くたばれっ! ヤブ医者 ◇◆◇ 内科編 ◇◆◇
◇◆◇ 内科編 ◇◆◇
あれは母方の祖母が亡くなって伯父さんの家に行った後のことだ。
伯父さんの家に行ったとき、早く行き過ぎた。
都会には火葬場が足りないそうだ。
順番待ちのために慣れない叔父の家に幾日も宿泊し、疲労したのか。
戻ってから調子が崩れていたが、ついに熱が出た。
つまり風邪を引いたわけだ。
そして掛かりつけの医者に行き診察してもらい、薬を処方してもらう。
その風邪は咳が酷かった。
なかなか咳が止まらない。
二、三度なら連続で咳き込むことは珍しくもない。
四度五度は辛い。その間呼吸も出来ないし。酸欠のような苦しみも味わう。
私の場合は連続で六度の咳が出たときが最高回数だが、それで気管と気管支の分かれ目を主観で認識した出来事。客観的な模型や映像から大体このあたりだという認識ではなく。
胸の奥に痛みが走り位置を把握した。
薬を飲んで一週間、二週間。
なかなか治らずに、三週間。
月が替わって再診という医者への利益供与……
そこで言われる「まだ治ってないの?!」というセリフ。
これは眉を顰めたくなっても仕方ないことだと考える。
医者はそんなセリフを言っても、ただの風邪という診断を覆すこともなく、同じ薬を出す。
さらに一週間。診察を受けたときの医者の発言。
「ちょっと薬換えてみるか」
やっと間違いを認めるのか?
いや、ただ薬が効果ないからだろう。
それにしても遅くないか、換えるの。
それでも一応は正しかったのかも知れない。
だが、ただの風邪ならほっといても治るけど。
それからしばらくその薬を続けて飲んでみた。
咳は、風邪を引いてから一月半で漸く治まった。
ヤブなのか?
なかなか判断に迷うところだ。
また別あるときのことだ。
同じく風邪を引いたらしく診察してもらいに医者の下へと向かう。
そのときは非常に喉が痛かった。
唾さえも飲み込めないほどだ。
敬虔なイスラム教徒が断食月の日中では唾さえも飲み込まないという。
しかし私は日本人だ。当然、無神論者だ。
それに日が沈んでも唾を飲み込むのが辛い。
だというのにその医者は。
飲み薬とトローチを渡しやがった!
唾も飲めない言ってるのに鬼か。悪魔か。
しかも前のと同じ薬じゃないのか?
これは咳止めじゃなく喉の薬か。
普段何気なくしている、唾を飲むという行為がこんなにも辛いとは。
詳しくないから仕方ないが、他にないのか、薬は?
こっちの訴え無視しやがって。
無いなら無いと説明しろ。
やはり詳しくないため、ヤブなのかは断定が出来ない。
だがこいつはヤブだ。
腹が立つので心の底でそう決めた。
【2018.09.17】改稿第一回目。
ご指摘を受け、読み返し妥当だと判断したため改稿。
語尾などを少し改稿、または削除。丁寧だったものを荒くした感じに。統一感が出るように。
あと接続詞を追加。繋がりが途切れたため。
自分では作品の自己投影が強く分かり難いため、これで良くなったのなら幸いです。