13.光輝いて
6月3日、雅樹はロシアにいた。理由は守にロシアの麻薬密売組織を倒すように依頼されたからだ。そのため、組織に潜入することになった。その条件として、雅樹はタバコを吸っている。背は小さいがそういう体質だと言えばバレない。雅樹は組織に着いたら、自分を組織に加入させるように外にいた1人の男を説得した。
「俺をこの組織に入れてくれ。」
「どこのやつかも知れないのに入れるわけないだろ。」
もちろん断られた。雅樹は仕方なく思ったのか、その男を気絶させて中に入った。
「なんだテメェ!ここがどこか分かってんのかぁ!」
そう言うと男達が銃を取り出し、発砲した。しかし、雅樹は全ての弾を手で掴んだ。
「分かってるから来てるんだよ!」
雅樹はそう言うと男達を吹き飛ばした。1発の攻撃でかなりの衝撃だ。周りの奴らも吹き飛ぶ。そうすると、男達の中の1人が雅樹に何か言い出した。
「も、目的は何だ。頼む、命だけは助けてくれ。」
雅樹は殺すつもりは無い。
「俺の目的はこの組織をぶっ壊すことだ。殺す気はねえ。何なら他のことで勝負しようか?」
すると、男はニヤついた。(なめやがって。俺らは酒豪の集団でもあるんだ。見たところこいつはガキだ。)
「なら、俺達とどちらが多く酒を飲めるか勝負しろ。」
「くだらねえがやってやる。準備しろ。」
そうすると、大量の酒が準備された。一本はおよそ1Lだ。外国のものだからかも知れないがかなり大きい。沢山の種類がある。
「ルールはお前が一本飲むと俺らの誰かが一本飲む。これでどうだ?」
「俺が明らかに不利だがやってやる。」
男達は1人13Lほど飲んだ。雅樹は260Lも飲んだ。だが、雅樹はまだ飲める模様だ。その後、計40人の男達が600L飲んだ。雅樹も同じ量飲んだが、全く酔っている気配は無い。男達が寝ている間に麻薬を見つけた。これもすごい量だったが1時間かけて、胃の中に入れた。その後、地元の警察に通報した後、帰国した。
雅樹は帰ったら守に報告するために守の家に行った。
「ご苦労様。引き続き頑張って。」
「なぁ、俺と勝負しろ。」
守はかなり驚いた表情をしていた。
「頭がおかしくなったのかな?」
「俺は本気だ!」
守も分かったらしく、ある部屋に連れて行った。そこは大きく、頑丈な造りの部屋だ。
「ここなら、本気で勝負できるね。さあ、準備して。」
雅樹は準備して守と向かい合った。
「いつでもどうぞ。」
雅樹は全力で攻撃を仕掛ける。しかし、守は硬く全く効いていないんですそれどころか雅樹の拳の方が効いている。(これじゃラチがあかねえ。何かないか?)雅樹は一旦距離をとった。すると、キングが雅樹の心に話しかけた。
「雅樹、ジョーカーの手袋を裏返せ。そして、奴の攻撃を受けまくれ。」
「何でだよ。」
「俺が奴の攻撃を分析し、手袋に、奴に攻撃が効くようなエネルギーを与える。できたらお前に合図を送る。ジョーカーは裏返すと、トリッキーな攻撃はできないが、かなりの破壊力を持つ。」
「了解。」
すると、守が仕掛けてきた。雅樹は守の攻撃を防ぐが硬いためかなり負担がかかる。守ってばかりだと怪しれる。そのため、攻撃もする。手袋を裏返した時点で怪しいが、守は何の不信感を抱いていない。雅樹はキングの合図を待つ。しかし、一向に来ない。雅樹が攻撃を受け続け体がボロボロになった時にやっときた。
「今だ!俺達を解放して一気に攻めるぞ!」
すると、雅樹はバディを解放した。雅樹の手袋は紫色に輝いている。
「何かしたようだね。受けてやる。」
「後悔すんなよ!」
雅樹の攻撃は守に直撃した。すると、守の体から何か透明なものが崩れ落ちてきたのだ。そう、守が硬かったのはこの鎧を着ているからだ。しかし、雅樹は怯まずに攻撃をする。守の体から血が流れている。しかし、守は雅樹の拳を受け止めた。
「調子に乗るなよ!イージス、僕達の力を見せつけてやる!」
そう言うと守の鎧から銀色で少し虹色に輝いている鎧を全身に着た巨人が出てきた。守の体に再び鎧が張られた。雅樹はイージスを無視して守に攻撃を仕掛けた。しかし、雅樹の攻撃は弱くなっていないのに効いていない。
「バディを解放したんだ。これまでと同じだと思うなよ。」
イージスは素手、守も素手、武器は持っていないが攻撃が重い。当に防御こそ最大の攻撃だ。ジョーカーとキングの拳も雅樹と同じようになっている。彼らがイージスに攻撃しても雅樹同様全く効いていない。
「反撃開始だ!」
守が合図するとイージスも動き出した。イージスは動きが鈍いため攻撃は当たらない。しかし、1発はかなり重いと見られる。雅樹は守の攻撃に追い詰められる。ジョーカー達は分かっている。イージスに勝つためには、攻撃を受け、それに対抗するエネルギーを生み出さなければいけないということを。しかし、彼らはイージスの攻撃を受け、耐えられるか分からない。だが、考えている暇は無かった。イージスの攻撃が彼らの方に向かってきた。それを彼らは受けた。
「ジョーカー!キング!」
彼らはかなり吹き飛ばされる。イージスは容赦なく追いかけ、何度も仕掛ける。イージスの攻撃により、ジョーカー達が倒れた時、雅樹の手袋がさらに輝いた。彼らは自らを犠牲にして、雅樹に託したのだ。
「お前らの犠牲は無駄にしない。守、勝負だ!」