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266. 索敵の仕様

 次の日。


 地下48階へと降りた俺たちはまず索敵で階層内をくまなく調べることにした。そして今回たくさんの魔力を消費することによってある程度地形なども判別できることがわかった。簡単にいうと壁があるかないか程度。これにより下へと穴が開いている場所…次の階へと場所もはっきりとわかる。


「人はいないみたいだね」

「じゃあ次のとこなのかな…」

「どっちにしてもここまで来たんだ見つかるまで探すぞ」

「なあちとよいか?」

「?」


 索敵で他に人がいないのを確かめたので次の階層へと向かおうとすると御神木様が話しかけてきた。


「その魔法…命あるものにしか反応しておらんのではないか?」

「え、だけど壁とかわかる…」

「正確には魔力に反応していると言えばよいか?」


 魔力…あ! ダンジョンはもしかして魔力で出来ていたりするのか? その魔力に反応して壁の位置がわかるってことなのか。そして魔物や人も同じで魔力を持っているからこの魔法でわかるってことなのか。たしかに死んだ魔物は反応しないということは…


「…生きているさっ たとえ従属で従わされていようと簡単にあきらめるなんてことあるわけがない!」

「だといいんだがの」


 地下48階を一気に走り抜けた。気のせいでなければ魔物は俺たちを避けるように逃げている。索敵で確認するとよくわかるがある程度近くまで来ると魔物を表している光が勢いよく誰もいない方へと移動をしているんだよね。まあ楽でいいんだけど。


「よし、地下49階!」


 地下49階につき早速索敵を開始…やっぱり人の反応がない。次は50階、ボスがいる最終階層になるんだけど、流石に2人で向かっているということはないだろう。だけど念のためそこまで向かってみるしかない。


 そして地下50階。ここはレストスペースとボス部屋だけ。索敵には何も反応がない。念のためにレストスペースへと足を運ぶと壁にテントが設置されていた。


「…あ!」


 そうだった! テントの中にいる人は索敵に引っかからないんだ!! 一番最初にこの魔法を検証したときに試したことじゃないか。つまりこのテントはたけ達がいるテントなのか…?


 俺と響子は恐る恐るテントの呼び鈴を鳴らした。


「…誰だ?」


 たけだ…たけの声がテントの中からした。少しするとテントの入り口が開きたけが顔をだす。


「た…っ」

「雪ちゃん!!」


 そんな俺を押しのけ響子がテントの中へとすべりこんだ。ベットに雪乃が横たわっているのが目に入ったからだと思う。すぐに駆け付け響子が魔法を使い始めた。


「えーと…久しぶりだな良太?」

「ああ…」


 なにしてんだよお前は! と言いたいのをぐっとこらえ頷いた。従属の腕輪のせいでへんな使命感にとらわれている奴に行ってもどうしようもない。


「狭いけど入るか?」

「いや…お前も怪我をしているじゃないか。まずは回復しようか。話はそれからだな」


 雪乃を響子が回復しているのでたけは俺が回復してやる。怪我の状態は雪乃の方が酷そうだからな。たけは深い傷はないみたいだし俺の回復程度でもなんとかなるだろう。


「ヒール」

「ああすまん。それにしてもここには2人で潜ったのか? こっちは途中から響子がいなくなったから大変だったぞ~」

「ヒール…そうだろうな」

「でもこれで50階のボスを倒してやっと魔王を倒す旅に出られる」

「ヒール…」


 魔王…ね。


「りょーちゃん、魔王なんてものはいないって言ってる」

「御神木様か?」

「うん」


 地面で世界と繋がっていたであろう御神木様がそういうのなら魔王はきっといないのだろう。まあその魔王というのが何を指した言葉なのかにもよるか。

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