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195. オーク狩り3

 叫び声、飛び散る血、倒れていく魔物達…眺めているのはとてもじゃないけれど楽しいものではなかった。だけど自分が引き起こした現象をそのまま見なかったことにして放置するわけにもいかない。それに主に街道を利用して移動しているので知らなかったけど、フィレーネの西側の森でたくさんの魔物が湧き出したことも、今目の前に起こっていることもこうやって知らない間に誰かが何とかしてくれていたことを知った。この先この世界で生きていくなら避けて通ることは出来ないんだと思い知る。まあ…町にこもって俺は知りませんって出来たら楽なんだろうけれど、そうもいかないんだろうな…気のせいじゃなければなぜか向こうから色々俺の方へとやってくるんだからな。


 感覚的に30分も過ぎたころだいぶ騒がしかった叫び声がかなり減った。まあ…ぱっと見生きている魔物と死んでいる魔物がすぐにわからないから判断が難しいが、動いている数は少ないように見えた。


「どんな感じにシズクは見える?」

「うーん…普通のゴブリンとオークはあらかたやられたみたいだけど」

「普通?」


 普通じゃない…ゴブリン? オーク? あーあれかファンタジーでよくある上位種ってやつ。つまり強い奴らが生き残っているってことか。


「拘束出来れば倒せるかな…」

「とりあえずナイフじゃ無理だと思うぜ?」


 あーやっぱり?


「じゃあちょっと拘束して別の方法を試してみるか」

「おいおい無理せずギルドに応援呼びに行った方がいいんじゃないか?」

「ダークネス」


 シズクの言葉は無視してまずは動きを拘束する。ちょっと距離があるので全部捕まえれてるかよくわからないな…んで次はまだ使ったことがないこの魔法を使うか。


「アイスブロック」


 説明には氷の塊を出すと書いてあったが、その塊は突然現れるのか…それとも周辺の水分を利用して固めているのかで使い勝手が変わってくる。魔法を使用して変化を眺めているとオークの頭が凍り付いた。どうやら周辺の水分を利用して氷に変えているみたいだね。つまり使い方を間違えると中々危険な魔法ってことだ。逆にこういった戦闘では役に立つ。となれば次々とオークの頭を固めてしまおう。


「こんなところか…?」


 あらかた生き残っていたオークの頭を氷漬けにしてみた。様子を見ていると身動きの取れなくなったオークたちは膝から崩れ落ちていく。多分息が出来なくて気絶したんだと思う。


「シズクみんな気絶したみたいだけどこれなら倒せるかな?」

「意味わかんねぇことするなぁ~ んー…攻撃が通るなら倒せると思うが」

「なら今意識ないし試そう」


 うまくいけば助けを呼んでケガ人を増やさないで済む。だったら試さない手はない。


「ダメだったらすぐ戻るぞ?」

「ああそうしよう」


 気絶までさせて置けば他の人なら止めがさせるかもだしな。俺武器ないし。ステータスは高いからちゃんとした武器があれば行ける気がするんだけど、武器は用意してないんだよな~ 最悪ガチャって手もあるけれど、使えるものが出るとは限らないからね。


「本当に気絶してるな…よっと」


 シズクが持っていた武器をオークの心臓部分だと思われる個所につきたてる。一応刃は通るみたいだが、シズクも武器もナイフ系なので刃先が短くてどうやらとどめを刺せていないみたいだ。首は凍っていて無理だしな。


「あーそういえば槍ならあるぞ?」

「槍は使ったことないから俺じゃ力がうまくつたわんねぇよ」


 尖った槍を取り出してカードを破る。シズクじゃだめだって言うし、仕方ないから俺がこれでとどめを刺してみるかな。

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