つめている。そういえば獣人のシズクの母親ともたけは結婚している。どんな立場だったのかは聞いていないので知らないが、ルリアーナさんとの会話の時に後を継ぐとか何とかいう話がでていたくらいだから、もしかしたら獣人のほうでもそれなりの身分だったのかもしれない。とするとローレンスさんが知っている可能性もあるわけか。


 まあたけのことは今はいいや。マリジアナでその何かがどんなものなのか一度確認してみるか。昼食後の行動が決まったな。

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