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250ccの恋人  作者: たまこ
3/3

教室

職員用駐車場の隅っこに『彼』を停める。ヘルメットを乱暴に脱ぐと


「あっつ!!!」


思わず声が出るほどだった。


(走ってる時はいいけど止まると地獄の暑さだよね…)


ぐちぐちと暑さについて文句を言いながら私は『彼』を置いて教室を目指した。


「おはよう優雨!今日も汗だく前髪ペッシャンコだね」


教室に入ると数少ない友達である深鈴がいつも通りのハイテンションで挨拶をしてきた。


「おはよう深鈴。暑くてもうやってらんないよ。一限目なんだっけ?」


「数学だよ!そんな暑いなら電車で来ればいいのに〜。せっかく駅から徒歩5分なのにさ。」


「何度も言ってるでしょ。人混みが嫌なの。暑いのと寒いのさえ我慢すれば自由きままなバイク通学の方が私には合ってるよ」


苦笑しながらもう何度目になるかわからない同じ答えを返した。もっとも、深鈴の言うことは正しい。私たちが通っている星博高校は最寄駅から徒歩5分。しかも駅前は賑わっており、遊ぶ場所には困ることがないほど立地場所に恵まれている。


「バイクじゃ帰りにみんなで遊んだりできないじゃん!そんなんじゃ高校で彼氏作れないよ!!」


(彼氏つくるために電車で来てるのかな…)


「せっかく優雨は可愛いのにもったいないよ!他のクラスの男子も優雨のこと気になってる人大勢いるんだよ?」


深鈴の言葉に少し圧倒されていると、HRの鐘が鳴った。深鈴は渋々自分の席に戻っていった。


(可愛い…か)


確かに私は高校生になってから告白されることが多くなった。先輩や今では後輩にまで告白される始末だが、ほとんどは告白が初対面の人ばかりで特に親しい男子が私に告白したことは一度もない。


(まぁ私に親しい男子の友達なんていないけどね)


そんなことを考えていると担任がHRを終えようとしていた。

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