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2. サービスです

 ふぅ~~~~~…と長いため息をつきながら(ないけど)を眺めた。まるで夢のような本当の話というやつを聞かされてしまった。はっきりといおう信じられない、と。


 話によると俺は勇者召喚というやつに巻き込まれてしまったらしい。それに気がついたこの目の前にいる幼女…なんと女神様なんだそうだがまあそれは置いておいて、この幼女が召喚される途中に俺だけこの世界の挟間に引き上げたんだそうだ。そうこの真っ暗な場所はそういう場所なんだとか。こんな所があるだなんて知らなかったな~


 で、今俺は選択を迫られているってわけだ。元の世界には帰れないらしくその勇者召喚を行った世界へ行くことは決まっていて、その召喚された勇者達と同じ場所へ向かうか…全然違う場所に向かうか…


「ないわ…選択肢がそれしかないとかないわ~」

「ここにずっといるわけにもいかないんですよ~?」


 そういう問題じゃない。俺にとって今一番重要なものは帰れるかどうかじゃない。


「なあ、世界が変わるってことはだ…このスマホも使えないってことなんだろう?」

「え、ええ…」

「ってことは、頑張って努力してためたコインで引いたガチャの結果を見ることも出来ねぇってことなんだろう? それに費やした時間もすべて無駄だったわけだ! そもそもこれからガチャをもう引くことが出来ねえって言うのが一番腹が立つんだよ!! なあガチャだよっ ガチャ! ガチャガチャッ」

「そんなこと言われても…あっ ではこうしましょうか」

「ああ~~っ?」

「サービスするから睨まないでくださいよぅ…」


 うるせぇっ イライラマックスなんだよ! そもそも幼女のサービスなんて嬉しくもなんともないわっ 誰もがそんな趣味だと思うなよ!!


「ガチャ、出来るようにしますっ」

「はぁぁ~?」

「スキルですよ、ガチャが出来るスキル。これをサービスでつけちゃいますっ」


 なん…だと? 本気か?? 


「ですのでガチャが何なのか詳しく教えてもらえませんか?」

「……このあほ幼女があああああああああぁぁぁっ まさかどんなものかも知らずにサービスするとかきがるにいってんじゃねぇぇぇぇっ」

「知らないからこうやって聞いてるんじゃないですかっ というかそんなにおこらないでくださいよぉ~」

「いいかガチャっていうのはな…」


 ガチャのすばらしさを俺は語った。どこまで理解してもらえるかわからないがこれでこの幼女もガチャ仲間になるに違いない。


「なるほど…大体わかりました。ではちょっとスキルを構築します」


 幼女が両手を器状にして目を閉じ何かぶつぶつと言っている。少しづつ少しづつその手のひらに光が集まってきた。この暗闇には眩しすぎる光。目を細めその様子を眺める俺。時間が経つのが長いような短いような不思議な感覚がする。


「…出来ました! さあどうぞ。これを受け取ってちゃちゃっと移動してくださいっ」


 この光を受け取るとガチャが出来るようになる…? 本当に?


「ガチャ使用と言えばガチャの画面が出てきますんで、向こうにいったら使ってくださいね」


 手を伸ばし光をそっと受け取るとすーっと手のひらに吸い込まれて消えていった。いまいち実感がわかないが…


「ではよい旅を」


 最後に幼女の言葉を耳にしたとたん意識が闇へと沈んだ。

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