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252. 気になっていること

 その後2日ほど強い雨が続いた後、風も弱くなって雨も小雨へと変わった。今回の雨は風がそこまで強くなかったため蛾被害は軽かったと話に聞いた。そしてスープを配布し集めた情報は大したものはなく…


「あまりいい情報はありませんでしたね」

「どんな情報を求めているか言ってなかったからな。まあ無事に雨を乗り越えられてよかったんじゃないか?」

「なんだかんだ言ってりょーちゃんは優しいからね~」


 箱庭で集めた情報をルーに読み上げてもらっていたんだがいいものはなかった。貴族の集団がさらに北へと向かったことくらいかな。ただちょっと気になったのがこの貴族の集団というのが1つではなかったことだろうか? 一つはジルベスターさんだろうけどもう一つは誰だろうか。まあ貴族だって色んな理由があって移動するだろうし、全然俺たちとは関係のない人達かもしれないからね。


「で、俺たちはこれからどうするんだ?」

「あーそれなんだけど、2日ほどだけ別の方へ向かうつもりなんだ」

「別??」

「ああ、ガルシアさん達が東の村に用があるらしくて、今の状態だとしばらく馬車が動かないだろう? だから馬車に乗せてくれってさ」

「リョータ、それちゃんと報酬は貰うんだろうな」


 シズクの言いたいこともわかる。俺たちは俺たちで目的があって動いているのに、他のことに付き合おうとしてるからね。無報酬で受けたら怒りたくもなるだろう。シズクだけじゃなくてルーも不思議そうな顔をしてこっちを見ているし。


「もちろんだよ。まだ先の話になるけど御神木様を復活させるときかさせた後に協力してくれたらいいと思ってる」


 まあそれはもちろんなんだけど、それと別に気になっていることが一つあってそれを確かめたいというのもあるんだよ。気のせいだといいんだけどあの視線は気のせいとは言い切れないほどのものだった。ガルシアさんのパーティメンバーの一人がニヤニヤとネコルーを見ていたから…そうまたネコルー。その理由がわかるといいんだけど。


 そして7日目、雨が上がり晴れ間が見え始めたので。俺たちはガルシアさん達をつれアズモアから東に2日行ったところにある村へと向かうことになった。ギルドを出発するときにたくさんの人にお礼を言われて逃げるように馬車に乗り込む。それをニヤニヤを見てくるガルシアさん…こっち見るな!


「雨は上がりましたけど街道は水浸しですね」

「馬車は浮遊かけておいた方がいいかね~」

「かもしれませんね」


 そんなことを話しながら馬車は進みだし、俺は荷馬車に乗っている人たちをちらちらと眺めた。やっぱり気のせいじゃないのかな…あの人はネコルーをすごい見ている。他の人は会話しているのにそれに参加もせずに。というかガルシアさんが馭者台に来るから話す相手がいないだけかもしれなんだけどな。


「ガルシアさんもお仲間と一緒のがいいんじゃないですか?」

「いや、俺はこっちがよくているんで気にするなっ」


 そうですか…まあよくわからんな。

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