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141. ジエルとハンバーグ作り

 ブンナーの町の中、俺は今フードを被った2人の少女を連れて歩いている。ルーとジエルの2人である。ルーの被っているフードは存在が希薄になる魔道具らしく、俺がそれを複製してジエルの分も用意した。ただ魔道具だということもあり魔力の消費がはげしく、今の俺の魔力で作るのは1つが限界だったため使用しているのはルーとジエルの2人なのだ。本当はまだダルシア男爵がこの町にいるかもしれないのでうろつかない方がいいのだろうが、どうしてもジエルの着替えが欲しいということで町の中を歩いていた。


 箱庭の説明の後ルーとジエルは西側へと帰ることに決めた。ただそれには俺もついてきて欲しいとのこと。どうしても会わせなければならない人がいるんだそうだ。一体誰が俺に会いたいのか知らないけど余程の物好きじゃないだろうか?

 そのために島へと渡りそこから西側へと行かなくてはならない。もう一つ移動方法があってこっちは北側の国境門を通る方法だそうだ。陸を歩いていくルートなのだが、こちらを選ぶととてもじゃないが日数がかかりすぎてしまう。エルフの2人を連れてそれは危険な旅となるので出来るだけ早く西側へ行くためにも島をわたるルートを選ぶしかないってわけだ。


 2人の買い物を無事終え箱庭の中に入ってもらった。そして俺は宿を取り一泊することに。さっさとテレポートでフィレーネまで戻ってもいいんだが、魔道具の複製で魔力がない。それに今から夕食を食べようというのに移動のためにポーションをがぶ飲みしたら食べられなくなってしまう。流石にそれはいやなので!


 宿の部屋に入りすぐに箱庭で2人の元へ。

 民家の中にいるのか外にいなかったので中へと入る。


「ご飯…」


 入って早々ジエルにご飯をねだられる。いやいいんだけど…俺はご飯じゃない。


「ルーは?」

「そこ」


 壁に魔道具のテントが設置してあった。ああそうかベッドがないから魔道具を使わないと寝ることが出来ないんだ。


「寝てるよ」

「見張りとかもやってたし疲れてるのかな」

「多分そうね。ご飯できるまで寝かせて置いて」

「そうだな」


 話を切り上げ魔法具の調理場を設置する。中へ入っていくと後ろからジエルがついてきた。


「手伝う。早く食べたいし」

「ジエルは何が出来るんだ?」

「味見と片付け。あっ 野菜くらい洗える」

「……そう、用があったら声かけるよ」

「任せて」

「ちなみに何が食べたい?」

「肉」


 いやいいんだけども、肉は基本洗わないと思う。


 夕食は久しぶりのハンバーグにした。ひき肉にするのが面倒だったがジエルが楽しそうに包丁を振るってくれた。その時に何やらぶつぶつと言っていたが内容は聞いていない。というかきっと聞いたらだめなやつだと思う。


 ジエルが頑張ってひき肉を作ってくれたので思ったより早く完成した。のちのためにもちろん複製をしておこう。これでハンバーグでもうひき肉を作る必要はない。


「ご飯ー 起きないと食べちゃうよ。むしろ食べるよ」

「ジエルひどいよ…リョータさんのご飯食べたいし」


 ベルを連打しながらジエルがルーを起こした。みんなそろったことで早速食事に。


「あ、そうだネコルーも呼ぶね」


 ネコルーを召喚するとやっぱり魚をくわえて現れた。一瞬誰って顔されたけど大丈夫か? 気のせいか野生に帰りつつある。


「…っ」


 食事をしていたジエルの手が止まった。なぜかじっとネコルーを眺めている。


「白い獣…」

「なんだ?」

「気を付けて」


 …? 何に?? それだけ言うとジエルは食事を再開した。

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