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206. ルーとジエルの母親

 食堂に通され俺たちは食事を楽しんだ。ちゃんとジエルもネコルーもアスも連れてきている。食事の内容はいたって普通。いやむしろ俺が普通だと感じているのがおかしいくらいだ。エルフだからと野菜ばかりということもなく、まあルーやジエルが普通に肉食べてたから当たり前なんだが…なんというか若干日本よりな食事内容。あれだ、日本で食べる外食みたいな感じ。和洋折衷なんでもござれってやつ。


 若干俺たちの昼飯が遅かったためか食事をしたのは今言ったメンバーだけで気楽だったため、楽しめたのは嬉しい。もしかしたらある程度気にかけてくれたのかもしれないな。わざわざ呼びつけた相手なんだから。まあ…この後何を聞かされるのかが問題である。どんな気持ちでいたって結局聞かされるのならもう大人しく聞くしかない。どんな驚く内容だろうと来やがれって言う感じだな。


「ではそろそろ母と会ってもらいましょうか」


 食後のお茶を楽しんでいるとルーがいだした。うん、大丈夫元からそのためにここまで来たんだしね。俺は頷きルーを方を見た。それが合図となったのかルーは立ち上がり移動を始める俺とシズクも慌てて立ち上がりその後をついていく。若干遅れてネコルーに乗ったジエルとアスがついてきた。というかジエルはそのままでいいんですかね? というのが気になったが誰も何も言わないので俺も口を閉めて置く。


 広い家と行ってもあくまで建物という決められた範囲の中、数分歩くと目的地だと思われる扉の前についた。えーと…別段豪華な扉というわけでもなく普通の他の部屋とほとんど変わらない扉の前だ。本当にこの部屋なのかとルーに聞いてしまいたくなるくらい。まあこの家に住んでいるのに間違えるわけがないか。


コンコン


「客人を連れてきました」

「どうぞ」

「はい」


 ルーと室内から聞こえてくる声のやり取りが終わりついて来ていたメイドが扉を開けてくれた。中は普通の洋室かな…壁に本棚があり本がたくさん並んでいる。執務室って言われるとしっくりきそうだ。向き合うように低めのテーブルをはさみソファーが2台。そして執務机の奥に大きな窓がありその前に一人の女性が立っていた。逆光で顔はよく見えないが室内に他に人がいないことからこの人がルーとジエルの母親であることは間違いないだろう。ゆっくりとソファーの方へと移動していくのでそれを目で追った。


「こちらにかけてくださいな」


 優しく微笑む女性はたしかに顔はジエルにそっくりだった。ただエルフの特性かジエルの姉と言った方がいいくらい若く見える。まずはいわれるままソファーの方へと移動をした。ルーとジエルはその女性の方側へ。っておいネコルーとアスもそっちかよ! というかジエルが離してくれないから仕方ないか。俺とシズクは軽く頭を下げソファーに座った。


「遠路はるばるよくおいでくださいました。私はこの2人の母であり、エルフの里の長でルリアーナと申します」

「リョータです」

「シズク」


 長…町並みを見てしまうとやっぱり似合わない。色々とエルフの里はちぐはぐな感じがする。


「えーとシズクさん? あなたのことは少し報告をいただいています」

「お、おうっ?」

「後程ジエルが直接御神木様からお話をお聞きしますのでそれに立ち会えば色々とわかることになるでしょう…ジエルの対話が問題なければですが」

「そうか…」

「問題は…あなたは後を継ぐことが決まっているのですか?」


 …ん? 後を継ぐ?? ちょっと待ってくれシズクは一般人じゃなかったのか?


「それは…まだ決まってない」

「そうですか。でしたら今からここで行われる会話に参加する条件を満たしておりません」

「なっ!! 俺だって聞く権利くらいあるはずだっ」

「なぜですか?」

「だってあいつは…あいつが天辺についたら獣人族は終わってしまうっ」

「そうですか、つまりあなたが必ず後を継ぐと申されるのですね?」

「もちろんだ。決定はまだだが今回ここまで顔を出したのもそのためなんだ!」

「わかりました許可しましょう」


 そういうとルリアーナさんはすっと目を細めた。

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