表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/50

「マイルストーン」



始まりの地からどのくらい歩いてきたかは忘れたよ


景色だとか空の模様とかに見惚れてたせいでさ


文字で起こせと言われても到底出来ない所まで来てる




時間の感じ方も変わってゆくもので


春夏秋冬のサイクルは年々短くなってるみたいだ


あの日に見た月の形は既に姿を変えていた




道中に拾っては、捨ててきた石コロとビンの破片


そこらに落ちてるのと何ら変わりのないゴミ


それでもかつては宝物


かけがえのないお宝だった不要品




大事にしていた人形も


お気に入りだった洋服も


無意味に集めてたペットボトルのキャップも


どれもこれも捨ててきた


新しい宝を手にしちゃあ古い宝を捨てる道のりは時折哀しさを覚えたりもしてきたけれど


案の定、悪くないかなと思えてきてるんだ




あの時、一所懸命に描いた下手くそな落書きたちも


殴り書きで埋められた言葉の欠片も


聴きすぎて反応しなくなった傷だらけのCDも


今となっちゃあどれもガラクタになった訳だけど


そのガラクタ、ただのガラクタじゃねえよ




要らないと思ったのは


もう其処に自分はいないから


手に放すことを決めたのは


区切りがついてしまったから


身を軽くしたまま 進みたいから





捨てることにしたのは


もう 先に行けてしまったから


それでもまだ新しい宝物を求めるのは


ここより先を知るためだし


今の この先へ 進みたいから



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ