夏
うだるような暑さ。
学者の先生方によれば、地球史上最高気温だそう。
人類は、熱と戦争を始めていた。
うだるような暑さ。
南極大陸は、歴史の教科書にしか存在しない。
人類の半分は、地球を脱していた。
うだるような暑さ。
「百年後には戻れますよ」
国連は、地球を出る人に決まってこう言った。
うだるような暑さ。
僕の住む街にはもう僕だけであった。
旅に出ることにした。
うだるような暑さ。
国連のものだと名乗る男がいた。
男が仲間に加わった。
うだるような暑さ。
男は僕の水をすべて奪っていった。
オアシスを求めた。
うだるような暑さ。
先の男が干からびているのを見つけた。
水は残っていなかった。
うだるような暑さ。
オアシスは何者かに破壊されていた。
体が苦しい。
うだるような暑さ。
僕は倒れたらしかった。
僕は。
うだるような暑さ。
目を覚ますと宇宙局だった。
地球不適合者とみなされたのであろう。
暑さから逃れて、俺は地球を出た。
行先は誰にも示されていないらしかった。
不安であった。
モニタに地球の様子が映し出される。
豪遊する男たち。
彼らが暮らすために、我々は追い出されたのだと気づいた
スペース・シップは座礁した。小惑星にぶつかったらしい。
もう動かぬようである。




