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241. 試食という名のお茶会

 感覚的に1時間くらいたったが響子たちは2階から降りてこなかった。長時間子供を拘束するのはかわいそうだろうが…ということでそれも兼ねておやつを食べる用に声をかける。するとあっさりと3人は1階へと降りてきた。やっぱりおやつの魅力には叶わないみたいだ。


「じゃあ販売用の品を試食するという感じで順番にだしていくぞ」

「はい」

「はーい」


 まずは板チョコレート(ビター)。カードを破り現物にすると早速エルナが何やらノートに描き始めた。ちらりと横から見ると大体の大きさと外観の絵をざっくりと描いている模様。試食なので包装から取り出し適当にチョコを割り食べてもらう。やっぱりチョコは好評のようだ。ただビターと名前がついているだけあり少しだけ苦め。ミイがちょっとだけ顔をしかめる。


 メロンキャンディは後回しにして、次はコーンスナック菓子(チョコがけ)。表面にチョコがかかっているお菓子だと言うとミイの手が止まる。さっきのより甘いはずだというと警戒しながら食べいい笑顔をもらった。袋が小さめだったので一人2,3個。ちょっとだけ物足りなさそうな顔をしていた。


 クッキーは5枚入りなので1人1枚試食。まあこれは一般的なバタークッキーという感じ。名前がクッキーとしかでていないが…まあ確かにほとんどのクッキーがバターを使うだろうし特別バターを主張した名前にはなっていなかったね。


 チョコバナナももちろん出したのは1本だけ。これを包丁でカットし試食。バナナは1本食べちゃうと結構お腹にくるからね。響子が物足りない顔をしていてちょっと笑いそうになる。


 イチゴのショートケーキは最近ホールの方を食べたので省く。エルナが何か言いたそうにこっちを見ていたが無視。する必要のない試食はしないよ? レアチーズケーキは俺はすでに一度食べている…がこれはホールと大きいのでひとまず保留。他の試食を終わってから食べられるようなら出すということに。


 コーヒーゼリーはプラスチックのカップに入っているものだった。大体一人スプーン1口分の味見をする。再び響子がもっと食べたいような視線を送ってくるが放置。まだ試食は半分も終わっていなんだからたくさんは食べられないだろう?


 わたあめの袋を開けるとミイは不思議そうな顔をしていた。口に運ぶとすっととけあっという間になくなる。「くもって甘い…」と窓の外を見ていて俺と響子は笑ってしまった。同じくよくわかっていないシズクとエルナは首を傾げる。砂糖で出来ていることを教えると驚いていたな。


 マシュマロはシズクが驚いていた。どうやら食感が気に入ったみたいだ。誰よりも多く手を伸ばしていた。


 ガトーショコラはチョコレートのケーキだよというとミイが嬉しそうに口に運び、すぐになくなってしまったので悲しそうな顔をした。ちょっと悪いことをした気分になるので止めてくれ。


 最中は不評だった。甘いのはいいけど口の中で張り付いて食べにくいとのことだ。まあそれはわからんでもない。だけどこれを緑茶と一緒に食べるとおいしんだがな…残念。


 抹茶フィナンシェはまず色で驚かれた。おいしそうに見えないらしい。たしかに青系の食べ物はあまり食欲をそそる感じではないな。でも食べるとお茶とバターの味が口の中に広がり旨い。エルナが気に入ったみたいだ。


 ビスケットは多いので1人1枚だけ食べ、後は口を折り輪ゴムで止めた。少しづつ食べるようにとミイにあげる。嬉しそうにしていたがその袋をどうすればいいのかこまってうろうろしていた。


 栗羊羹は切るのが難しかった…一つだけどうも栗がはいっていないみたいだ。いやまあ栗が入っていないのは俺が食べました。


 ショートケーキ(ホール)はイチゴのショートケーキと同じ理由で試食は無し。というか普通に多いだろうが? で、唐辛子せんべいなんだが…最初にこれは辛いお菓子だよと言っておいてから1枚を割って試食してもらった。ちなみに響子は手も出さなかった。辛いのが苦手らしい。シズク、エルナ、ミイは辛いお菓子ということで興味を引いたのか口に入れた。ミイが泣き出してしまった…小さい子には厳しい食べ物だよね。口直しにまだ食べていなかったメロンキャンディーを口に入れてあげると泣き止んでくれた。エルナもちょっと辛そうなのでキャンディーをあげる。シズクは普通に食べていたがおやつとしては不満みたい。キャンディーをよこせと言ってきた。唐辛子せんべいの残りはシズクが食べると口を閉め鞄にしまっていた。


「りょーちゃんレアチーズケーキがまだだよ?」

「…え?」


 結構食べたと思うんだけどまだ食べるの?


「甘い物ですか?」


 横からひょこりと妖精フィリールが…本当に甘い物には寄ってくるな。俺はいらないが5人で食べられるというので切ってやる。太るぞ…と言いたい気持ちを飲み込み黙ってお茶を飲んでいるとなぜか響子が俺のことを睨んでいた。怖いんだけど…

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