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230. 再びブンナーへ

 テレポートを繰り返し俺と響子はブンナーへとやってきた。実は前回来た時ほとんどこの町を歩いたことが無いのでテレポートで来られる場所が限定的だった。どこの路地裏だっけここ…まあ人がいなかったからよかったけれども。


「りょーちゃんここは…?」

「ブンナーの町の中のどっかの路地裏」


 最初こそ驚いていた響子だったがテレポートを繰り返すうちに慣れたのか切り替わる景色をみてはしゃいでいた。楽しそうで何よりだ。まあそんなことはどうでもよくて。


「響子早速外すぞ」

「ん…? あ、目的忘れてたっ」


 そんな気がしてたわ。差し出した左腕を手に取り俺は腕輪に触れ、インベントリへとしまう。


「消えたねぇ…」

「ほれ、好きにしろよ」


 インベントリから一度しまった腕輪を取り出し響子に渡す。


「うーん…ここに捨てていったらだめかなぁ?」

「どうだろう…」


 ちょっと考えて見る。落ちている腕輪に気がついた人が拾う→売れるかも→買い取られた先で保管される→色んな町を移動する…だめじゃないか? いやむしろいいのか?? もしくは…拾う→腕にはめてみる→自分ではめたので何も命令がない→うろつく…同じ気がするな。


「もしかしたら誰かに拾われて町とか転々としてくれるかもだし案外いいかもな?」

「じゃあポイだねっ」


 響子は腕輪を何の躊躇もなくそのままポイッと捨てた。まあ迷惑な物だったし気持ちはわからんでもない…が、もうちょっと周りを見て欲しかったかも。俺たちが路地裏に来て少しすると数人人が周りに増えていたんだ。すぐ逃げることも出来るから別にいいんだけどさ。


「いてぇ~な~ なぁ~になげつけちゃってくれるわけぇ?」


 変なのに絡まれてしまった。まあ投げたこっちが悪いんだが。そもそもなぜ投げたんだ響子…


「あらぁ~…どうしようりょーちゃん?」

「そうだな~」


 まあここは謝っても許してくれそうにないからさっさと逃げるでしょう。


「響子」

「うん?」


 ひょいっと響子をお姫様抱っこ状態に抱え俺はジャンプで屋根へとびあがった。そのまま屋根をジャンプで渡っていく。下の方で騒がしい声が聞こえるが気にしない。


「うわーーーっ すごいね~ たかぁーい。というか町がよく見えるよっ」


 そりゃ見えるだろう。高い場所を移動しているんだから。というか呑気だなおい。


「あっ りょーちゃんりょーちゃんあっち!!」

「なんだ?」


 響子が指さす方向…まさに今向かっている町の奥なんだが、建物が崩れ地面がえぐれた場所があった。なんだろう…とりあえずそこまで向かってみるか。

 ジャンプを繰り返し上から見えていた目的の場所へと到着。


「なにこれ…」

「広範囲で何かを燃やされたみたいだな」


 えぐれた地面と炭になった木片がかなり散らばっている。まるで大規模な魔法使い同士の戦争の後のようだ。


「追いついたぞかこめーーーーー!!」


 おや、まだしつこく追いかけてきてたんだ。というか人数増えてるな。こりゃーのんびりここがなんなのか調べることは出来そうもないな。でもせっかくなのでこの手に取った木片1つだけインベントリにしまっておこう。


「これでもう逃げられないぞっ」

「あのぉ~ ぶつけてごめんね?」

「今更謝られてはいそうですかってわけにわいかねぇな」

「ええ~…」


 治安が悪いとは聞いていたけれどちょっとぶつけただけでこれなんだな。


「響子謝ってもダメみたいだからもうさっさと帰ろう」

「そうだね。あっ その腕輪あげるからそれで許してね?」


 俺と響子は手を繋ぐとテレポートでその場から立ち去った。

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