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220. 羊アゲイン3

 しばらくネコルーに乗って街道を進み索敵に何も引っかからなくなったあたりで箱庭を開いた。もちろんいつまでもこのまま進むのは効率わるいからね。箱庭の中に入りさらに家の中へ。


「シズク、悪いけどこいつの様子も見て置いて」

「ん? なんか見おぼえがあるやつだな…」

「聞くな。取り合えず起きないと思うが起きるようだったらこの薬を使っておいてくれ」

「睡眠薬か…わかった。まあ寝てるやつを傍に置いておくくらいなら手間じゃないから見ておくわ」

「じゃあそろそろ行くけど何かいるものとかは?」

「そうだな…体とか拭いてやりたいから布とお湯が欲しいな」

「じゃあ浴室でいいか? それとタオルと石鹸かな。お湯沸かすついでにシズクも入るといいよ」

「わりいな」


 子供たちの親を埋めたりしてお互い結構汚れてたからな。俺はまだ汚れるかもだから後で入るとしてシズクはお風呂に入っておきたいだろうしね。


 後のことはシズクに任せておいて俺はテレポートでの移動を再開した。次にある町はもう港町なのでそれほど時間もかからないだろうしね。まあテレポートの項目にはまたよくわからないところに移動する表示があるのだけどもね。国境的な境があるのかもしれない。


 それから2回ほどテレポートを使用し港町へと到着時刻みを見たところまだ昼も過ぎていない。テレポートはそんなに時間のかかる移動じゃないから当たり前なんだけども。問題は海を渡るのだよな。まあその前に預かっているお嬢様を届けてこないといけない。


 どこでお嬢様を箱庭からだそうか…下手に町中で抱えて歩くと不審人物に見られるかな? 一度馬車を出してその中に寝室を設置しそのベッドに寝かせた状態で連れて行こうか。うん、そのほうが不自然じゃないかもな。そうと決まれば一度町の傍でセッティングをしようか。


 インベントリから馬車を取りだしネコルーを召喚。再び呼び出されたネコルーは魚をくわえていた。邪魔してわるいね。荷馬車の中に寝室をセット。そして箱庭に入りお嬢様を連れてくる。そういえばこの子なんて名前なんだろうね。一度も聞いたことないや。


「これでよしっと」


 お嬢さんをベッドに寝かせ俺はネコルーの所へ。まあ俺は馬車の扱いがわからないから手綱を引いて歩いて行こう。教えてもらった場所は西門から入って、と言ってもこの港町の門はここしかないが、北東。海よりの場所になる。元から馬車でも通れるようになっているのか比較的道幅は広い。ただ俺が馬車に乗らず引いているのが珍しいのかさっきからちらちら色んな獣人に見られて視線が痛い。


「ここかな?」


 そんな視線を浴びつつ目的地に到着。もう少しすると昼の時間になるからさっさと済ませてシズクと昼ご飯にしよう。


 少し大きめな建物で門がありそこには門番が立っていた。門番に手紙を見せると確認をしてくるので少し待つように言われる。

 門番が戻るまで海を渡る方法を考えようか。フィリールがいくつか出してくれた案…どれがいいだろう。そんなことを考えていると門番が一人連れて戻って来た。その人物は執事服を着た羊…あれ?


「ほほほ、お早い到着ですなリョータ様」

「…ローレンスさん?」

「はい」


 いやなんであんたがここにいるんだよ!


 俺は目の前でにこにこしている胡散臭い羊を睨みつけた。マリジアナで分かれてからまだそんなに時間が経っていないにも関わらず、この羊は俺よりも早くここにいる。まさか同じスキルを持っている??


「まずはお嬢様をこちらに」

「あ、ああ…」


 俺は馬車の中へと羊を案内しお嬢様を引き渡した。


「気になりますか?」

「そりゃ~まあ…」

「ただの執事のスキルなんですがね。屋敷と屋敷を扉でつなぐスキルですな」


 おい…それがあれば俺がお嬢様を連れてくる必要なかったんじゃないのか?


「まあスキル使用者である私しかくぐれないので中々不便でもありますが」

「…じゃあ予感っていうのは嘘なのか?」

「いえいえとんでもない。もちろん本当のことですよ。私はあなたの能力の一端を知ることが出来ました。とても素晴らしい力ですね。まあ詳しくは詮索しませんが…いずれこの出会いが貴方の役に立つと予感が言っております」


 よくわからないが俺はどうやらこの執事に踊らされたようだ。くそうっ

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