二話
可能な限り毎日投稿していきますので、よろしくお願いします。
「行ってきます。」
家を出て昨日通った道を進む。
「おはよう。」
「おはよう。今日はよろしくな。」
「任せてください。久しぶりに家に来るので、腕を振るいますよ。」
「楽しみにしとくよ。じゃあそろそろ学校行くか。」
二人並んで歩いて行く。毎朝見られる光景だった。
教室に到着し席に着くと、一人の男が近寄ってくる。
「おはよう。」
「んぁ、おはよう。」
近寄ってきた如何にも女性ウケしそうなイケメンは戸星紘基、俺の悪友だ。
「相変わらずの熟年夫婦感ですな。」
「お前とうとう頭イカれたか?付き合ってもねーのに、夫婦とか、バカじゃねーの?」
「何言ってんだよ。お前らが、付き合ってないなら、この世界にカップルなんて、存在しねーぞ?」
相変わらずバカな事をほざいているが、まぁ今更なのであまり気にはしていない。
だが......
「その言い方だと俺たちがイチャイチャしまくってるバカップルみたいじゃねーか。」
「いや違うな。お前らのは、カップルなんて低次元なものは通りすぎているんだよ。」
「ただの幼馴染だ。それ以上でもそれ以下でもない。」
「でもさぁ、ぶっちゃけお前他の女の子は興味無いでしょ?それに基本甲斐のために動いてることが多いと思うんだけど?」
確かに他の女の子にはあまり興味が無いが、だから澄玲のことが好きとはならんだろ。あと澄玲のために動いてるのは、幼馴染だからで別に好きだからという訳では無い。
「それに幼馴染が甲斐だからお前は幼馴染属性が好きになったんだろ?」
「それは関係ない。ただただ幼馴染属性が尊いだけだ。」
「まぁお前はともかく、甲斐はお前に好意を抱いてると思うけどな。ほらよく一緒に買い物行ったり、お前の部屋で本読んでたりするじゃん?普通女の子は好意のない相手にそんな事しないと思うけどな。」
異性への好意を全部恋愛感情でまとめんな。
「買い物は男よけのためだし、俺の部屋で本読むのは、澄玲が持ってない作品があるからだろ。」
「まぁ学園四大美少女と付き合うチャンスを無視出来るなんてさすが学園三大残念イケメンってことだな。」
「何を、お前こそその一員の癖に。偉そうにほざくな。ほらホームルーム始まるから、席つけ。」
ちょうど担任の平塚先生が教室に入ってきた。
「ほらーさっさと席につけ、ホームルーム始めるぞ。」
こんな口調だが、れっきとした3○歳女性(本人の名誉の為、前半であることだけ言っておく。)である。
「まあいいや。この件については、昼休みに皆で追及するとしよう。」
「何勝手なこと言ってんだよ。」
そして時は過ぎ去って昼休み。
「では尋問を始めよう。」
「やっぱお前馬鹿だろ。」
いつものように戸星と、もう1人の親友の影野真理そして澄玲とその友達で集まって昼食をとっている時の事だった。唐突に戸星がそんな事を言った。
「尋問ってなんのこと〜?」
尋ねたのは、澄玲の友人で自身も学園四大美少女の城本沙耶香見た目は完全にギャルだが中身は普通の女の子だ。
「俺が澄玲と付き合ってんじゃねえかって話。有り得んだろ?」
「澄玲も大変ねぇー?こんな鈍感野郎が幼馴染で。」
「玖珂君は戸星君と付き合ってるから、そんなわけないでしょ?」
この腐女子は百合本百合名前こそゆりゆり言ってるが、実際はBL大好きな女の子だ。
「まぁ冗談だけどね。私は腐女子だけどNLもいけるから玖珂君と澄玲のカップルも推せるよ。」
面倒な連中が集まってるなぁ。逃げられるけどこの中に澄玲を置いていく訳にも行かんし、そこも分かって戸星は澄玲がいる今行ってきたんだろうな。
「仕方ない。話は聞いてやろう。」
「「「「では尋問を開始するぅ。」」」」
「なんで皆さんそんなにノリがいいのですか?」
「クソうぜぇ。」
「で、なんでまだ付き合ってないの?」
「お互いに恋愛感情を抱いていないからだろうな。」
「なるほど、カレカノのような浅い関係ではなく、最早夫婦であると?」
「都合よく話を解釈すんな。」
「澄玲はどうなの?この鈍感のことどう思ってるの?」
「おい待て。鈍感ってどういうことだよ。」
「好きですよ。」
時間が一瞬止まった気がした。室内にいる全ての人間の注目が澄玲に注がれ、ほとんどの男子生徒からのヘイトが俺に向けられる。
「それってつまり?」
「はい、幼馴染として、一樹君の事好きですよ。」
これは......セーフだよな......いや大丈夫だと信じたい。
「うわっこれは一樹君......ギルティ。」
「これは有罪かなぁ。」
「流石に女の子にここまで言わせるのはなぁ。」
「罰として私のBL漫画でオジサンにねっとり襲ってもらいますか。」
「いやなんでだよ!幼馴染としてって言ってんじゃん!俺悪くないじゃん!」
やばいぞ、なんて言って話題変えるか......
明日もきっと投稿できるはず。