表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
くたばれっ! ヤブ医者  作者: 山目 広介
1/3

くたばれっ! ヤブ医者 ◇◆◇ 内科編 ◇◆◇

◇◆◇ 内科編 ◇◆◇


 あれは母方の祖母が亡くなって伯父さんの家に行った後のことだ。

 伯父さんの家に行ったとき、早く行き過ぎた。

 都会には火葬場が足りないそうだ。

 順番待ちのために慣れない叔父の家に幾日も宿泊し、疲労したのか。

 戻ってから調子が崩れていたが、ついに熱が出た。

 つまり風邪を引いたわけだ。

 そして掛かりつけの医者に行き診察してもらい、薬を処方してもらう。

 その風邪は咳が酷かった。

 なかなか咳が止まらない。

 二、三度なら連続で咳き込むことは珍しくもない。

 四度五度は辛い。その間呼吸も出来ないし。酸欠のような苦しみも味わう。

 私の場合は連続で六度の咳が出たときが最高回数だが、それで気管と気管支の分かれ目を主観で認識した出来事。客観的な模型や映像から大体このあたりだという認識ではなく。

 胸の奥に痛みが走り位置を把握した。


 薬を飲んで一週間、二週間。

 なかなか治らずに、三週間。

 月が替わって再診という医者への利益供与……

 そこで言われる「まだ治ってないの?!」というセリフ。

 これは眉を(ひそ)めたくなっても仕方ないことだと考える。


 医者はそんなセリフを言っても、ただの風邪という診断を覆すこともなく、同じ薬を出す。


 さらに一週間。診察を受けたときの医者の発言。


 「ちょっと薬換えてみるか」


 やっと間違いを認めるのか?

 いや、ただ薬が効果ないからだろう。

 それにしても遅くないか、換えるの。

 それでも一応は正しかったのかも知れない。

 だが、ただの風邪ならほっといても治るけど。


 それからしばらくその薬を続けて飲んでみた。

 咳は、風邪を引いてから一月半で(ようや)く治まった。


 ヤブなのか?

 なかなか判断に迷うところだ。




 また別あるときのことだ。

 同じく風邪を引いたらしく診察してもらいに医者の下へと向かう。

 そのときは非常に喉が痛かった。

 唾さえも飲み込めないほどだ。

 敬虔なイスラム教徒が断食月(ラマダン)の日中では唾さえも飲み込まないという。

 しかし私は日本人だ。当然、無神論者だ。

 それに日が沈んでも唾を飲み込むのが(つら)い。

 だというのにその医者は。

 飲み薬とトローチを渡しやがった!

 唾も飲めない言ってるのに鬼か。悪魔か。

 しかも前のと同じ薬じゃないのか?

 これは咳止めじゃなく喉の薬か。

 普段何気なくしている、唾を飲むという行為がこんなにも(つら)いとは。

 詳しくないから仕方ないが、他にないのか、薬は?

 こっちの訴え無視しやがって。

 無いなら無いと説明しろ。


 やはり詳しくないため、ヤブなのかは断定が出来ない。


 だがこいつはヤブだ。

 腹が立つので心の底でそう決めた。




【2018.09.17】改稿第一回目。

ご指摘を受け、読み返し妥当だと判断したため改稿。

語尾などを少し改稿、または削除。丁寧だったものを荒くした感じに。統一感が出るように。

あと接続詞を追加。繋がりが途切れたため。

自分では作品の自己投影が強く分かり難いため、これで良くなったのなら幸いです。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ