4.謎の誘い
雅樹が零樹の怪我の知らせを受けたのは家に帰ってからである。雅樹は急いで零樹のいる病院に向かった。
病院に着くと、零樹はベッドで寝ていた。雅樹が来ると、零樹は目を覚ました。
「すみません、わざわざ来てもらって。」
「大丈夫かよ!凄い怪我だって聞いた。どんぐらいで退院できるんだよ!」
「いつ治るかは分かりません。しかし、車椅子を使うと退院できます。僕はセカンド ステージなので、早く怪我が治りますがかなりの時間はかかります。」
「車椅子なら退院できるのか?それなら毎日俺が学校に送ってやる。お前がいねーなんて、俺は寂しい!それでいいか?」
「本当ですか!まさか、いつも悪口しか言わなかった雅樹がこんなことを言うなんて、驚きますね!」
「うるせえな、とりあえず手続きをしてくるから、待っとけよ!」
「ありがとうございます!」
零樹は車椅子に乗ることで、退院できた。
翌日、雅樹達は学校の帰り少し遠回りをした。美味しい寿司屋があるということだ。
「かってに夜ご飯を食べて怒られないのですか!」
「大丈夫だって。夜ご飯ちゃんと食べればいいだろう。」
「まぁ、そうですけど...」
その時、フードを被った謎の男が現れた。
「神崎兄弟ですね。少し話があります。聞いていただけませんか?」
「零樹どうする?」
「聞くだけ聞いて見ませんか?何かしてこようとしても、君なら勝てるでしょう。」
「まぁ、そうだな。」
「おい、何の話だ!」
「分かりました。先日、貴方達は襲われましたね?」
「ああ、そうだが。」
「私共は彼らの組織と敵対しているのです。」
「私共?貴方達はどういう組織なのですか?」
「簡単に説明するとセカンド ステージの力によって世界をより良くすることです。もし私共と協力するのなら、貴方達を襲った組織を潰すことができます。どうですか?」
「悪いが、俺達は誰の下にも付く気は無い!わざわざ来てくれたのは申し訳ないが帰ってくれ。」
「そうですか...仕方ありません。ここで死んでいただきます。」
そう言うと、建物から10人ほどの人が出て来た。
「クソ!はめられた!」
「貴方達は逃げようとしても無駄ですよ。彼らは全員セカンド ステージですから。さぁ、死んでください。」
雅樹を襲ってくる敵に抵抗するも押されている。数が多く、零樹を守らなければいけないからだ。
(こんな時に何もできないなんて、悔しいです。)
「零樹、お前は心配するな!俺が守ってやる。昔はお前が守ってくれたから、今度は俺が守る!」
しかし、多勢に無勢。雅樹もバディを出すが相手もバディを出す。(だめだ、雅樹が負ける。僕がいなかったら雅樹は勝てるのに。もっと僕に力があれば今頃こんな怪我していなかったのに。力、力さえあれば!)零樹が悔やんでいると、零樹は車椅子から何か感じた。(熱い!何かがあります!この力、まさか、新しいバディですか!)零樹が力を込める。(来てください!)そう願うと、零樹の車椅子から何かが飛び出し、零樹の足と腕に金属のサポーターみたいな物が付いた。(これなら戦えます!)
車椅子から降り急いで雅樹の元へ駆けつけた。
「僕も戦います!」
零樹のサポーターから、紅く、両腕、両脚がタイヤの2メートルぐらいの人型の機械が出てきた。
「これが、僕の新しいバディですか。名前を付けませんとね。貴方の名前はクライスです!」
クライスと呼ばれたものは一気に敵を襲った。そして、チェイサーも出して、戦った。
「行きますよ!」
「雅樹、お前も2体目ができたのか。なら、俺達も行くぞ、キング!」
そう呼ばれ、雅樹の服から出てきたのは、マントと帽子をはおった、立っている、狼だった、身長は低く、170cm程だった。
「こっちも負けてねぇぞ!」
6対20だが、雅樹達が押している。
そして、新たなバディのおかげで彼らは勝ったのだった。
「まさか、2体目がいるなんて聞いていませんよ!」
そう言うと、謎の男は姿を消した。それと同時にセカンド ステージ達も消えた。
「いつから、2体目のバディが居たんですか?」
「ジョーカーをバディにした時ぐらいだ。っていうか、気づいていなかったのか?いっつも俺は手袋と服がバディだって。」
「そういえばそうでしたね。あっ、もう8時ですよ!帰らないと!」
「マジかよ...くっそーあの店はまた行くぞ!」
「分かりました!もう一人で帰れますよ。」
「ん?なんでだ?」
「クライスのおかげでこの車椅子のタイヤに色々な機能が付いたんですよ。」
「それは良かったな。じゃっ、家まで競争だ。」
「負けませんよ。」
そう言って帰ろうとした時、一人の男が道を阻んだ。