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天使と悪魔の実験台  作者: 紅雪コウキ
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第1章6「力と知恵」




「貴様が何者か知らんが、拘束させてもらおう。」





「━━━━は?」




(いやいや何言っちゃってんのこの人。拘束?マジで?なんで俺が…。)




「えー…と、僕…何かしました…?」




「いや、貴様は何もやっていない。だが国王様の命令だ。大人しく拘束され、我々と共に来い。」




騎士がそう言うと、さらに前から二人、ハイトの後ろから三人やってきた。




(はぁー?何もやってないのになんで拘束されなきゃいけない訳?国王様ってあのヒキコモリ王か?)




と、頭の中で愚痴っていると、騎士が手錠を取り出した。




(やばいって、こんな事してる場合じゃ…)





「あの、どうして国王様は僕を連れて来いと命令したんですか…?」




「貴様が知らなくてもよい事だ。」




騎士が近づいてくる。前の二人と後ろの三人も、腰に携えている剣を手に当てながら。




「いやいや、知らなきゃ素直に行けないでしょ。普通の人間にいきなり手錠かけて連行って、どー考えたっておかしいでしょう!?」




「国王様の命令だ。」




(やばいやばいやばいやばいって!どーすんの!?6人ともめっちゃ警戒してんじゃん!俺が何したってんだよ!?)





「………………拒否権は?」




「ない。」




(くそくそくそ!こんなとこで捕まってる場合じゃねーんだよ!……………くそっ!ちょっと抵抗してみるか………!?)




「さぁ、大人しく我々と来い。」




騎士がハイトの右手に手錠を掛けようと腕を伸ばした。




「くそったれぇ!!」




ハイトは伸ばしてきた騎士の腕を左手で掴んで自分の方に引っ張り、右手で思い切り騎士の腹に拳を入れた。




「━━!?ぐぉっ━━━━!?」




すると、ハイトに殴られた騎士は十メートル程吹っ飛び壁に衝突し、気絶した。





「………………………………………えっ?」




(え………何…今の……俺普通の一般人だよね…?)





「「━━!?」」



「き、貴様!!や、やつを捕らえろ!」




「ちょっ!ちょっと待ってタンマタンマ!」




他の騎士達が味方がやられたと判断し、剣を構えてきた。



流石に剣を持ってる騎士を一般人の素人が素手で勝てる訳がない。




「うぉ〜なんかやばい〜抵抗しなきゃ良かった〜誰か助けて〜━━━━。」




(━━━いや、人に頼っちゃダメだ…。人に助けて貰ったらまたあんな事になっちまう。)




ハイトの脳裏にめぐみの死が浮かんだ。ハイトを庇っためぐみ。


めぐみの為にも復讐を決意したのにいきなり人だよりは流石に気が引けた。




(あ〜もう!一旦逃げる事だけを考えよう!)




ハイトを捕らえに来る兵士からハイトは必死に逃げ出した。




(関係ない人と別に戦わなくてもいい。戦うのは必要な時だけだ。)




そう自分にルールを設定しながら、ハイトは路地裏を逃げ回った。






━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━




「はぁっ!はぁっ!な、なんとか…撒いたか…?ゲホッオェ…」




知らない街で騎士との追いかけっこはかなりきつかったがなんとかハイトは逃げきった。




「はぁ……はぁ……ふぅ………走ってて気が付いたがなんか体力が上がってんな。さっきの力といい、地球の時と全然比較になんねぇ。」




体力が上がり、力が増え、逃げてる時にもジャンプ力が上がったり、更には通った道を大体覚えられる様になっている。



何故急にそんな事が起こったかは、ハイトは分かっていた。




「あの天使様、セルフィーの時の力と知恵ってやつか、早速助かった。天使様様だな…。」




そうセルフィーに手を合わせて感謝をしていると。




「━━━よう。君ってさっき騎士兵達に追いかけられてた子だよね?」




「━━━!?誰だ?」




路地裏の向から女の人が話掛けてきた。




「そう警戒するな、別に騎士兵ではない。私は君の味方だ。」




「味方?誰だっつってん━━ごほん…あなたは?」




「私の名前は、エリス。魔術師だ。」




エリスと名乗る赤髪の女性が、近づいてきた。






7話です。

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