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1. ってことで

 ガチャのために生き、ガチャのために人は死ねると俺は本気でそう思っている…


 ある日の放課後。教室に残っていた俺はスマホの画面とにらめっこをしていた。そう…今日はためにためまくったコインを全部ガチャへとつぎ込むのだっ お目当てのガチャが引ける最終日…このために精一杯出来ることをやってためまくった。もちろん多少の課金もしているが…


「引くぞ…引くぞぅっ」


 ごくりと喉が鳴る。震える指先をスマホの画面へとゆっくりと近づける。絶対に引き当ててやるという気合だけは十分だっ


 指がスマホに触れる。画面が切り替わり眩しく光り出す。食い入るように眺めていたせいか若干目が痛いくらいに眩しい…ん? 眩しすぎてスマホすら見えないんだが。おいおいおいっ これじゃあ見えないよ!


 しばらくすると光が収まってきた。よーしよしよし。さあどうなった~? 結果はよみせやがれっ


「…あれ?」


 スマホの画面は暗転。真っ黒、というか真っ暗。電源を入れるとちゃんとつく。


「うわ~~…一番楽しいとこ見逃して落ちるとかないわ~」


 画面をタップして目的のアプリを開く…ひら…けない、だと!? 『通信エラー』と文字が出ていてその先へと進めない。よく見るとネット回線に繋がっていないことに気がつく。


「うそだろう? 回線が繋がるまで結果お預けとかないわ~…信じられんわ~ なあ?」


 近くにいた人物へ声をかけた。


「…誰?」


 そしたら知らない人が立っているし…何俺恥ずかしい人ってやつだよ! 見ず知らずの人に同意求めちゃったよっ


「楽しそうなところ申し訳ないんだけど、私の話聞いてもらえますか~?」

「はい?」


 どうやらこの知らない人は俺に用事があるみたいだ。


「では…こほんっ」


 …ん? いや俺話聞くなんていってないよな? 何勝手に話始めてんの? 今俺はそれどころじゃなくてスマホがネットに繋がらないことに困ってんだよ。場所を移動して電波が来るところを探さないと…あれ?


「なあここどこだ?」


 周りは真っ暗で何もないように見える場所。そこにいる俺とこの人のお互いの姿だけがくっきりと見えている。どういう状態なんだこれは…


「もうっ だ・か・らそれも一緒に説明しようとしてたことなんですけどっ?」

「あー…じゃあどうぞ?」


 腰に手を当てぷりぷりと怒っている幼女。ほうほう…背中に羽が生えていて中々好みな見た目…コスプレか? まあなんでもいいけど。早くガチャの結果が見たいけどっ このおかしな状況も少しだけわくわくするし。


「ちゃ~~んと最後までしっかりと話を聞いてくださいね?」

「聞かなかったらどうなるんだ?」

「理解してもらえるまでここからでられませ~~~ん」

「なん…だと?」


 話を聞くだけじゃなく内容を理解しないといけないようだ。これは真剣に聞かねばなるまい…ガチャの結果のために! そうガチャの結果を早く見たいがためにっ これ重要な?

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