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180. 羊

 しばらく上から様子を見ていたが思ったよりも早くその2人はあきらめ元来た道を戻っていった。うーん…追いかけて誰なのか調べたほうがいいのかな? でも明日にはこの町出るしかかわらなければ大丈夫かな。まあ宿戻るか。そうだどうせだからテレポートを使ってレベルアップに貢献しよう。


 宿の前にテレポートで戻ると馬車が止まっていた。この宿の誰かに用事でもある人が来ているんだろうと横目で見ながら2階にある部屋へと向かった。3人で借りた部屋なので念のためノックをしてから返事を待つ。少しすると扉が開いて…


「おう、リョータ遅かったな。なんか知らんが客が来てるぞ。知り合いか?」

「……」


 しまったな…表の馬車は俺たちの所に来てたのか。シズクに俺の知り合いがこっちにいるわけがないと言っておくべきだったか。さて、露天をした時に後をつけてきたやつらか…馬車で追いかけてきたやつらなのか…どっちだ?


 部屋の中に入ると一人の男性が立っていた。なんていうか執事っぽい羊だ。いや…うん。執事服を着た羊の獣人ってことなんだけど…


「初めまして私はローレンスと申します。数日前は休憩所を譲ってくださいましてありがとうございました」


 羊は…いや執事は? 頭を下げてそんなことを言った。あーそういえばそんなこともあったな。ルーとシズクがちょいちょいもめるもんだからそんなこと忘れてたくらいだよ。でもこの人に会うのは初めてだと思う。


「理由は知りませんけれどあまり強引に話を進めるのはどうかと思いますよ?」

「え、何? こいつこの前の場所譲れって言ったやつらの仲間なのか?」

「…シズクこの近辺でほどほどに食事のおいしい場所を1階で聞いて来て」

「ん? あー…そうだないってくるわ」


 必要以上に騒ぐと面倒なのでとりあえずシズクを排除っと…


「確かにそうでございます。ですがこちらは聞き入れていただけ大変助かりまして、その…そのお礼にとご主人様が食事に呼ぶようにと申されまして」


 つまりそのお礼に俺たちを食事に招待したいと…


「えーと…大変ありがたいのですが、滞在許可証を人数分発行していないので町の中を歩かせるわけにはいかないのですが…」

「それでしたらご心配なく。馬車での移動になりますし、夜になりますのでほとんど人の目にもふれないことでしょう。ご主人様もその程度の移動でしたら目をつむってくださるかと」

「えーと?」


 この人の主人が許してくれたっておおもとに怒られるんじゃないのか?


「あなた方をお呼びしているのはこの町の町長でありますので問題ありませんよ」


 あーあの馬車この町の町長の物だったんだ。まあ見たって俺にはわからんのだけどさ。で、問題は食事か…こっちの大陸に来てからあの魚をはさんだパンしか食べたことがないんだよな~ あまり期待できないというかなんというか。


「それともやはり人族は獣人族の作ったものなど食べられないというのでしょうか?」

「…そんなことはないですよ?」


 この羊いきなり目つきが厳しくなったんだが。


「では外の馬車でお待ちしていますので皆様お揃いになりましたらお願いします」


 羊執事は部屋を出て馬車へと戻っていった。それと入れ違いでシズクが部屋に戻って来た。


「リョータ。宿に勧められた店は肉を扱っているところばっかだったがそれでいいか?」

「さっきの執事に食事に招待されたからルーが戻ったらそっちにいくぞ」

「食事の招待か…うまいもん食えるのかな」


 シズクは食事を期待しているみたいだが、俺はまためんどくさいことになったなーと思った、ヨルさん達の時みたいに平和に済めばいいんだがな。

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