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264. ダンジョン内を走る

 人の視線も魔物もほとんど無視をしてネコルーは走った。その背中に俺と御神木様を抱えた響子が。王都の北にあるダンジョンの中を走り下層へ向けてただひたすらに走っている。現在地下12階。地下10階までは前回来ているので地下9階までテレポートで階層ごと飛んで、地下10階のボスを軽くあしらい走り続けている。緊急依頼は張り出されたばかりだがあの様子だと誰も受けることはないだろう。というかそもそも助ける気があるのかどうかも怪しいものだ。もしかすると何らかの理由でたけ達を処分しようとしているようにも見えるからね。たとえば…育て直したくなり死んだことにして再召喚とか。まあその再召喚が出来るのであればすぐにでもするんだろうけど、今まで行わなかったということは再召喚の条件がそろっていないということなんだろう。ルーとジエルの母親であるルリアーナさんに聞いた話だとなんの犠牲もなく召喚をするのは無理だという話も聞いている。その時は召喚の道具の消費が必要だった。今はそれがない。となると何が必要なのか…俺もその手のことに詳しいわけじゃないので何とも言えないが、よくある異世界物の話だと勇者という職業は1人しかなれないというやつだ。つまりたけがいる以上他の勇者は召喚出来ない。


「あっ あそこに階段が!」

「よし突っ込めネコルー」

「ル~~~ッ」


 とりあえず時間はあまりないと考えたほうがいい。依頼が張り出されてからまだそんなに立っていないが、窮地に追いやられたところで置いていかれたのかもしれないからな。だとすると急がないと2人は死んでしまうかもしれないし、さらに新しい勇者が呼ばれるかもしれない。またたけが呼ばれるかどうかはその召喚魔法しだい。というかどっちにしても厄介なのはかわりないだろう。


「りょーちゃん…」

「今は急ごう」

「うん…」


 響子が不安がっている。俺もだ。だって2人は長いこと一緒に過ごした友人なのだ。元気にやっていたのなら好きにしていればよかったのだが、命が危ないとなれば放置するわけにはいかない。こちらには救う手立てもそこへ向かうための早い足もある。だが間に合わなかったら…御神木様を先にして2人を後にしたのが失敗だったのか…くそうっ どうにもならないことを今考えても仕方がない! 今はとにかく先へと進まなければっ


 走り続けて地下19階に到着。次は地下20階ボス部屋だ。ここは安全と体力温存のために他のメンバーが戦ってくれることになっている。箱庭を開き出られるメンバーに来てもらった。中から出てきたのはルー、シズク、ヨルさん、そしてジエル…ジエル!?


「暇つぶしにきた…」

「リョータさん、ジエルがいればある程度ボスは楽かもしれませんので」


 そういえばジエルは魔法に関してはすごい奴だったっけ。あまり戦っているのを見たことがないのですっかりと忘れていたな。とうかヨルさんは無理しないでいいんだけど…?


「話を聞いちまったからな…少しでも戦力になれればと思ってよ。あとはまあ見届けやくとでも思ってくれ」

「無理はしないでくれよ?」

「もちろんさ」


 俺はみんなに結界をかけると一緒に扉をくぐりボスと対峙した。まあ俺は壁際でネコルーのお世話ですがなにか?

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