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132. 開けた野営地

 何事もなく最初の休憩所へ到着。前回王都に行くときにもよった森の中の川の近くだ。まあ前も思ったけど町からさほど遠くないここで強い魔物とかに出くわしたらたまったもんじゃない。まあそれでもこの間のように魔力だまりとかが出来ているとわからないから油断は出来ないんだろうね。


 どうやら昼食は各自のようだ。それぞれが好きに座って食事を始めている。見張りとかしなくてもいいのだろうか?


「ガルシアさん食事の時見張りとかしないんですか?」

「ん? ああ、ここは比較的安全だからな。各自食べながら周囲を見ている程度で大丈夫だ」


 そんなもんなのか。じゃあ俺も昼ご飯にしよう。ネコルーにも食べさせたいから馬車の中に入って人がいないことを確認し、箱庭を使用。ネコルーを呼び出しリンゴを3個コピーして渡す。俺は親子丼を実物化して食べた。もちろんコピーして一つしまった。


 出発がどのくらいかわからないので食べ終わったらさっさと外へ出て、様子を見る。ダルシア男爵がまだ食事中みたいだからまだ少しは時間がありそうだ。


「リョータこっちこい」

「ん?」


 ガルシアさんに呼ばれて向かうと護衛の人が集まっていた。今日の夜の見張りの打ち合わせらしい。全員で14人これを3交代で回せるようにわけるようだ。4人ずつ組んで2人見張りをやらないことに決まった。この見張りをやらないのは前衛職の2人。歩いて移動するため休む時間を増やしてやるためだ。今回の3パーティで前衛職は5人なので一人だけ夜しっかりと休むことが出来ないことになる。


「んじゃそれは俺がやるわ。だから見張りは前半にしてくれ」


 と声をあげたのはガルシアさん。もちろん反対する人は誰もいない。休めるのなら誰だって休みはほしいものだからね。で、俺は2日とも後半に…寝ているところを知らない男の人に起こされたくないと2人の回復職の女性に言われたら断れないだろう!?


 打ち合わせが終わり馬車が出発。途中から進路を左へと変えていく。ここからは俺もまだ行ったことがない場所になる。そのまま森を抜けるとこっち側も平原が広がっていた。北方面とは違ってところどころ街道を避けて大岩が転がっているのが目立つ。物陰に誰かが潜んでいないか確認しながら慎重に進むので少し馬車の速度が遅い。どの岩影にも隠れている魔物や盗賊はいなかったようでじきに馬車の速度も元に戻った。


 そして馬車は今日の野営地に到着…したんだが、ここで野営するの?? 驚くことにすごく開けた場所だった。普通に平原だ。もちろん街道から少し外れた場所になるんだけど、あると言ったら湖くらい。木も岩の何もない。周りから丸見えである。いや、でもこのほうが安全なのか? 魔物や盗賊の姿だって丸見えなわけだし…まあ俺が考えたってどうしようもないか。もうここで野営するって準備が始まっているし。となれば俺も自分の寝場所を用意しようかね。といってもどこか適当な馬車に設置するだけなんだが…


「ねえちょっと」

「はい?」

「寝床どこにするの? 教えてくれないと起こせないんだけど」

「君の寝床は? どうせなら近いとこに設置するよ」

「あら、それは助かるけど…一歩でも入ったら容赦しないからねっ」


 案内された場所を見て納得した。普通のテントだ。襲ってくれといっているようなものだ。いや俺はそんなことしないよ? まあこういったのは人それぞれ予算とかもあるからしかたないんだろうね。


「あーじゃあこの馬車の裏側に設置するね」


 そこから一番近い馬車の裏手側の壁にテントを設置した。気のせいかちょっと睨まれた。なんで?

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