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257. 最北端の町エスカティア到着

 ノノさんと遭遇した日から2日ほどたった。あの後ノノさんとお互いの状況を話してから出発し、現在はさらに村を2つ過ぎたところに来ている。そしてそろそろ見えてくるはずである。最北端、境界門に一番近い町が。町の名前はエスカティア。王都の次に大きな町らしい。


「結構にぎわっているね」

「はい…これだけ人が多いと情報も手に入りやすそうですけど、人を探すのは大変そうですね」


 実はノノさんと状況報告をしあった後俺はジルベスターさんがこの町にいることを聞いた。つまり今から俺はジルベスターさんと合流したいんだよね。こちらの情報も伝えたいし、ダルシア男爵がどうなったのか気になるところだ。


「それならノノさん大丈夫だよ。ちょうどいいスキルを手に入れたんだ」

「…毎回思うのですが、まるで誰かがリョータさんを導いているかのようなスキル入手状況ですね」


 あー…やっぱりルーもそう思うのか。実は俺もそう思ってたんだよね。だからちまちまとガチャを引いていれば目的のスキルは必要な時までには手に入ると思っている。それも引かずにいたらもちろん手に入らないんだが。


「じゃあ俺はスキルを使うけどルーはどうする?」

「もちろんついていきますけど…ついていけるスキルでしょうか?」

「多分…大丈夫だと思うけど」

「それならいいです」


 俺が今から使うのは先日手に入れたスキルで移動…あのまっすぐの目的の人物のもとにまで向かうスキルだ。やばいことをしようとしたらスキルを止めれば問題ないから…多分。それに今回はルーも一緒にいるから最悪泊めてくれるだろう。念のためジャンプで屋根の上に登ってから始めるとしようか。そのほうが迷惑をかける人がすくなくてすみそうだしな。


「じゃあ俺がスキルを使ったらそのままルーはついて来て」

「はい」

「いくよ…移動っ」


 スキルを使用すると俺の体は勝手に屋根の上を歩き始めた。屋根を伝って歩き、今のところはまだ飛び降りようとはしない。いい感じなのでは? 進んでいく先は町の奥の方…いや、このままだと町の北へと抜けてしまうかもしれないな。


「…っと」


 屋根から飛び降り北の門へと向かっていく。だが門は閉じられていて開いていないみたいだね。すると壁伝いに歩き出しおもむろに壁に手をかけたのでスキルを停止する。


「…あー」

「どうかしましたか?」

「うん、どうやらジルベスターさんは今町の北の方にいるみたいだ」


 以前ヨルさんに描いてもらった地図を取り出し見て見たが、この先に村や町はない。あるのは境界門だけになる。まあ細かいことまで書いてもらった地図じゃないからわからないか…


「一度箱庭へ戻ろうか」

「そうですね」


 俺とルーは箱庭へ戻りどうするかを話し合うことにした。もちろんほとんどの人がやってきているケーキ屋へと向かう。


「おかえりぃ~」

「今どのあたりだ?」

「エスカティアに着いたよ」

「ジルベスター様と会うことは出来たでしょうか?」

「…あれ、ノノさん来てたの」

「はい、折角いただいたスキルなので使わせてもらっています。それに…おいしいものもありますから」


 そうこの間ノノさんに会った時に執事のスキルを渡しておいたんだ。これでノノさんはあの村での仕事を終えたらすぐにジルベスターさんと合流することが出来るってわけだね。まあジルベスターさんが帰りに回収する手はずだったみたいだけどな。


「ジルベスターさんはどうやら町の北からさらに北の方にいるみたいなんだが…」

「あー…それですと私達ではそちらへ出ることが出来ませんね。あの北の門は貴族しか通してもらえないのですよ」


 となるとジルベスターさんが町へ戻るまで待つしかないってわけか。


「おーいリョータ~ おっ 今日はいたなっ あれ…なんでいるの?」

「リョータ様、門を通ることが出来そうですよ」


 ノノさんの視線は今やって来たばかりのヨルさんに向けられていた。

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