164. 山の確認と夕食
ルーと自転車に乗って山のふもとまでやってきた。思ったより山は小さめだ。港町に行く途中にあった山の半分くらいの高さしかない。これなら数時間で反対側まで行けそうだな。山があることを目の前で確認した後、生き物リストを開いて内容を確認。若干ページが増え厚みが増し、小動物と虫が増えていた。なるほど…俺のイメージがこれを作っているのかな? 例えば森には虫がいるもの、とかね。箱庭って何気に恐ろしいスキルだ…生き物も作れるってさ、つまり俺はこの世界の創造主ってことじゃん? 世界としては狭いけれどね。
「とても理想的な場所になりましたね」
「海はないけどね。このままここで暮らせたら平和なんだろうが…まあ無理かな」
流石にそれは無理だと思った。食べる分には困らないが、やっぱり畑とか作って野菜も育てないと偏りがひどいことになるし、そもそもこの世界には食べられる肉がない。いや、ないことはないかな。たしか山にイノシシがいるって書いてあった。ただ数が少ない。
「まあ箱庭のことはとりあえずいいや。またジエルに料理されると面倒だからちゃんと家で夕食を食べれるように準備しようか」
「そうだね。あっ 夕食は簡単なものでいいので、この乗り物私も乗れるようになりたいです」
「ああそう?」
「はい、乗れるようになったらこの中の移動が速くなりますから」
なるほどそういうことならポーション追加で飲んで自転車を複製しようか。練習で壊れちゃったら困るしさ。複製しておけば安心だ。
自転車を複製して片方をルーに渡す。しばらく一人で練習してみるらしい。暇になった俺はとりあえず家の鍵をあけ中に入って窓を開けて換気をする。あんまり風は吹いていない世界だけど気持ち的に。で、調理場を取り出し夕食の支度を…あー今度ちゃんとここで料理がつくれるように魔道具も検討してみるかな~ というかコンロの魔道具も一度みたしガチャ引けばそのうち出るかもしれん。買ったら高そうだしそれがいいかもね。
さて、今日の夕食は何にしようか…昨日肉や魚が多かったからパスタとかどうだろうか? ソースを作るのはめんどそうだけど、レトルトのミートソースがあるしいいんじゃないかな。パスタを茹でてソースを温めて…何かサラダとスープもいるかな? スープは前作ったコンソメスープでいいか。よし作るか。
茹でるだけ、温めるだけであっという間に準備は終わりっ ルーの様子を見に行こうか。外に出てルーを探す。姿が見えないな…地図を取り出し現在位置を確認する。あれ? 結構遠くに行っているが…あーなるほどもうちょっとでジエルと合流出来そうだな。割とすぐに乗れるようになったからジエルを呼びに行ってくれてるんだろう。
『ルー そのままジエル連れて戻れるかな?』
『あ、リョータさん。どうでしょうか…一人なら何とかってところなので。ネコルーちゃんに頼めないですかね』
魔道具を通じてルーに話しかけて見たら返事が返ってきた。
『どうだろう…俺がそこまで飛んで一度外に出て入りなおすのが一番早いけど、ネコルーに乗ってくるか?』
『ちょっとまってくださいね……あージエルはネコルーと戻りたいって言ってます』
『じゃあ夕食は準備出来ているから戻ってくるように言っておいて』
『わかりました』
みんなが戻ってくるまでまだちょっとかかるな…何をして時間を潰そうか。