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136. 箱庭3

 村を出発し魔物も盗賊も出ることなく今日の野営地に到着した。今度の場所は森というほど木があるわけではないがぽつぽつと木が生えており、大きな岩もごろごろと転がっているところだった。水場は湖のようでその近くに開けたところがありここで夜を過ごすらしい。


 今回も同じくあのぷりぷりした人のテントの近くにある馬車に自分のテントを設置た。さっさとテントに引きこもってもよかったんだが視界の悪い場所なので少し周辺を散歩してみようかと歩き出した。


「平民」

「……」


 ダルシア男爵とエンカウント…じゃない遭遇。ニヤニヤとしながらこっちに近づいてくる。前も思ったけどこの人大人しくしてられないのか? ちょっとうろうろしすぎだと思う。


「今回の移動にあの白いネコは連れてきていないのかね?」

「はあ…」

「そうかそれは残念だ。いないものは仕方がない…か」

「あの…一つ伺ってもいいですか?」


 にやにやした顔がなくなりすっと目を細め俺のことをじっと見ている。普段からそっちの顔ならまだ見れるのにとか思ったけどもちろん口にはしない。いや顔にも出さないようにしないと…ポーカーフェイスポーカーフェイス。


「なぜネコ探しの依頼を取り下げたのですか?」

「…そういえばその依頼を受けたのはお前だったのだな。なに、大したことじゃない。妻が勝手に依頼を出したので取り下げただけのことよ」

「そうですか…」

「なぜそんなことを聞く?」

「……えーと、折角見つけたのに依頼料もらえなかったので残念だなーと?」

「ちっ …これだから平民は…余計なことを考えずに与えられた仕事だけしてればいいものを…ふんっ」


 今はそんなことを思っていないが、その時に感じたことで返事を返すとそんな言葉を吐き捨てダルシア男爵は去っていった。なんていうか…真面目に仕事するのが面倒になってきた。


 テントに戻ることにした俺はすぐに箱庭へと移動し、地図を確認。相変わらずネコルーは湖の所にいる。そして足元に転がっているたまごは・・・気のせいか少し大きくなった気がした。


「…これちゃんと生まれるまえまでに契約できるのか?」


 不安に思いつつもたまごをなでなでする。おっとネコルーは食事中のようだし俺も何か食べよう。そうだな今日は幕ノ内弁当でいいかな。複製も忘れずしよう。

 食事をしながらぼんやりと箱庭の地図を眺める。もうちょっと何かしたいが相変わらず思いつかない。やっぱり家を建てるべきか…? 木を切り倒して作るとなると流石に俺では出来ないが、幸い建築物ガチャがある。まだろくな建物は持っていないがせめて自分の家くらいはあってもいいと思うんだ。ひいてみるか? 割と欲しいと思うものも今まで出てきたんだし。



ガチャポイント:29314→27314


歩道橋

平民民家小


 2個目で家が出たな。ただ平民の民家か…そこらで見かけたやつって結構小さな家だった気がする。それにしても歩道橋…ああ、使えないことはないわ。川に渡せば橋になる。いいんじゃ? ひとまず民家の確認からかな。


 仮ということでこの箱庭に来る場所のすぐ近くに民家を出して見る。うん…小とあるだけやっぱり小さい。扉を開け…鍵がついていないんだが、中へと入るとすぐに広い部屋になっている。この部屋の左側に次の部屋に続くところがあった。ちなみに扉はないただの穴だ。奥の壁側にはその穴が3つ…一つはすごく小さな小部屋というか地面に穴が開いていることからトイレだろうか。他の2ヶ所はただの部屋だな。足元は土で埋められている。つまりベッドとかないと部屋で寝ることも出来ないってやつだ。ないよりはましな家ってとこかな。複製でテーブルを作りその上にクッションに乗せたままたまごを置いておくか。


 家の確認が終わったので今度は歩道橋だ。どこに設置しようか…まずは湖の近くにでも置くかな。何か所か欲しくなったら複製しよう。自転車で湖のとこまで走り早速歩道橋を川に渡す…失敗した。川の横に並ぶように出てしまったよ。カードの現物化、大きなものほど扱いがむずかしい。一度インベントリに歩道橋をしまってから川を渡すように設置。こんな大きなものでもしまえるとはやっぱりすごいスキルだな。

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