35/50
「青春に対する推考」
キッカケはボタンを1つかけ間違えただけ
1つの小さな誤りは集積し
気付いた時にはもう遅いよね
ボタン、1つ余っちゃってさ
どこに入れるべきだったか探す作業さ
片鱗は微かな罅だけ
日々を重ねる毎に溝は深まり
気付いた時ではもう遅いよね
一面に広がった罅割れはもう治すくらいなら
いっそ新しいのに替えた方がお手軽さ
嗚呼、青春
なんてあまりにも脆く
儚く砕け散るか
10代の青春は指一つ押しただけで崩れ落ちました
組み立て直すのは簡単だけど前のと同じにはならないのかもしれない
5年ぶりの怒りはスマートフォンを弄った相手に対して向けたんだってよ
垢抜けない契りが千切れた時
僕はただ使い古した脂まみれの床の上に散らばった青春の破片を眺めてました




