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165. お土産

 次の日、箱庭の外へ出てみると雨はすっかりと上がっていた。これなら今日は船が出るんじゃないかな。ちなみに昨夜はルーとジエルが戻るのを待っていたらそのまま床で寝ちゃってて、ジエルにたたき起こされたんだよね。


 身支度を済ませ朝食を食べ終わり、再び船の出発時刻と予約の確認をしに行こう。


 どうやら今日はどの時間帯も問題なく出発予定だそうだ。小屋の中でそれを確認したのであとは予約なんだが…やっぱりお土産を見たいらしいので午後の最初の船の予約をした。代金は銀貨1枚。3人なので銀貨3枚だ。


 昨日と同じように露天が立ち並ぶ場所を見て歩くみたいだ。そしてやっぱりジエルはネコルーの背中の上だ。まあ大人しく座っていてくれるからこれはこれでいいんじゃないかな。ただちょっと目立つ。


「中々面白いものは売っていませんね」

「面白いもの?」

「はい、普通の食べ物はやっぱりどこでも手に入りますし、一般的なお土産は見慣れていますよね? どうせなら変わったもののほうがいいかなーと」


 変わったものね~…俺から見たらどれも新鮮だから参考にならないだろうな~ さっきから見かける果物だと思うものとかすごい形しているし…


「あ…」

「ん?」


 突然ルーがじっと俺の顔を見つめている。なんか俺の顔についているのか? 例えば朝食の食べかすとか…もしそうだったら恥ずかしいじゃないか! 


「リョータさんっ」

「な、何」

「リョータさんのスキルですよ」

「ん?」

「えーと…ポイント? で手に入れていたやつです」


 あーガチャのことか。


「それを何でもいいので1ついただけませんか?」

「なんでもいいの?」

「はい、だって破ったら出てくるなんてそれだけで変わっているしすごいじゃないですか」


 確かに便利だなーとは思っていたけどすごいんだこれ。ポイントが稼げないと役にもたたないんだけどな。なんでもいいと言われると何を渡したらいいのか迷う。


「ちなみに渡す相手はどんな人だ?」

「そうですね…ジエルに似ています」

「いや見た目じゃなくてだ」

「…ジエルに似ています」


 おい、なんでそこで視線を逸らす。本当にジエルみたいな人ってことでいいのか??


「うーん…おいしい食べ物とか面白いものがいいってことでいいのか?」

「そうですね」

「…チョコバナナでいいんじゃないか?」

「私もそれでいい気がしてきました…」


 どうやらお土産はカードの状態のチョコバナナでいいらしい。エルフの里を収めている人に上げるものだよな? 不安しかないんだが…いいと言うので複製で増やしておこう。魔力の消費が多めだからカードの複製はあまりやりたくないんだけどね。でも複製しておかないとチョコバナナが手に入らなくなってしまうからしかたがない。


「じゃあこれ」

「ありがとう~」


 複製したカードをルーに渡すと嬉しそうだった。まあ破ったら食べ物になるとか最初は驚くよな。それだけでも価値があると言えばあるか。


 お土産が決まったので露天めぐりは終わり、早めに昼食を済ませることにした。久しぶりにこの世界のお店で食べてみることに…魚なら無難に塩焼きなら大丈夫な気がするんだよね。ただここで俺は忘れていたんだ。米を一般的に食べていないってことを…


「…たしかに魚だけど」

「どうかしましたか?」


 不思議そうな顔でルーがこっちを見た。ジエルもネコルーも気にせず食べているのに俺の手だけが止まっているからだ。でもさ…これ絶対手が止まるって。今目の前の皿の上に置かれているのはパンだ。米じゃない…まあそれは仕方ないよ。だけど…そのパンに挟まっているのが魚だ。しかも塩焼き。照り焼きとかフライとかじゃなくて塩焼きの魚がパンに挟まっている! たしかに塩焼きを注文したのは俺だけど! パンに挟まって出てくるなんて思わないじゃんっ ちなみにルーはバター焼き、ジエルはハーブ焼き、ネコルーは素焼き…ネコルーはなんでもいいや。こんなことならハーブ焼きにしておくんだったと後悔した。それとバターがあることがわかったのは大きいね。まあ持っているから複製すればいいから困らないんだが。あ、ヤギの乳があったくらいだから出来ないこともないのか。

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