表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
155/355

140. ジエルの価値

 食事が終わった後少しだけ眠そうにしているジエルの口が動いた。


「ルーが留守だった時に、知らない人がいきなり来て連れてかれた」


 そういえば少しの間ルーは王都に行っていたっけ。俺もちょうど王都にいて一緒にダンジョンへ行ったんだ。なるほどそのルーが留守の間に…か。


「…」

「…」

「…?」

「終わり」


 終わりかよ! まだ続きがあるのかと思って待ってたわっ


「ジエルそれじゃあ全然わからないよ?」

「私もそれだけしかわからない」

「うーん…じゃあルーは?」


 ジエルに話を聞いても進まないことがわかったのでルーのほうに話を振ることに。


「王都から帰ってきたらジエルがいなかったの。色々調べたらどうやら奴隷として売りに連れていかれるってことがわかって…」

「臨時で護衛パーティに入った、と?」

「はいそうです。後は一緒にいたので知っていますよね?」


 話の流れは理解できたけど…


「ジエルが連れていかれたのはなんでなんだろうか?」


 ふと思いついたことを口に出した。普通理由もなく人の家に押し入ってまで奴隷にすることはないと思うんだ。例えばジエルを誘拐して誰かを脅すとか…まあこの場合だとルーや親とかか? もしくはジエル事態に何かしらの価値があってそれに気がついて連れていかれた??


「多分これ」

「…え?」


 ジエルが髪の毛をかきあげ耳を見えるように表に出す。そこにあったのは尖った耳。


「髪の色も…他の種族にはいないから」

「だからジエルは家からでていないんでしょ? なんでばれるのよ…」


 2人の会話がよくわからなくなってきたんだが、ジエルの尖った耳はやっぱりエルフとかなんだろうか? 初めて違う種族というものの遭遇に俺はちょっと驚いていた。


「あ…えーと私達はエルフなんですよ。本当は気軽にばらすことはしないんですが…リョータさんなら大丈夫だとジエルも言っているので教えました。それで私達が住んでいた家には認識を阻害する魔法がかかっていまして、家から出なければ私達がエルフであることがわからないようになっていたんです。それなのになんで…」

「髪の色…初めて会った時から今の色のままに俺は見えてたけど…その魔法って効果が切れていたってことは?」


 ん? 俺なんか変なこと言ったか?? 気のせいか2人の動きが止まっている。


「え? 切れて…」

「つまり外から丸見えねルー」


 もしかしてそんなことは考えもしなかったってことか…? 思ったよりルーはどこか抜けているのかもしれない。


「2人がエルフだってことはわかったけど。どうしてエルフだと奴隷にされるのかがわからないんだが…」

「そういえばリョータさんは勇者様たちとお友達でしたね」

「ん?」


 たけ達と友達だと何か問題が? ああそうか…この世界のことあまり知らなくても当然ですよねって言っているのか。


「エルフは…いえ、エルフだけじゃないんだけど、人間以外の他種族は基本東側の地にはこないの。なので珍しいみたいで、まるでペットにでもしようとする人がいたりするのよね」


 地図を思い出す…たしかUの字をさかさまにした形だったよな。つまりその東側が人間たちが住んでいる土地ってわけだ。じゃあそうなると西側が他種族の住む土地ってことになるが…


「じゃあなんでルーとジエルはこっちに?」


 という疑問がわいてくる。


「詳しいことは話せないけど、こっちの土地に用事があったんです」

「用事ならしかたないのか…あ、そういえば中央? の島はどうなっているんだ??」


 そうルーの話を聞いて気になった。東と西に分かれて住んでいるなら中央には誰が住んでいるのか。


「そこは商業都市ですね種族関係なく商売をする人が集まっているんですよ~」

「商業都市か…」


 種族間関係なく色んな人が色んなものが売っているんだろうか…ちょっと興味はある。おっととりあえず今はそのことより…


「それでルーとジエルはこれからどうするつもりだ?」


 そう2人の家にはもう帰ることが出来ない。あそこにエルフが住んでいたことがばれているからな。用事がどうなっているのか知らないがもう用がないならさっさと西側へ帰ったほうが安全だし。


「そうですね…その前にリョータさんのこのスキルのこと教えてもらっていいですか?」


 ああそうだったまだ教えていなかった。

 幼女に貰たことだけ省いて簡単に説明することにした。幼女のことは言っても信じてもらえないかもだからな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ