6.初仕事
5月23日この日から5日間雅樹達の学校でテストがある。彼らはいつもどおりに登校した。しかし、雅樹は学校に着くと瞬に電話をしていた。
「今日の8時から12時の間に絶対に電話鳴らすなよ!もし鳴ったら、いろいろと面倒だからな。お前は電源切ってても無理矢理鳴らしてくるから本当に困る。絶対に鳴らすなよ。」
「分かってるって。流石にこんなに言われて忘れるわけがないよ。安心して。」
「零樹のところにもだぞ。」
「はいはーい。それじゃテスト頑張ってねぇ。」
そういうと電話が切れた。
雅樹が教室に着くと既に誰か人がいた。いかにも賢そうなクラス新聞委員の沖 玲子だ。
「はえーな、お前名張だろ。今7時だから、何時に出発したんだ?ここ来るのに1時間くらいかかるだろ。」
「5時半に出ました。学校では落ち着いて勉強できるので。」
「まぁ頑張れよ。俺は寝るから。」
「余裕ですね。」
「今回のテスト簡単だからな。」
そういうと雅樹は寝始めた。雅樹が起きたのは8時35分だテストが始まる5分前だ。
問題が配られ始めた。そして8時40分になるとテストが始まった。英語のテストだった。(学校の英語は暗記だから楽だ。10分で終わらして残りの40分は寝よ。)そして、雅樹がテストを終わらして寝ようとした時ある事が起こった。そう、瞬が無理矢理電話をかけたのだった。(電話鳴らすなって言ったのに...取り敢えず声は出すな、頼む。)しかし、雅樹の祈りも通じなかった。
「雅樹、電話出てよー。あっ、要件は仕事だから10時に実行してね。内容はメールで送ったから、頑張ってねー。」
と、周りに聞こえるような声で電話から言った。もちろん雅樹は監督をしている先生に注意された。(約束どれも守ってねーじゃねぇか。)すると隣の教室からも似たような声が聞こえた。たぶん瞬が零樹に話しているんだろう。雅樹は目的の場所が遠く今出発しないと間に合わない。(クソッ、何で平日に県外に行かなきゃなんねぇんだよ。)と、思いつつも学校を早退して目的の場所に向かった。
雅樹の仕事の内容は森で暴れている謎の動物の駆除だ。10時ごろに出るらしい。雅樹が着くと既に森が荒れていた。しかし、大きな足跡がありそれを雅樹は見つけた。
「これは熊の足跡かな?それにしてもでかすぎる。」
雅樹は後ろに何かいることに気づいた。それは2メートルを超える高さの熊だった。
「やばっ!」
なんとか雅樹はギリギリのところでかわした。
「動物虐待はダメだが仕方がない。くらえ!」
雅樹が一発殴った。熊は一撃で怯んだ。すると、体が変色し赤色になった。
「グルルッ。」
さっきよりも早くなっている。その攻撃は重い。だが雅樹には関係なかった。
「永遠に、眠れ!」
雅樹は力を込めて熊を殴った。すると、10メートルぐらい吹っ飛んだ。すると体が小さくなり、色が薄くなった。雅樹が近寄ると既に死んでいた。
「薬の臭いがする。まさか!」
その熊が爆発した。
「爆薬入り、誰だよこんなことした奴!貴族の野郎命をなんだと思っている!」
雅樹はこのことを報告するために戻った。
一方、零樹は仕事に取り組もうとしていた。
「内容は確か、何者かに変装して僕達のことを探ろうとしている奴がいる、ですか。へんな組織の手下でしょうか。」
零樹の仕事はテストが終わってからだった。すると6組から話し声が聞こえた。
「ええー、玲子ちゃんギリギリの5時24分の電車に乗ったんだ!早いねぇ眠くないの?」
「とても眠たいです。」
それは6組の沖 玲子と運動委員の明るい性格の 浜辺 夏子との会話だった。零樹は気にもしなかったが、すぐに変だと思った。(名張駅の始発は確か5時40分、彼女が言った時間では電車は来ていません。まさか彼女が?)零樹は玲子が1人になったのを待つが1人にならない。仕方なく零樹は声をかけてみた。
「あのー、ちょっといいですか?」
「はい、構いませんが。」
「僕は神崎 雅樹の兄の零樹です。」
「そうですか、全然似ていませんね。」
「零樹君って確か学校始まってすぐの学力テストで1位だったよねすごいよね!」
「まぁ、ありがとうございます。そこで本題なのですが、沖 夏子さん貴女は本当は誰なのですか?」
「質問の意味が分かりません。私は私です。」
「いいえ違います。貴女はさっきの会話で5時24分の電車に乗ったと言っていましたよね。しかし、名張駅の始発は5時40分です。」
「どうして貴方は私のことをそんなに知っているのですか?」
「僕の友達からこの学校の生徒全員の名前、顔、通学方法、家族関係、住所を覚えるように言われましたから。話が逸れましたが、貴女は誰ですか?」
「チッ。」
玲子が小さく舌打ちをした。するとその周りが煙で包まれた。零樹は夏子を連れて教室の外に出た。すると、玲子が襲って来た。
「やっぱ地ですね!」
「そうだよ。私は沖 玲子じゃない!組織の命令で貴方達を殺しに来たのさ。最も玲子本人は駅のトイレで寝ているがな。死ねっ!」
「許せませんね...」すると零樹は目にも見えない速さで玲子に近づき、蹴りをかました。
「ガハッ!」
「残念ですが貴女では僕に勝てません。」零樹はもうひと蹴りで窓から外へ吹っ飛ばした。落ちる玲子を零樹は叩き落とした。彼女は気絶していた。すると彼女の靴からスライムのようなものが出てきた。
「セカンドステージでしたか。しかし、関係ありません!」
零樹の攻撃をスライムは受け流す。
「クソッ。しかし、どこかに弱点はあります。」
零樹が観察していると、スライムの体の中に核のようなものがある。零樹はそこを狙って攻撃する。しかし、流されてしまう。零樹は核のあるところに攻撃を仕掛ける。スライムの攻撃を避け、何度も仕掛ける。すると、核が頭の中心に来た。
「そこだぁ!」
すると、零樹は真っ直ぐ足を蹴り落とした。見事に命中し、スライムはよろめいたのちに消えた。
しばらくすると警察が来た。本当の玲子は駅のトイレにいたらしい。雅樹もちょうど帰ってきた。
「何があったんだ?」
「君のクラスの沖玲子さんの偽物がいてそれを退治していました。気づかなかったのですか?」
「気付かなかった...。そういえば瞬に言いたいことがあるんだ。」
「それは僕もですよ。」
その後、彼らは瞬に注意した。瞬は注意すると言っていたが本当なのだろうか?彼らの苦労がまた1つ増えたのだった。