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早く独立したい!

作者: ピヨ子

 私の名前はリリアンナ。みんなからはリリーと呼ばれている。前世の記憶を持っている以外は普通の女の子なはずだ。今の世界は前世でいうところの中世にファンタジーを要素を足してみましたという感じだとリオちゃんが前に語っていたが確かにそんな雰囲気である。


 そんな私にはたった一つだけ他の人には小さな、私にとっては大きな悩みがあった。6人兄弟の末っ子で兄や姉と年が離れてるためかとても甘やかされることだった。


 前世では女子高生だった私はいくら7歳だからといって一人で着替えくらいできるし、トイレのために一緒に来てもらわなくても別に大丈夫だ!第一それぐらいの年齢ならそれができるようになってるくらいじゃない?この悩みを解決するために私が思いついたのは……独立、つまり成人することだった。


 この世界では成人する条件は年齢ではなく、学園を卒業することだ。だから勉強ができないといつまでたっても成人できない恐ろしいシステムだ。結婚は成人したら勿論できるが、成人してなくても15歳になれば必ずできるようになる仕組みなので貴族の子供は早く成人して政略結婚できるように小さい頃から家庭教師がついているらしい。結婚する権利が与えられるくらいだから成人すればもう手伝わなくてもいいと兄たちも感じるだろうと考えた私は早めに成人しようと努力した。


 入学式の日に学園長が学園の仕組みについて説明してくださった。それによると授業が終わった後に毎回テストがあり、それに合格すればもう一度同じ授業を受ける必要がなくなるが、授業前にテストを受けて合格すれば授業も受ける必要すらないということ、最初のほうは全員共通の授業で、それにすべて合格すれば自分で3つの教科を選択しそれらの授業に合格すれば無事卒業らしい。だから全員共通の授業は授業前のテストで合格し、選択した授業は図書室に行ってもわからなかった授業だけしっかりと聴き、それでもわからなかった場合は先生に直接聞きにいった。前世ではテスト前日に詰め込むタイプだった私が目標のおかげでだいぶ変われた。


 結果普通は6年くらいかかるところを2年で終わらせることができた。先生方はなかなかないことだと言っていたが他にも私の友達何人かも一緒に卒業した。みんな前世持ちでキャラが濃い上に私含め学園を卒業する理由がだいぶひどかったが前世の話を聞けたりして充実した生活をおくれた。


 成人することができたが成人したら働く義務があるので、私は学生時代に知りたくなったことで先生でもわからない点がいくつかあったのでそれを調べようと研究所に入った。しかしそれが間違いだったのかも知れない。


 独立するために成人したのに、他の研究員に可愛がられてあまり変わらなかったのだ。家族ではないのでお世話をしてくることはなかったが、変人ばかりなので兄や姉以上にうざい。最近私はここに入ってしまったことを少し、いやだいぶ後悔してる。


 学生時代の友達全員から思っていたのとは違うという内容の手紙をもらったので私も殴り書きで一言送っておいた。


"早く独立したい!"

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