表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
208/355

193. オーク狩り

「ほいっと」


 先を進むシズクが時折現れるゴブリンを倒して行く。ぼちぼち見晴らしがいい草原だけど魔物の数はあまり見かけない。多いのも本当に困るんだろうけどこれだけ少ないと仕事としてはまた困る話しな気もするね。まああれだシズクが全部倒してしまうので俺は本当にただついて行っているだけで退屈しているという話だ。進んで狩りたいわけでもないからいいんだけど。


「うーん…ゴブリンばっかだな」

「普段このあたりにいるのか?」

「そうなんだよ、このあたりからちらほらいるんだけど…」


 索敵で先ほどから確認しているけれど、スキルで確認できる範囲には同じような強さだと思われる魔物しか反応に引っかからない。だからこれらも全部ゴブリンだということだよな?


「生息場所がかわったとか?」

「んなもんそう変わるもんじゃねぇーよ」


 そういうもんなのか。


「だったらもっと移動するか? えーと…北側に見えているのは鎮守の森だよな? 西の方から伸びてるみたいだし」

「ああそうだな。そこから追い出された魔物がここらをうろついてるから森沿いのほうがたくさんいるんだが」

「けどいないならもっと南へ移動したほうがいいんじゃないか?」

「あーそっちかぁ…」


 南側には南側でそっちに進むほど木々が多くなっている。森というほど深くはないがそんな状態なら魔物くらい色々といそうな感じでもある。でもなぜかシズクはあまり乗り気ではない感じだ。


「いそうだと思うんだが」

「まあいるだろうな~…たくさん」

「だったら…」

「あのさ、確かにそんなに強いやつらじゃねぇーけど、数いたらやばいだろう? それにそう言った身を隠せるような場所には他にも強い魔物がいるんだよ」


 言われてみればそうかも? だけどこの辺にいないのなら少しくらい見に行ってみてもいいんじゃないか?


「少しくらいなら大丈夫じゃないか? ほら本当にやばそうだったら俺のスキルで逃げればいいし」

「スキル…ああ! そうだよっ すっかり忘れてたがマリジアナで使ったやつだよな! 俺その説明聞いてないぞ?」


 そういえばそうだったか…? あの後すっかり話そびれていたような気もするが…いや、話したよ! まあもう一回言っておけばいいだろう。思ったよりシズクは忘れっぽいのかもな。


「簡単に言うと行ったことがある場所に移動できるスキルだよ」

「ほほーう。つまりなんだここからマリジアナまですぐに行けるってことか?」

「まあ数回使用すればつくかな」

「中々便利だな」


 その分魔力の消費がやばくなるんだけどな。


「んじゃやばくなったらそのスキルで逃げるってことなら見に行ってみるか」


 そういってシズクは西の方へと移動を進めた。もちろん俺もその後をついていく。これでなんとか仕事が無事に終わるといいんだが…だってさ、あの依頼書ちゃんと全文読んでないから今日中に終わらなかったらペナルティとかありそうで怖い。今の所そんな話を聞いたことはないから大丈夫だと思いたいところだが。


「んじゃ中入るぞー」

「ほい」


 木々が密集している手前で一度シズクが足を止め中へと入っていった。おーさっきとは比較にならないくらい魔物の反応がある。これならオーク5匹とかすぐ済みそうだね。


「よっと…ふんっ」

「身軽だね~」


 次々とシズクが魔物を倒して行く様子を眺めながら思わず拍手をしてしまった。


「いやお前も戦えよ! ほらそっちオークがいるぞっ」

「オーク…あれか」


 まあ豚だな。2足歩行の豚が武器を持って歩いている。俺は杖を取り出しダークネスで周辺にいる他の魔物もついでに拘束した。近づいて見てみるとフゴフゴ言っていた。やっぱり豚かな…だったら多少はゴブリンよりましな気がする。ナイフを取り出し喉を一突きした。うーん…やっぱりこの感触は慣れないな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ