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126. 領主への報告

 ギルドへの報告が終わりジルベスターさんの所への報告は朝一に向かうこととなった。外はお祭りムードなのか若干騒がしいが俺は部屋に戻り体を休めることにした。本当なら夕食はエビフライを食べる予定だったんだが、炊き出しで食べたし疲れもあるのでさっさとお風呂を済ませベッドに横になることに。


 新しく貰ったスキル…むしろ押し付けられたスキル? を試したくもあるがそれも起きてからということで。ちなみに今日受け取ったカードはちゃんと魔力を通しておいてギルドマスターに渡しておいた。数日中に報酬が出るそうだ。


ドンドンドン ドンドン


 ドアを乱暴に叩く音で起こされた。まだ覚醒しきれていない頭を振り窓の外をちらりと見る。


「あー朝じゃん…」


ドンドンドン


 あーそうだ。この音で起きたんだった。のそのそとベッドからはい出し扉を開ける。…誰だ? すぐに目に飛び込んできたのは誰かの首のあたりで、近すぎたせいか顔が見えなった。でも俺の目線で首が見えるってことは相手は俺よりも背が高い奴ってことだけはわかる。顔を確認しようと数歩下がる。


「あまりにも遅いから迎えに来たのだが…まずは身だしなみを整えろ」


 …ギルドマスターだった。再び扉を閉め身だしなみを整えることに。顔を洗い、服の汚れを取り除きしわを伸ばした。


「食事は…まあ後にしろ」

「はあ…」


 再び扉を開けたらいきなりこう言われた。どうやら食事をする時間はくれないらしい。いいけどさ…


 2人で町中を見ながら北の領主の家へと向かう。昨夜の騒ぎはすでに治まり町の中は普段と変わらない様子を見せている。ただすでにこの町から離れ移動をしてしまった人についてはどうなったかわからないらしい。まあ地竜がいなくなったことが伝わればそのうち戻ってくるだろうとのことだ。


「冒険者ギルド、ギルドマスターのミリエルだ。昨日の魔力だまりについての報告へと来た。取り次いでくれ」


 門のところで門番さんに声をかけるとすぐに通してもらえた。多分事前に報告へ来ることがつたわっていたんだろう。


 何度か来たことがある部屋へと通され中へ入るとジルベスターさんとヨルさんの2人が待っていた。


「あれ…なんでリョータが?」

「なるほど君が今回の功労者か」


 部屋に入って勧められる前にギルドマスター…ミリエルさんはソファーにドカリと座り、紙束をテーブルに置いた。


「今回の件の報告書だ」

「読ませてもらおう」


 少しの間紙をぱらぱらとめくる音だけが聞こえた。読み終えたジルベスターさんが目頭を押さえながらため息を吐きだす。


「なあ領主様よ…こいつなんなの?」

「ここに書かれていることは事実かな?」

「さあ…内容を見てないのでわからないです」

「では、地竜は海に沈めたというのは? 君が海に行ったことがあるとは聞いていないが」

「やっぱり気がつきますよね~…」


 俺のテレポートの性質の話だ。海に行ったことがない俺がどうやって地竜を海に沈めたのかと聞かれているってことだよな…


 ちらりとミリエルさんの方を見た後ジルベスターさんの方に視線を戻す。


「俺のスキルってあまり人に教えない方がいい気がするんだけど?」


 まあ身内的なのは別としてだが。流石に昨日会ったばかりの人にほいほいと教えられる情報じゃないってことはちゃんとわかているつもりだ。来たばかりのころ気軽に使っていたのは気にしたらイケナイ。使わないと使い道もわからないし、それらがないと俺みたいなのはこの世界で生きていけないのだから。


「ギルドマスターミリエルよ。これから出てくる話は外部に漏らすことが出来ない話となる。どのような内容が出て来ようとその報告書を事実として受け取ることになるが…どうしても知りたいのか?」

「そうだね…じゃないと納得できない」

「ではこれ以外のスキルを含んだ内容だったら教えてやってくれ」


 これ…? ジルベスターさんは手でカギカッコを作っている。四角…カード? ああっ どうしてもそれは教えたくないのか。いやいいけど…


「それでだ、地竜はどうした?」

「えっと…ここに。箱庭」


 スキルの名前を口にし、スキルを発動する。目の前にうすぼんやりと黄色く光る扉が現れた。その扉を無造作に開け中からたまごをとりだした。扉を閉めると元から何もなかったかのように目の前から消えた。


「それが地竜なのかリョータ?」

「そうだよ。卵の状態に戻ってもらったんだ」


 再び頭を抱えるジルベスターさん。まあわからんでもないよ…俺だってこれ困るし。


「たまご…生きて? は??」


 ミリエルさんも混乱をしているみたいだ。

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