九話
なんか久々に投稿した気分
「いやー、土日は大変だったな。」
「そうですね。私のせいで、色々申し訳ありません。」
いつまで、気にしてんだよ。
「あのなぁ。前も言ったけどさぁ、澄玲がいつまでも気にしてると、俺が怪我した意味が無くなるじゃん。だからまあ......そんな気にすんなって。」
「ありがとうございます。」
「じゃそろそろ学校行くか。」
「はいっ。」
学校の手前で戸星と百合本に遭遇した。
「おはようございます。」
「おはよー。」
「よー、一樹。怪我の調子はどうだ?」
「うーん、まあぼちぼち、かな。で?俺の心配をする余裕を持ってる戸星君はぁー?もちろん、テスト余裕なんだよなぁー?」
「うっ、多分大丈夫だと思うぜ。」
こいつほんとに大丈夫か?まあちゃんとプリントの内容理解出来てれば、赤点はないと思うけど。
「怪しいなら、今のうちに確認しとけよ。」
「はーい。」
「お前もだぞ、百合本。」
「ふぁー、わかったよ。」
「おまっ、まじで昨日描いてたんじゃねーよな?」
「いや、プリントはちゃんとしたよー。」
「ふーん、プリントはですか?」
待って、澄玲怖い怖い。後ろになんか恐ろしい奴が見えるんだけど。
「はっ、はい、昨日ちょっとBL描いてました。」
「赤点とっても知らんぞ。ほら、さっさと教室行って、最後の追い込みしてこい。」
「はーい。」
百合本が少々焦りながら、教室へ向かっていく。
「澄玲、今回の調子は?」
「そうですねー、今回は1桁前半かもしれないですね。」
「流石だな。」
「そう言ういっくんはどうですか?」
「んー?そうだなー。今回は、範囲的にも、皆点低そうだから、10番代かな。多分。」
「今回は、勉強会でちゃんと復習してたから、もうちょっといいかもしれませんね。」
「だといいけどなぁー。」
「まあ、今更焦ってもしょうがないですからね。」
「だなぁー。」
1週間後テストの結果が帰って来た。
うちの学校では、教師陣がめんどくさがり屋なので、学年の順位はテストの結果が帰ってきた数日後にわかるのだ。
澄玲は今回結構いいみたいだな。機嫌がいい。
影野は、何とか赤点は免れたみたいだな。あっぶねぇー、セーフとか思ってそうな。顔してやがる。
さてと、次は俺か。今回は、割とサラッと解けたけど、どんなもんかね。
「玖珂、今回はちゃんと勉強したのか?」
「今回はアイツらと、勉強会したくらいですかね。それがどうかしたんですか、平塚先生?」
30代前半の平塚先生はいつもは聞いてこない様なことを、聞いてきた。
「いや、アイツらは小テストとか見てると、確実に赤点に来るかな。と思ってたのに、今回はやけに成績が良かったし、お前も、以前より、良くなってるから、少し気になってな。」
「まあアイツらはアイツらなりに、やってたみたいですからね。俺らはちょっと手助けしただけです。」
何故か、平塚先生がジト目で俺を見ている。
「なんですか。その目は。」
「いや、なんか言いたい事は伝わったけど、なんか、言い方がな。the主人公みたいな感じがして、なんかイラッとしたんだよな。」
「うるさいですね。そんなんだから、結婚......なんでもありません。」
「よろしい。」
あっぶねぇー、セーフ。
口は災いの元ってまさにこの事だな。
「さて、赤点はいなかったみたいだな。」
「いやー、もう今回はお陰様で、助かりましたよ。お礼に、澄玲には、ベーコンでレタスな本をあげますね。玖珂君と読んでくださいね。」
「読まねぇよ。バカヤロウ。」
「ふふっ、次回もちゃんと勉強見てあげますね。」
あまり知られてはいないが、澄玲は腐も嗜むのだ。
あくまで、嗜むだが、たまに百合本がBLを見せてるので、そっちに転がっていかれたら、幼馴染としては、なんか複雑な心境だ。
「戸星お前ほんとにプリントやってたんだな。赤点回避はきついと思ってたのに。」
「いやまあ、今度赤点とったら、ほんとにやばいってわかってるからな。一応ちゃんと勉強してたんだよな。」
「普段から勉強しとけよ。アホ。」
「皆赤点回避したんだから、お祝いにどっか遊びに行こうよ。」
「ん、いいな。じゃあ行くか。」
「いけませんよ?テスト後の復習が大事なんですよ。」
「まあまあ、澄玲、飴と鞭って言うだろ?飴を上手に使えば、いいんだよ。」
「おいコラ、一樹お前俺らの事なんだと思ってんだよ。」
「ん?俺らの手助けなければ、今頃補習くらってた人達。」
「「「「その節はお世話になりました。」」」」
「まあそうですね、いっくんの言う通りかもしれません。」
「じゃあ、ゲーセンでも行くか?」
「いいよ。」
「賛成。」
「ゲーセンねー、まあいいや。」
「久々にゲーセンに行く気がしますね。」
「ハメを外しすぎないように、してくださいね。」
「今日はステレオタイプヤンキーいないといいけどな。」
「いっくん知ってましたか?そういうのをフラグって言うんですよ。」
「あー、あの例のやつ?」
澄玲がグループチャットで説明しているので、もう全員把握済みだ。
「そうそう、面倒だなー。フラグ立ってるし。」
「一樹知ってるか?フラグってへし折る事もできるんだぜ。」
「その発言が最も巨大なフラグである事に戸星が気づくのは、まだ先の話である。ってオチか?」
「うるへー。」
「念の為、女子は、1人にならないように、気をつけとけよ。」
「はーい。」
「分かってますよ、いっくん。」
「私はこのふたりと違って美少女じゃないから、狙われないでしょ。」
そう卑下する百合本を見かねたのか、影野が百合本に話しかける。
「お前は学園4大美少女の2人に挟まれてるからか、自分を低く見ているが、その、普通に可愛い......と、男子の間で話題になったりするんだぞ。だからそう、卑下するな。」
こいつチキったな。最初は普通に可愛いって思うとか言おうとしたんだろうな。
「あ、ありがと。」
まあ影野がそういう事を言えるようになったのは成長だろう。
百合本も満更ではなさげだし、他の連中も、このやり取りを見てほのぼのしてやがるし。
ほんとにこれで奴さえ現れなければ、なんの問題も無く、終われるんだけどな。
今回は、百合本と影野の距離を近くする事ができたと思う。え?一樹と澄玲は?だと?もうくっついてるようなもんだよ。