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218. 羊アゲイン

 とりあえず子供たちをシズクの使用している部屋で休ませるため入ったのだが、シズクは普段寝袋で寝ているらしくベッドどころか布団もなかった。仕方ないので一度リビングへと移動し、ルーたちの家で勝手に複製させてもらったベッドをさらに複製してシズクの部屋に設置。ついでに自分の部屋とルーとジエルが使ってた部屋にも設置しようとして増やしルーたちの部屋へと入ると俺は部屋の入り口で足を止めた。


「…は?」


 いやね…確かに最初のころと違ってみんなでリビングで食事するようになったから他の部屋は見ていなかったよ。

だから他の人の部屋の状態なんて知りもしない。実際さっきシズクの部屋にはいって何もないことに驚いたくらいだしな。でだ、その逆にルーとジエルが使っていた部屋は足を踏み入れるのが危険な状態だった。部屋の中央にテーブルがあるがその上にも並べられている。


「これ全部ポーションか?」


 たしかにジエルにポーション瓶を2000本渡したが…ん? 足元に紙きれが一枚落ちていた。これって俺が上げたノートの1ページかな? 罫線がはいっているし。その紙には文字が書かれていてもちろん俺には読めない。まあ鑑定すれば読めるわけだが。


「えーと…?」


 『使って』と読めるが…いやうん。わかりやすいと取るべきかもっと説明しろよと言うべきか。ジエルらしいが正解か?


「これじゃベッドが置けないじゃないか」


 ちょっと笑えて来てしまう気持ちをおさえポーションをまずはインベントリにしまった。そしてベッドを設置…よし、これで今度2人が来た時にすぐに使えるだろう。


 ルーたちの部屋を出てシズクの部屋へと戻る。


「様子はどうだ?」

「そうだな…もう少し回復すれば楽になりそうかな。でも俺の手持ちポーションはもうないからリョータヒールしてくれよ」


 小さな子供が苦しんでいるのは見ていてあんまりいいもんじゃないな。そう思いながらヒールをする。温かそうな光が子供たちを包んでいた。でもやっぱりヒールじゃ治りが悪い。もっとしっかり回復出来る人に頼むかランクの高いポーションがいるな。


「ちょっとよくなったか…? 助かる」

「シズク、飲み物を冷蔵…冷却装置にしまっておくから必要だったら飲んでくれ。あと水はひねれば出るからな?」


 それだけ言うと俺は箱庭の外へと出ることにした。子供たちは気になるがここでじっとしているわけにもいかないからね。ちなみにネコルーとアスは箱庭の中で自由にうろうろしている。他には妖精たちくらいだから危険もない。というか他の生き物もいると言えばいるがこの2匹よりは強くない。


 箱庭の外に出てテレポートを使用する。出ている項目は2つ。まああたりまえなんだけども、進むか戻るかってことだ。俺は進みたいのでマリジアナへと向かう。途中街道のよくわからないポイントをはさみつつマリジアナの町の手前へと到着。町の外を迂回したいところだが行ったことが無いので一度町の中に入り町の反対側の入り口へと飛ばないといけない。まあ下手に人に見られない方がいいから町の中は歩いて抜けるつもりだが。


 町の入り口で手続きをし中に入ると見知った羊が立っていた。執事の恰好をした羊だ。たしかローレンスって名前だった気がする。俺と視線が合うとにこにことして近づいてきた。


「予感的中ですな。リョータ様が来るのをお待ちしておりました」

「予感って…」


 この羊あまりかかわりたくないんだよな…にこにこ笑っていて何を考えているのか全く分からないタイプなんだ。それに俺を待っていたって…あまりいい話とは思えない。

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