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第一章 伍.

「特等! 大当たりぃ!」


 目の前で天人が鐘をカランカランと振り回して大声で叫んだ。オレがガラポンを回したらコロコロっと金色の玉が転がりだしてきたのだ。


「特賞は百年に一回位しか出てこないんですよ。そろそろかなーとは思っていたけど、お客さん運が良いですね、何か持ってますよ!」


 興奮してるのか頭についてる花をピコピコ揺らして天人が話しかけてきた。


 それはどうも。あまり頭を振ると花が落ちちゃいませんか?


「この特賞はですね、なんと過去世発現、つまり転生前の前世の記憶が来世でも甦るんですよ!」


 ああ、アニメとかで良くあるやつですね。母さんと一緒に見てたアニメでそんなの見たことあります。


「いいえ、百年に一度くらいしかない凄いチートなんですよ! 知識チートで俺ツエエェェーーとか出来ちゃいますよ? それに特典は前世の記憶だけではないんです。六道昇格ブーストが付きます。

 あなたはワンちゃんですから畜生道下位なんですけど、来世ではきっと畜生道上位のモフ耳の獣人か、もしかすると修羅道のエルフとかですね!」


 えっ? オレって人間ですよね?


「いいえ、あなたは五歳のオス犬の魂です。人間たちの中で一匹だけで飼われていると、自分のことを人間だと思ってしまうペットが多いそうですけど、来世では間違いなく言葉を喋れるロゴスの民になりますよ。ラッキーでしたね!」


 ……なんかすごくショックです、オレって父さんと母さんの本当の子供じゃなかったなんて。


「六道の位階を上がるのはとっても大変なんですよ。悪いことをすればすぐに転がり落ちますけど、上がるには相当の善根を積まないとなかなか位階は上がりませんからね。

 大抵の魂は転生しても同じ位階のままか、もしくは一段階か二段階落ちになるんですから」


 はあ、ラッキーだったんですね。


「あなたの生きてたシャバ世界の地球では獣人は絶滅種族ですから、畜生道に生まれると、問答無用で牛豚鳥魚などに振り分けられてしまいます。

 けど次の転生先はサハー世界ですからね、ほら、玉のここにサハーって書いてあるでしょ? あそこは獣人もエルフも人もロゴスの民は全種族揃ってますから、今生ではありえなかった色々な経験を積めると思いますよ」


 そう言われると、ちょっと楽しみになってきました。


「おまけにギフトも付いてますね」


 なんかすごいギフトなんですか?


「ほら、玉のここに〈再生〉って書いてあります!」



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