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215. 散髪とこれからの予定

 ルーが道具を持って戻って来た。はさみとくしとよくわからない道具だ。その持ってきた道具を俺の両腕にそれぞれ装着し、ルーが魔力を込める。ほんの少しだけそれが光ると気のせいか頭が少し軽くなる感覚がやってきた。


「えーと…全体的に少し短くすればいいですか?」

「そうだね。ところでこの腕につけたのは何かな?」

「髪って切ると落ちますよね? そうすると掃除が大変なので、落ちないようにする道具ですね。えーと重たいものは無理ですけど軽い物を浮かせる魔道具です。この魔道具より下にはこれで髪の毛が落ちません」

「へぇ…」


 変わった魔道具だな。普通に落ちたやつを回収する魔道具だけあればいいんじゃないかと思うんだが。掃除機的な?


「それでいかがでしたか御神木様」


 ちゃきちゃきとはさみの音がする中ルーが話しかけてきた。御神木様か…


「御神木様って神様のことなんだよね?」

「はっきりとそうだとは言われていないんですけど、そのようなものと思われていますね」

「その神様が見た目幼女だからジエルももしかしてあまり成長していないのか?」

「幼女…ですか? 流石に私は見た目に関しては知らないのでなんとも」

「え、だって昨日目の前に来てただろう?」

「……私が見たのは光る御神木と舞い散る光の粒だけです。リョータさんには御神木様の声だけではなく姿が見えたのですか?」


 ふむ? 他の人には声だけじゃなくて姿も見えていなかったのか…幼女といえばシズクも見た目だけは幼いな。それに獣人族の中で勇者の血を引く子供だ。もしかしたらシズクは見えていたりするのかな? 後で聞いてみるか。


「幼い女の子の姿だったな」

「初耳です」


 知られていなかったのか…まあ口止めされてたわけじゃないしいいか。


「こんなところでどうでしょうか?」


 話をしてる間にどうやら髪を切り終わったらしい。そのままゆっくりと移動して鏡の前へ。程よく全体的に短くなっているのを確認した。それにしても周りに切った髪の毛が浮いているって不思議な見た目だな。


「うんいいと思う助かった」

「いえいえどういたしまして」

「そうだルーこの切った髪の毛は俺がポイントに変えるのに使いたいんだがいいか?」

「どうせ回収して捨てるだけなので構いませんよ。あ…ポイントですか。そうですよねスキルを手に入れるために必要なんですよね…私の髪の毛も切りましょうか?」


 …は? いやいやちょっと待って!! ポイントを作るのに髪の毛である必要はないからっ


「だ、大丈夫! そう言うことならほんとゴミとかでいいくらいだからっ」

「ゴミですか…大体のものがそのまま肥料とかにしてしまうのでゴミはあまりでないのですよ」


 なるほど…そういうもんなのか。まあ草取り安定ってことなのかなポイント集め。


「あ、それでこれからのことだったっけ?」

「そうでした。リョータさんはまずどちらに向かわれるのでしょうか」

「まずは一度フィレーネへ戻るつもりだよ。情報のほうが集まらないと動けないからね」


 それにダルシア男爵がどうなったのか話をしないと気になるしな。


「フィレーネですか…」

「どうかしたか?」

「いえ、やっぱりあちらに戻るのですね」


 まあそりゃな。ご神木のあった場所もダルシア男爵のことも両方すますなら戻るしかないよ。


「ジエルがご神木様への魔力供給に入るので私も付き添うのです…リョータさんについていけないのが残念です。でもたまには連絡していいですか?」


 そう言うとルーはイヤリングに触れた。そういえば会話はできるのか。


「もちろん。友達だろう?」

「あ…はいっ」


 まあ友達じゃなくても連絡くらい取ると思うけど、これは言わなくていいだろうルーが喜んでいるし。

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