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STAGE :  作者: 木村 まさき
学校編
14/23

14.滅さられざる豪き拳

雅樹が仕掛ける。その攻撃は速い。守は自身を守るだけで精一杯だ。そこにイージスが駆け付ける。守の軽やかな攻撃とイージスの重い攻撃、噛み合ってはいないが2体いるだけで厄介だ。イージスが雅樹に拳を放った時、雅樹はそれを拳で打ち返した。

「...!」

イージスの心無き驚き。拳が崩れていく。しかし、その中には何も無かった。

「こいつ、どうなってんだよ!」

これならいくら攻撃しても意味がない。しかし、考えているうちに守が仕掛ける。雅樹は構えておらず、守の攻撃で吹き飛ばされた。仰向きに倒れる。起き上がろうとすると、イージスが上からのしかかろうとしていた。その時、雅樹は開いた拳の穴から何か核のようなものが見えた。(たぶんこれが奴の弱点だ。)雅樹は急いで立ち上がり、のしかかるのを見切り、イージスの拳の穴からイージスの体に侵入した。すると、体の中からイージスの体と同じ色の棘が飛び出した。雅樹はそれを避けつつ核に近づく。その核を全力で攻撃する。すると、イージスの体は崩れていく。イージスは声も無く崩れていく。


雅樹は急いで脱出した。

「さあ、これでお前だけだ!」

「まさか君ほど強い人がいるなんて驚いたよ。」

「俺が今まで戦った中で、お前は2番目に強い。だが、負けるわけにはいかねぇ!」

雅樹と守が激しくぶつかり合う。守の拳は何度も壊れ、何度も再生する。その度に強度は弱くなって行く。しかし、雅樹の拳は限界を迎えている。高エネルギーの拳をぶつけると自分の負担も大きい。

「僕は、負けられない!“不滅”の名に懸けて負ける訳にはいかないんだ!」

「俺だって負けられないねぇ!」

どちらも限界を迎えている。しかし、どちらも倒れない。それは、強い闘志があるからだ。守の拳が雅樹に直撃する。雅樹はそれにより吹き飛ばされる。

「さあ、これで終わりだ。」

守はフラフラだ。雅樹は立ち上がろうとしようとしている。しかし、手が動かない。必死に立ち上がろうとしている。

「動けないのなら君の負けだ。」

守がそう言い振り返ろうとした時、

「油断大敵ってことわざ知ってるか?」

雅樹がそう言うと、その直後、激しい音が鳴り響いた。守の腹に雅樹の腕が貫通していた。

「ま、さ、か...」

「立ち上がろうと見せかけていたんだよ。渾身の力を手に込め、体を弾きお前を倒すために。」

「僕が甘かったのか...」

守がそう言うと、雅樹は拳を抜いた。直後、守は倒れた。雅樹が外に行こうとした時、雅樹も倒れた。

「僕の負けだ。負けるのも悪くない。」

「負けから学ぶこともあるんだよ。お前は特にな。」

「ところで、君が戦った中で最も強いのは誰なんだ?零樹か?」

「いや、違うな。もっとすごい奴だ。」

2人とも気を失った。


雅樹が起きた時、ベッドの上にいた。守は既にどこかに行ったようだった。

「雅樹、大丈夫ですか?」

そこには姫睦がいた。優しく声を掛けてくれる。

「零樹はもう少しで来ます。仕事があったので。」

「お前さ、結構気遣ってくれるよなって思う何でだ?」

「それは...何でしょうか。私にも分かりません。運命というものなのでしょうか?」

零樹がやっと到着した。

「雅樹!守君に勝ったんですよね!すごいです。驚きました!」

「うるせえな静かにしろ。」

零樹は静かにした。もう、夜も遅い。だから泊まって行くことにした。


夜、彼らが寝ようとすると、急に呼び出された。そこには、世界1〜5位の全員が揃っていた。

「やっと君達が世界大会のメンバーに登録されたんだ。それを報告しに来た。それとそれに合わせたジャージも渡しに来たんだ。」

そう言うと全員にジャージを配った。その色は紺色だ。ズボンは長ズボンで特に変わった模様は無い。服の前にはロゴがあり、後ろには日章旗とそれぞれの数字が書いてあった。剛志は7、桐人は6、零樹は5、泰器が4、瞬が3、そして守が2、雅樹が1だ。つまりそれは強さの順だった。そして雅樹が1番強いということだ。

「ええっ!どうして雅樹が1なの!」

桐人が驚く。

「それは守が雅樹に負けちゃったからだよ。」

瞬が嫌味ったらしく言う。周りのみんなは守を茶化す。雅樹は嬉しそうだ。零樹もそれを歓迎しているように見える。そう、見えるだけだ。本当は悔しい。あの番号は自分が欲しいと思っている。何とか怪我をしているから仕方がないと自分に言い聞かせる。


翌日、彼らは家に帰った。守は気遣ったのか零樹には仕事を入れず、雅樹に仕事を与え、零樹を呼び出した。

「零樹、君には他のみんなと比べると、攻撃力が無い。それを工夫して埋めないと雅樹には勝てないよ。ただ耐えているだけでは。」

「そんなこと分かっていますよ。」

「だから、君にはスピードを強化して欲しい。スピードは瞬と同じぐらいある。だから、それを中心に訓練して欲しい。」

守はそう言うと零樹に指示を出した。スタンプラリーをするのだ。しかし、それは簡単では無い。1日で世界1周しなければならない。零樹は飛び出した。急いでそれを終わらせるために。そしてもっと強くなるために。








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