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203. ジエルのお絵描きとパン作り

 朝起きて昨夜フィリールと話していた海を短時間で渡る手段を考えつつ朝食を用意した。最近朝はずっとロールパンに頼りっきりだったけど、そろそろ違うパンも作ってみようかな?


「シズクは今日はどうするつもりだ?」

「ん? そもそもリョータはどうすんだ? なんなら今日も何か依頼受けてもいいぞ」

「あー俺は今日はちょっと料理して種類をふやしておこうかと思ってるんだ」

「……それは重要じゃないかっ じゃあ邪魔しないように俺は適当に仕事してくるよ」

「わかった」

「取り合えず一度昼には戻るわ」


 そういうとシズクは朝食を食べ終え、すぐに外に出るからと入り口を開けてやった。


「ジエルはどうする?」

「お散歩」

「そうか…たまには絵でも描いて来てくれよ?」

「描いてる」


 なんと。渡したノートにしっかりと絵を描いていたらしい。結構放置しちゃってたから知らなかった…


「見る?」


 差し出されたノートを受け取りぺらりとページをめくる。そして驚いた…え? ジエル滅茶苦茶絵がうまいんだけど! なんていうか罫線が入っているノートに描かせてしまったのがとても残念に思えるくらい。


「これは山の中?」

「うん」

「ネコルーだ」

「自信作」

「アスも描いたんだね」

「ちょっと難しかった」

「湖…あーそうかネコルーに乗せてもらえばすぐつくからね」

「移動は楽ちん」


 12色の色鉛筆ってここまで表現できるものだったのかと…これは罫線の入っていない紙が欲しくなるな。


「あ…これ描けなくなった」


 緑色の色鉛筆を取り出しジエルは俺に差し出した。先がつぶれ表から見えなくなっていた。


「そういえば削るって教えてなかったね」

「削る?」


 俺はナイフを取り出し色鉛筆を削ってジエルに返してやった。そしたらとてもうれしそうに目を輝かせる。


「ん、こう…」


 俺がやったのを真似してジエルは色鉛筆を左手に持ち右手を色鉛筆の先に添え…


「…魔法か?」

「ん…」


 たぶん風の魔法だと思うけど色鉛筆の先で何やらクルクル回っている。それが動くのに合わせて色鉛筆もどんどん削れていく。


「魔法得意」


 そういえばそんなことルーが言ってた気がする。


「出来た」


 先が短くなっていた色鉛筆を全部削り終えどことなくジエルは満足そうだ。荷物をまとめマジックバックにしまうとちらりと俺の方を見た。


「あーはい。おやつと水筒」

「ありがとう」


 おやつと水筒もしまい、ネコルーとアスと連れて家の外へ行ってしまった。


「作るか」


 別にさみしくなんてないし!


 気を取り直してパンを作ろうか。米粉がたくさんあるから米粉でパンを作ろうかね。白っぽいパンになりそうだな。まあちゃんとした作り方は知らないが、料理本にあるパンの作り方の強力粉を米粉に置き換えるだけでいいきがする。でもちょっと心配だから強力粉っぽい粉も半分使うか。ついでに薄力粉っぽい粉でスコーンも焼いてしまえ。似たような材料を取り出しているからね。ちょっとしたおやつにもいいしな。

 発酵時間にスコーンの方を進めて…スコーンの生地を冷やしている間には米粉パンの発酵も終わっている。


「先にパンを焼くかな」


 発酵などをやっている間に薪をくべていたオーブンの中にパンを並べた。後は焼きあがるのを待つだけだ。この後続けてスコーンも焼こう。おいしく出来るかわからないがたまには違うパンもいい。

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