10.燃ゆる闘志、絆の果てに
「お兄様どうしてですか!彼らは先程の戦いで疲れています。」
「そんなの関係無い。僕は彼らの限界を見たいだけだ。」
「俺はいいぜ。零樹とは一度戦ってみたかったんだ。」
「僕もです。」
そう言うと2人は中央に行き、他の人は隅に行った。緊張が走る。
「それでは、始め!」
守の声により始まる。
零樹は靴のタイヤを使い高速で仕掛ける。雅樹はそれに対して手で防いでいる。零樹が背後に回り雅樹に仕掛けようとしたその時、雅樹の攻撃が零樹に命中した。
「そんな速さで俺を倒せると思うなよ!」
零樹が仕掛ける。しかし、雅樹はそれをカウンターで返す。
「はぁ!」
雅樹の攻撃が零樹に直撃する。そのまま壁まで吹っ飛んだ。雅樹が体を弾いて一気に詰める。雅樹の攻撃が零樹に直撃したと思ったが零樹は煙になっていた。
「新しい技か。」
エンジン音が激しくなる。零樹は動こうとしないように見えた。
「こちらからいくぞ!」
雅樹が仕掛けようとしたその時、背後から零樹が攻撃した。
「どうなってる。さっきまでそこにいたぞ。」
「仕掛けは言えません。」
零樹は高速で仕掛ける。雅樹はどこから仕掛けているのか分からない。ただ音が聞こえる。(このまま終わらせます!)零樹は攻撃の手を緩めない。誰もが零樹の勝ちを確信したその時、雅樹の攻撃が零樹に当たった。
「どうして!こちらは見えないはずです!」
「残念だが、キングに同じ攻撃は何度も通用しない。キングは受けたり、見たもの、聞いたものを覚えそれを自分ができる範囲で自分のものにする。そしてその攻撃を見切る。
「通りで何でも1回見ただけですぐにできるんですね。」
「さぁ、これからが本番だ!」
そう言うと雅樹がバディを解放する。零樹は自分の渾身の攻撃が破られて動揺する。しかし、そんな暇は無いと思い、急いで解放する。
零樹達はタイヤによる高速攻撃で仕掛ける。それに対し雅樹達は拳で守る。
「お兄様、速すぎて全く見えません。これが彼らの実力なのでしょうか?」
「確かにすごい。速くて力もある。しかし、僕と泰器と瞬には及ばない。どこまで成長するか楽しみだ。」
守が冷たく見守る。雅樹はジョーカーにより変幻自在に仕掛ける。零樹達は速い。しかし、雅樹達はワープして仕掛ける。これでは肝心の速さが通用しない。
「零樹、これで終わりだぁ!」
雅樹の拳が巨大化する。
「そんな攻撃当たりません!」
しかし、今度は両手が巨大化した。
「避けれるもんなら避けてみろ!」
零樹達は横に開いて避けようとする。しかし、キングのマントも巨大化して行きてを防ぐ。
「潰れろ!」
「チェイサー、クライス、弾きます!」
零樹とクライスが足に力を込める。チェイサーは自分の銃に力を込める。
「いきます!」
零樹とクライスが落ちてきた雅樹の拳を蹴る。チェイサーも渾身の銃を撃つ。
「吹っ飛べぇ!」
「潰れろ!」
雅樹が押されている。そこにキングとジョーカーが邪魔をする。
「雅樹の攻撃を止めさせない!」
しかし、チェイサーとクライスが離れて向かい撃つ。
「零樹、後は頼んだ。絶対に勝て!」
「みんなの思い無駄にはしません!」
「それはこちらもだ!」
大きな衝撃ができる。雅樹と零樹の攻撃を大きな衝撃を生んだ。どちらも踏ん張る。お互い負けられない。しかし、決着はついた。雅樹の拳が零樹を潰す。雅樹は着地と同時に倒れた。残っているのは、お互いのバディだ。
ジョーカーはチェイサー、キングはクライスと戦っている。チェイサーはジョーカーを遠距離攻撃で向かい撃つ。しかし、それをジョーカーは近づいて攻撃する。
「攻撃が当たんねぇ。」
「これで終わらせます。」
ジョーカーの手袋がチェイサーを包み握り潰す。
声も出ない。ジョーカーが離すとチェイサーは気絶していた。キングはクライスの攻撃を見切る。クライスは押されている。
「俺の勝ちだな。さっさとくたばれ!」
クライスがキングの攻撃を受けようとした時、
クライスが消えた。
「どこ行った!」
背後からクライスが蹴り上げる。クライスの足にはブースターが付いている。そう、これで加速したのだ。クライスは飛び上がり、キングを蹴り落とす。クライスは着地するとすぐにジョーカーに襲いかかる。ジョーカーも構えるが遅かった。クライスの攻撃が当たりそうになった時、雅樹が急に飛び出してきて、殴り返した。
「危なかったな。だが、これで終わりだ!」
雅樹はクライスが構える隙を与えず攻撃する。クライスは押されていく。雅樹の攻撃でクライスは吹っ飛ぶ。しかし、クライスは立ち上がろうとする。そんな力はもう残されていない。
「ジョーカー、お前が決めるか?」
雅樹がそう言って後ろを振り返った時の流れジョーカーは倒れていた。前を向くとある人物がクライスの元に駆け寄っていた。そう、零樹だ。
「クライス、お疲れ様です。後は僕に任せて下さい!」
クライスはその場に崩れ落ちた。
「何で動けるんだよ!」
「“不屈”の名、甘く見ないで下さい!」
「だが、これで1対1だ。この勝負、俺が勝つ。あいつらの思いを無駄にはしない!」
「それは僕もです!」
彼らは限界を超え、力を振り絞る。