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二日後――。
オレたちは、再び村のあった場所にいた。
「ようやく着いたわね」
レズギンカがため息を漏らした。
「そうね。今さらだけど……」
アイナが答えた。
『なんでアンタがいるのよ?』
アイナとレズギンカの声がハモった。
「それは、どちらも、この村に用があるからだろ?」
『だったら、日をずらせばいいじゃない!』
またハモる。
「まあまあ。目的地が同じなら、同じ日に出発してもいいだろ」
『よくない!』
仲、いいな。
「私は、自分の馬と、借りた馬を回収するだけだし、そのついでに、ゼフィールドを手伝おうと思って……」
アイナは、遠くを見るようにつぶやいた。
「へぇ~……。ゼフィールドの、何を手伝うの?」
レズギンカが意地悪く腕を組みながら言った。
「ば……。い……いろいろよ! ……っていうか、アンタが変な気起こさないよう、お……お母様が……!」
「『ゼフィールドの』、じゃなくて、ダイレクトに『お母様』? いつからそんな関係に……?」
レズギンカの言葉を止めるように、レズギンカの胸ぐらを掴みつつ、アイナは食って掛かった。
「う……うるさいわね! あ……アンタこそ、この後どうするのよ!」
「私は、この身内のゼフィールドと一緒に、私のお父様たちを探すわ。それで、ゼフィールドは、その後、どうするの?」
「それは、作業が終わってからにしないか?」
日の出前に出発し、村の入り口に到着して、随分経つ。
「で、どの辺がいいかしら?」
レズギンカは、村を見渡しながら言った。
約束を果たすために、墓を作りに……。
「『祭壇』の近くでいいんじゃない?」
レズギンカは歩き出した。
「それにしても、あの老人、っていうか、村長さんは、どこに行ったんだろうね」
事件が終わった翌日、村長は突然姿を消したのだった。
夜に警備をしていたものも、見ていなかったというし、窓から飛び降りたような様子もない。忽然と消えていたのだ。
ただ、部屋には、オレ宛の手紙と聖杯、人形サイズの結晶の形に彫られた、木材のようなものだけが残されていた。
――聖杯は、この国で保管。村に巫女の墓を。
この言葉に従い、オレたちは、手紙と結晶の形をしたものを手に、ここに戻ってきた。
「村長ならきっと大丈夫だよ」
オレたちは、レズギンカを追った。
遺体を埋めるものではないため、墓標のみを建てる。
「横一列に並べるんでしょ。順番は?」
村長の手紙に目を通す。
「向かって左から――」
――シルキー……『戦いを司る者』
――ヴィンセント……『愛を司る者』
――ラスキー……『翼を持つ者』
――エルク……『歓楽をもたらす者』
――クルトワ……『大地を守りし者』
――アイル……『知識を司る者』
――ティルツ……『神秘主義者』
オレは、七つの墓標に、そう刻み、結晶を一つ一つ、墓標の前に供えうように置いた。
「すっかり暗くなったな」
「ホントね。まあ、小屋もあるわけだし、その辺は大丈夫ね」
そう言いながら、オレとアイナは、村長の家へ歩き出した。
「あ。ちょっと待って」
レズギンカに呼び止められ、振り返る。
レズギンカが、自分の荷物袋から、手鏡を取り出し、オレに渡した。
「持っててくれるかな?」
「え? あぁ……」
「そう。そうやって……」
そう言いながら、レズギンカは、その鏡を見ながら、自分の長い髪を後ろで一つに束ねた。
ポニーテール?
そう思った瞬間、束ねた髪が、宙を舞う。髪留めのゴムがすぐに外れ、肩より上で長さが揃えられた。
「お前、何を!」
レズギンカは、持っていたナイフをしまった。
「本来なら、死刑を言い渡されてもおかしくない重罪よ。いくら必要があって、生きることを許されていても、お咎めなしでは、気が済まないわ」
「だ……だからって、髪だぞ!」
動揺し切っているオレを、アイナがなだめた。
「実は、一昨日の夜も、このことで言い争ったのよ」
「私の気持ちは変わらない。でも、この女がずっとうるさく言うから……」
「だって。女の命は髪でしょうが!」
「何その女の価値は髪で決まる、的な? 昔の私は死んだのだから、髪を切ろうが何しようが勝手でしょ?」
「だから、それとこれとは違うでしょ!」
「それを言ったら、アンタだって、髪短いでしょうが!」
「わ……私は――!」
どうでもいいけど、部屋、入ろうぜ……。
こうして、夜が更けていった。
そして、オレは、しばらくの間、とはいえ、レズギンカとアイナという旅の仲間ができた。
当面は、レズギンカのお父さんたちを探す旅となるが、それはまた、別の話である――。
ようやく完結です。
長くなった理由は、後書きを考えてたら、長くなってしまって、そのまま忘れてました……。
そのため、最初、何を書こうとしていたか、完全に忘れてますが、内容自体は、もっと前に完成してました。
全体を通して、爪は甘いです。
前回ラストがどうだったかを、備忘録的に入れた状態で投稿したり、テキスト「右で折り返す」状態で投稿してしまったり、やらかしは、多々ありましたが、いい思い出ですね。
今後も、こんな感じで、気ままに投稿できたら、と思います。
と、いうことで、次回は、どうなるか、まったく考えてませんが、今後もよろしくお願いします。
ではでは~




