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134. 索敵

ピローン ピローンピローン


 なんかうるさい音が聞こえる。


ピローンピロ-ンピローンピローンピローンピローン


 いやほんとにうるさいよ! …ああ交代の時間か。


「すぐに出なさいよ…」

「すみません…テント片付けたらすぐ行きます」


 この人なんかこわい。とりあえず一緒に寝てたたまごを箱庭に戻し服装を整え髪に手櫛を入れる。ちょっとだけ寝ぐせがついてるがまあ気にしない。

 外に出てテントを回収。


「じゃあ私は寝るから」

「はい…」


 なんか機嫌が悪い。俺何かしたっけ? もともとそんな感じの人だったからよくわからん。というか名前すらきいてないんだけどね。


「えーと…とりあえず適当に周辺を見てればいいのかな?」


 これだけ周りがよく見える場所なんだからそれほど気を付けなくてもよさそうだ。だけどどうせなら練習もかねて索敵魔法を使用してみるかな。


「索敵」


 魔力を注ぎながら周辺を見渡す。肉眼で見えるもう少し先まで見てみるか。えーと…この周辺で動いていないのは今テントで寝ている人たちだな。で、自分を含め周辺で動いているのは4人…と。これは問題なし。ちょっと離れたところに肉眼では何もないけれど何かがいるのがわかる。とりあえずこっちに向かって動いてはいないから要注意ってところか。案外地中に隠れている生き物か何かなんだろうけど、念のため気にかけておこう。


 …お腹空いた。そういえば朝食って食べる時間もらえるんだろうか? よく考えたら3つに分けたこの最後の時間って他の人たちが朝食を食べてても見張っていないといけないんじゃ?? 


 おう…他の見張りの人に聞いてみたらやっぱりそうだった。出発してから移動中に食べることになるらしい。それってつまり徒歩の人は歩きながら食べるってことになるが…これは中々つらいな。回復枠でよかったと思わざるを得ない。まあ前に出てそもそも戦えないんだが。ネコルーを出せば戦ってくれるけど…ダルシア男爵がいるからあまり表にだしたくない。


「ん?」


 見張りの一人だと思うけど…必要以上にうろついているのがいるな。これだけよく見えるんだから適当にばらけて周り見ているだけでいい仕事なのにおかしくないか? 念のためにそっと近づいて様子を見てみるか。俺はこの動き回っている人の進行方向の反対側に周って様子を眺めた。どうやら馬車の中を覗き込んでいるようだ。しばらく見た後馬車の側面でごそごそし立ち去った。


「??」


 なんだったんだろうか? ちなみに覗き込んでいたのはフードを被っていた女性だ。どう見ても怪しすぎる…元の位置へと戻っていったのでその問題の馬車の側面へと近づいて見た。


「これは…」


 みたらますます意味が分からなくなった。ただナイフか何かで2つの線をクロスするように傷がつけられているだけなんだ。何かの目印だろうか? それともバツ…違うってこと?? よくわからん。とりあえず外だけじゃなくて一緒に行動している人たちも気を付けて見ていないといけないってことか…でもなぁ、誰に報告すればいいんだ? ダルシア男爵自体がかかわりたくないから話しかけたくないし…ガルシアさんでいいかな?

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