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六十七匹目 終焉への伍歩

なんか、Twitterでグダグダ言って大抵時間オーバーしてる気がする…

パチパチと乾いた拍手の音がする。私たちのクローンの埋葬が終わり手を合わせていると森の奥から先程よりも多くの世界の眼の構成員達と他よりも豪華な衣装なので恐らくは幹部なのだろう3人と目に包帯を巻き車椅子に乗せられた男がこちらへと歩み寄ってきた。

私はいつでもいけると構えたが父はボーッと見ているだけだった。大丈夫なのかな?たしかにこの人数にプラスして死見の魔眼。それと…確かあの馴れ馴れしく接触してきた人の中身の未知の魔眼。もう1人。それに車椅子のあの男は…存在感が違う。きっとあの人が首魁だ。

どうしようか、父の行動に合わせるかと考えていると車椅子の男がスッと手を挙げ魔眼使い達が一斉にこちらを凝視し各々の魔眼を輝かせ見えているのかはわからないがそれを確認すると口を開く。

「久しいな。アベンよ」


「ん?ああ………ちょっと待ってな…えーと…」


「相変わらず自分に関係なくなるや即座に忘れるか。真の魔眼使いにして王。バロム=ベルビューだ」


「ああ…そうそう、思い出した。世界の眼のトップね。あ、ミアを返してくれないかい?あれはあれでいないと本当に多少困る」


「ふむ…それは貴様の返答次第と言ったところだな」

完全に気圧されていたせいで気付かなかった。気付けば周りに展開した魔眼使いに囲まれていた。

「エマ。まあ、落ち着け。下手に動くな。

で?返答ってことは何だ?質問でもしてくるのか?」


「何、簡単な話だ。我々と手を組め。それがノルドを手放す条件だ。断るならアレを苗床に優秀な魔眼使いを産ませればいい。そしてお前達にもここで死んでもらう」

囲んでいた者達が、正面の幹部らしき者達が、より一層目を輝かせいつでも魔眼を使うと警告してくる。先ほどの気を抜いた奴なんて比じゃない。殺される。手先が震え鼓動が早くなる。死の足音がすぐ後ろまで迫ってきている様だ。

「それは困る。俺はまだほんのちょっと生きてるつもりだし、エマも此処で死なせるつもりは無い。2人で幸せになってもらうためにな。けど、君達と手を組むなんて心底反吐がでるね」


「ほう、ならばどうする?」


「うーん…ふふふ、ごめんねアベン。僕達の体でこんな事して。必要事項だから仕方ないさ。竜君もしばらくは大人しくしててくれよ?でないと計画が狂ってしまうからね」

父は意味不明な事を呟きながらトントンとつま先で影を蹴るとどこから取り出しかは煙玉を叩きつけ一瞬だけ魔眼使い達の視界を遮る。父は即座にスライムの入っているポーチを私に渡すと「全速力でキラレイスに行ってピエトロに会え。それとヴェノムにポーチを渡せ」と言った。

「でも、お父さんが!」


「僕の事よりてめえの心配をしろっ!行け!全速力で逃げろ!」


「ッ……あとで絶対会おうね」

動転してるのか珍しく目を白黒させた父は声を張り上げる。2度と離れたく無いと思った矢先にこんなことが起こるなんて…

「機械仕掛けの偽神【デウスエクスマキナ】が逃げるぞ!魔眼を発動させろ!」

あとでいくらでも回復すればいい。体内残っていた魔力を全て外骨格を作り変えた噴出翼に溜めると赤い閃光を放ちながら最大速度でキラレイス方面へと飛び去る。ほんの一瞬で何百メートルも離れられたが魔力の消費は激しい。それでも力つきるギリギリまで飛ぶ。お父さんはもう長く無いなんて言ってた。でも信じてる。あの人がそう簡単に死ぬ様な性格じゃ無いし色々あって普通に生きてそうだし。

再び溢れてきた涙を拭い、キラレイスへの飛行を続ける。




「やってくれたな」


「…あ?」

気付いたら転がされていた。何が起こったのかわからない。記憶も所々飛んでいる。エマはどこに言った?捕まって既に連れていかれたか?

「バロム様、直ぐに追跡班を…」


「構わぬ。これも既に視えていた。しかしいざ眼の前で見ると信じられぬな。あのアベンが子を逃すとは」


「逃す?俺がか?アイツ逃げたのか?」


「ふむ…記憶の混濁が起きているのか?ゲラルド。確かお前の魔眼は精神を撹乱させる物だったな?発動したのか?」


「は、はい!たしかに!」


「そうか…まあ良い。エッダ、殺さない程度に痛めつけておけ。お前の魔眼が適任だ。無論魔眼を使わぬ方法でも良いがな。だが、決して殺さぬ様にな」


「ああ、わかりました。殺さない程度に…やっておきますよ」

エッダと呼ばれた男は俺の髪を掴むと執拗に地面に顔面を叩きつける。それから何度か腹に蹴りを入れてくると「拷問部屋に吊るしておけ」と部下に命令する。

一切理解出来ない。逃げたエマも、一向に出てこないクロウも。






やれやれ、相も変わらずに君は僕の手の上でワルツでも踊ってるのかい?

空を覆う真っ黒な雲からは雨の様に人の死体が降ってくる。死体は地面に積もり死臭漂う平野を作り出していた。そんな場所で対峙した顔には靄がかかっえ見えないがどこか懐かしいソレは忘れたのかい?と楽しげに嗤う。

「 …………………。」

ああ、そう言えば君と分離した時に僕の記憶の殆どを抜き取っておいたからね。覚えてはいるけど殆ど忘れているだろう?ふふ、何となく存在していた気がするぐらいかな?でも、僕とまた出会えたんだ。え?ああ、体を勝手に使ったことは謝るよ。でもあそこで彼女を逃さなきゃ僕達の計画に支障をきたしてしまうからね。

死体を踏みながら近付いて胸倉を掴む。言い表せない感情が再び心を埋め尽くした。

ふふ、大丈夫。不安なのはわかるよ?記憶は返してあげるよ。君と僕の仲じゃないか。しっかりと思い出して、誰が本当に君を1番理解してくれるかわかったらさ…また、沢山人を殺そうじゃないか。今度こそ世界中の全ての生物を絶滅させて僕と君だけの世界を作りだそう。僕と僕の親友の だけの世界をね。




「おい、起きろ。いつまで寝てる」

頭から被せされた冷や水で眼が覚めるとエッダとか呼ばれていた男と数人が木の棒や木槌を持って立っていた。

「ああ、抵抗されると面倒だから邪魔な部分は切り落としておいたから」

道理で胴体から海獣でも釣るのかと言うくらいデカイ釣り針が出てるわけだ。そういやいつのまにか寝てたし、なんか吊るしておけとか言われてた気がするな。

「バロム様から聞いてはいたが本当に自分の手足が無くなろうが声一つ上げないんだな」


「…やっぱ寝るわ」


「は?」


「ああ、気にすんな。殴りてえなら好きにやってろよ」

クロウが助けに来ない。エマは俺が逃げさせたらしい。記憶の混濁が起き始めた。もう長くないだろう。ならせめていつも通り夢を見るだけだ。目を瞑り意識を手放そうとする。

「そうかぁ、寝るのかぁ…じゃあ今からお前の前でカルミア犯してやるよ。潜入してる時からそうだったけどアレ随分といい見た目してるよな。ノルドはみんな美形って聞いていたけど…お前みたいなのと不釣り合いだよな」


「あ?これだから学のねぇカスは嫌いなんだよ。おい、止めろ。ありゃ手前らみたいな糞以下の価値しかガボッ」


「大人しく寝てろよッ!劣等種のゴミが!」

木槌を口にねじ込まれると勢いのまま振り下ろされ顎の骨が外れ何本か歯も折れた。

「ふひっ!げヒャヒャヒャ!イイザマだぜ!だらだらと赤ん坊みたく汚ねえヨダレ垂らして!ブッサイクだなぁ。悔しかったら反論でもしてみろよ、バァーカ!

あと、トレラとして潜入してた時からずっとそうだったけどよ。お前みたいな何の取り柄もないゴミが!魔眼を持たない劣等種が!あんなに可愛い子達侍らせてよ、当たり前だみてえな顔してんのが最高にイラつくんだよ!おい、お前ら!」

最初は鳩尾を木の棒で力一杯に突かれると呼吸が出来なくなる。そして次に睾丸。此方は木槌で潰された。体内に響く不快なぐちゅん という音と痛覚がないからこそ残る感覚。それからは何度も木槌で頭部を叩かれ視界が赤く染まり全身の骨を砕かれ内臓が破裂した。それでも死なないようにと回復魔法を少しかけられる。我ながらここまでしぶとく生きられるとは思っていなかったが狂気に満ちた目で各々が殴り、蹴り、突く。何が面白いのか理解出来ないが疲れないのだろうか?



「チッ…口潰すのはもう少し後にしときゃよかったな。まあいい。答えられなくてもいいぜ。話されてもイラつくだけだしな」

数時間に及ぶ拷問らしき行為は終わり魔法で止血させられる。最後に栄養アンプルを何本か腹部に刺され終わりのようだ。折れて肺に刺さった肋骨や体の中で掻き混ぜられた内臓は機能しているのかは謎だが今だに生きているので生命活動に支障はきたしていないのだろう。それでも片目を抉られ代わりに刺しこまれた木の棒は脳に達しているので何処かしらに異常は起きていると思うが。

「明日もまた俺たちのストレス解消のために殴られてくれよ?家畜…いや、家畜に失礼か」

そう言うと全員が腹を抱えて笑い、1段落つくとエッダは部下を連れ部屋を後にした。

やっと静かになったこれで寝れる。


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