233. 目を覚ました子供達とエルフの里
再びテレポートを繰り返しエルフの里の手前、フランモネへやってきた。今回は怒られないようにちゃんと船を利用したのでほめて欲しい。もちろん船酔いは嫌なので船で移動中は箱庭へと逃げ込んでいたが…まあそれもあって、ヨルさんと別れてから2日ほどたっている。
「へーここがフランモネか。本当に獣人が多いんだな~」
「……」
わかれたんだけど、執事のスキルで箱庭にやってきたヨルさんがそのままフランモネで外へと出てきた。まあ気にしないでいようか。とりあえずついたことをルーに連絡して迎えに来てもらわないとね。
『ルーフランモネについたよ』
『お待ちしていました。お迎えに向かいますので森の入り口でお待ちください』
どうやらすぐ入り口を開けてくれるみたいだ。
「ヨルさん俺はエルフの里にいくけど」
「おう、俺は適当に町ぶらついたら箱庭経由で帰るわ」
しっかりただの観光客になっている。おっと、響子を呼んでこないとな。箱庭の中に入り響子へと声をかけた。
「響子エルフの里いくぞ」
「あっというまだったね~ さすがりょーちゃん」
「おねーちゃん出かけるの?」
「るの~?」
「うん、ちょっと出かけてくるね。また後で戻るからいい子にしているんだよ~」
「「うんっ」」
目を覚ました子供たちはすっかり響子に懐いていた。
「シズクねぇと待ってるね」
「るね~」
「あれ? 俺留守番なのかよっ」
「一人は残ったほうがいいからすまんがシズクは子供たちといてくれ」
「仕方ねぇな…」
そういえば子供たちはシズクが面倒みるって言ってたけど、どうするつもりなのかな? このまま一緒に連れ歩くのならちょっと考えもあるんだけど…まあまずは響子を御神木様に会わせてからだな。
俺と響子はフランモネを北から出て森の入り口へとやってきた。すでに外ではルーが待っていてこちらの方へ視線を向けている。
「あれ? あの子って…前あったことがあるよねぇ?」
「ほら一緒にダンジョンに行ったことがあるだろう?」
「荷物持ちの…エルフだったのね、へぇ」
…ん? なんで響子はそんな嬉しそうな顔をしているんだ。よくわからん。
「りょーちゃんがお世話になったみたいだけどこれからは私がいるから安心してね?」
「は、はい?」
響子はルーの目の前に行くといきなりまくしたてるようにしゃべりだした。
「ご飯も一緒に作るし、御神木様のことも私が手伝うし、それにりょーちゃんのことは小さなころからしっているんだからねっ」
「はあ…そうなんですね??」
「すまんルー、響子が御神木様と会いたいなんて言い出して」
「いえそれはいいのですけど…あ、入り口はすでに開いていますのですすみましょうか?」
「そうだな」
まだ何か言いたそうな顔をしている響子がいるが、ここで話をしてても仕方がないので進むことに。前と同じように俺はルーと手を繋いだ。そしてそれを見た響子はなぜか俺と手を繋ぐ。
「響子さん、私と手を繋いでくださいね」
「なんで?」
「ここくぐるのにエルフに触れていないといけないらしいよ」
「めんどうなんだね~」
手を繋ぎなおすと俺たちは森の中へと入っていった。
「あ、あれ…? りょーちゃんここってどこ??」
「あーやっぱり響子も驚いた?」
白い空間を通り抜けた先を見て響子が驚いた。俺も驚いたもんな~
「ようこそエルフの里へ」
「ここが…」
驚きつつも響子は黙ってルーの後をついて歩いた。その後ろを俺が歩きよそ見している響子が道をそれないようについていく。そして前も来たルーの家の目の前にやってきた。