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207. 拘束されたシズク

 ルリアーナさんがメイドに合図を送るとお茶を並べていたメイド達が一斉に部屋の外へと出ていった。どうやら本格的に話が始まるということを感じ少し体がこわばる。だけど目の前のお茶を見て少しだけ突っ込みを入れたい。ついさっき食後の紅茶を貰ったところなのにまたお茶が目の前にあるからだ。連続で飲むとかトイレが近くなりそうで嫌なんだが…しかもこれってどう見ても緑茶だよな? 湯呑に緑色の液体が注がれているし香りも緑茶そのもの。しかもお茶うけに出されているのはせんべいだ。おかしいな…俺はいつ日本に戻って来たんだろうか??


「どこからお話しましょうか…」

「あのでしたらまず俺をここに読んだ理由から教えてもらえませんか?」

「そうですね、そのほうがわかりやすいでしょうか。まず呼んだ理由…それはあなたが今の現状を解決する手段を持っているから、もしくはその手段を入手する方法でしょうか」


 今の現状? それってエルフから見ての現状なのか?? それともこの世界全体を見ての?? よほど俺が不思議そうな顔でもしていたのかそのままルリアーナさんは会話を続ける。


「それと勇者様の友人でもあるからですね」

「勇者って…たけのことですか?」

「はいそうですよ。彼はとても素晴らしい方でした…このようにエルフの発展に手を貸してくださり、さらに…」

「ちょっ ちょっと待ってください!!」


 あれ…たけってまだ王都にいるんじゃなかったのか?


「やっぱりお前たちが匿っていたのか!! この嘘つきめっ」


 俺が混乱しているとシズクが大きな声をあげて立ち上がった。


「シズクさん嘘は話していないんですよ? まずは落ち着いて最後まで話を聞いてください」

「リョータさんこのままだと会話が進まないのでシズクさんを拘束してください」

「あ、ああ…ダークネス」

「こらっ この裏切り者ーーーーー!!」

「ジエル?」

「ん…」


 ルーの指示に従い俺はダークネスを、ジエルは名前を呼ばれただけで何をすればいいのかわかったのかすぐに魔法を使用した。何やらシズクは口をパクパクしているが何を言っているのかわからない。多分声を聞こえなくしたってことなんだろう。とりあえずこれで会話を進めることが出来るし、シズクも大人しく聞いてくれるだろう。


「ふぅ…最後までまず話を聞くということすらできないのは上に立つものとしてどうなのでしょうか?」

「…っ」


 ルリアーナさん…折角話を聞ける状態になったのであまり煽らないでください。その状態で暴れられたら今度は物音がうるさくて会話にならなくなるかもだしね。


「順をおって説明いたしますので、まずはこれだけはちゃんと頭に置いておいてください。リョータさんはこの世界において実はイレギュラーな存在です。神ですらあなたがこのような重要な立ち位置になるとは思っていなかったようです」


 神ってあの幼女のことだよな? そういえば御神木を通して神様がこの世界を眺めているってルーから聞いたっけ。俺をこの世界に送り出した後それに気がついてエルフというかジエルに伝えったってことなのか?


「リョータさんあなたは神から特殊なスキルをいただきましたね?」

「特殊なスキルって…もしかしてガチャのことかっ」


 ルリアーナさんはニコリとほほ笑んだ。どうやら合っているようだ。たしかにガチャは特殊かもだけど、ちょっと便利なものが手に入る程度の代物だと俺は思っていたんだが違うのか?

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