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253. 村に到着

 街道が水浸しということを除いて何事もなく2日ほどで目的の村へと到着した。どうやらこの村はガルシアさんのパーティメンバーの人の住んでいた村で、家族が心配で顔を出したかったということだった。そんな理由でなら急いで村へ行きたいというのも納得できるね。ちなみにその家族というのはもちろん無事だった。


「助かったわリョータ!」

「いえいえ、それよりもまだ先のことですけど俺の手助けしてくださいよ?」

「わかってるって…無理なことじゃなければな?」


 実はガルシアさんに詳しい内容は伝えていなかった。というか俺もその時にならないと何をすることになるのか見当もつかないので、説明のしようがないというか…


「じゃあ用事もすんだし俺たちは戻りますよ?」

「え、もう遅いしこの村で一晩過ごさないのか?」

「いや…雨が開けた後だし食事の問題とかお互い困るだろ?」

「あーまあそうなんだが…というかすまんっ リョータこの村でも同じように食事を出せないだろうか」


 なるほどな。それも目的の一つだったのか俺をここまで連れてきた理由は。どうせ魔力で増やすだけだからいいんだけど、こういった村だとネコルーをどこかに預けるという形も出来ないから箱庭に戻せないんだよな。


「ルー、ネコルーを見ててくれるか? 馬車はしまっておくから『ネコルーにしつこい視線を送ってくるやつがいるから気を付けて』」

「わかりました『まずいと思ったらネコルーちゃんと逃げますので後で回収してください』」


 念のためルーには注意するように言っておき、俺は適当な民家の壁にテントを設置して中へ入ろうとしたところで気がついた。


「ところでここはどのくらいスープを用意すればいいんだ?」

「そうだな…1世帯鍋1つあると助かるんだが、頼めるか? えーと、30くらいだ」

「わかった」


 俺はテントに入り扉を閉めた。そして複製でスープが入った寸胴を増やしていく。自分たちが食べるために鍋に作ったスープだと大量に複製しないといけなくて面倒なのでそれを増やし寸胴にまとめ、さらにその寸胴を増やす形で使っていたものだ。一度にたくさんのスープが出来てその分魔力の消費も抑えられていい感じだ。でもこのサイズを30か…すごい量だな。


「用意してきたぞ~って…これはどういう状況なんだ?」


 スープを用意して戻ってくると、ネコルーに踏みつけられている人、そのネコルーにまたがっているルー、呆然と立ち尽くすガルシアさん、そして集まってきた村人たちが…


「リョータさん…」

「ルー何があったんだ?」

「いいからこのネコをよこしやがれっ こいつがあれば貴族の階級が上がるんだ! というか貴族にたいして平民が無礼だぞっ」


 ネコルーに踏みつけにされていたのはガルシアさんのパーティメンバ―の一人のもう一人の男。えーと確か名前は…カルガモだっけ?


「ガルシアさんこの人貴族なんですか?」

「ああ、たしか父親が男爵だとかいってたきがするな」

「えーと…俺貴族とかよくわからないんだけど、男爵の子供は貴族なのか?」

「いや、ただの貴族の子供だな。本人が貴族なわけじゃない」


 ネコルーがいたら貴族の階級があがるね~…もしかしてこれがダルシア男爵がネコルーを欲しそうにしていた理由?


「それにこの生き物を手に入れたら貴族の階級があがるだなんてあり得るとは思えないな」


 それは俺の同じ意見だ。こんなことで貴族の階級が上がるのならそこらで色々討伐を行っている冒険者とか貴族まみれだぞ。というかそもそも手に入れている俺が貴族じゃないし。


「とりあえずカルガモさん?」

「気安く呼ぶな! というか名前が違うぞっ 俺の名前はガモ。ガモ・ダルシアだ!!」


 アウトー! こいつダルシア男爵の息子だ!!

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