契捲羽矢子の華麗な1日(短編)
現代の地球を舞台に、前世がアリアーノの魔術師だった女の子を軸にしてお話を書いてみました。
私は契捲羽矢子、(けいけんはやこ)友達は「けつまくりはやこ」って呼んでるわ。
なんでって?
それは、『私見切るの早いんです。』
そうそう、妹ほどの正確さはないんだけど、なんとなく結論がすぐ見えちゃうの。
どうしようもないって思ったことからは即撤退。その素早さが風を超えるらしく。
まあ、そんなことはどうでもいいわね。
今日はこれから『お仕事』なの。うふふ。可愛い女の子を騙くらかしたクズ男の成敗。
ちょっと気になる?じゃあ、よろしければちょっと覗いて行って。
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私はいつものようにインスタを立ち上げる。今日もたくさんのDMが届いてる。普段は中堅の商社で働いている冴えない25歳OL。周りは結婚がどうとか言い始めているんだけど、私は全く興味がない。私には、実の妹が一人と、腹違いの姉と弟がいるの。実は認知されていない子が三人いるみたいなんだけど。その腹違いの二人がとにかく最悪なの。
妹が、弟の母親に殺されそうになったことをきっかけに、私たちは密かに経済力を得るための活動を始めた。私はまだ高校生だったから、表立ってはバイトぐらいしかできなかったので、お母さんに協力してもらって、株でお金を増やし始めたの。私の妹は私以上に未来のことを正確に予知するので、その能力を使って最短距離でお金を増やし始めた。するとお母さんの周りが不穏になって行ってね。それでお母さんのツテを頼って護衛を雇うようになった。お母さんの実家は伊賀の忍の一族。今は表立って忍者はいないけど、現代の諜報活動の裏には結構いるものよ。
高校を卒業するときに小説投稿を始めて、一作が当たったの。それで結構まとまったお金が入ることになって、それを元手に新宿のタワーマンションの一室を父親たちに内緒で購入。そのすぐそばの古い一戸建てをおばあちゃんの遺産で購入して、そこで暮らしてることにしたわ。
おばあちゃんは、おじいちゃんを盛り立てて一代でお菓子屋を大きな企業にした立役者。生きてる間は父親も小さくならざるを得なかったから、なんとか私たちもやれていたけど、おばあちゃんが死んでから、暴走が止まらなくなり、母は離婚。まあこのことはある程度想像できていたことだったので、会社の株、不動産、その他で結構なお金をぶんどって、私たちはあの家を出た。
離婚で財産分与する金額を少しでも少なくするために結構な財産隠しをしていたのも知っていたけれど、あえてそこはつつかなかった。
私は大学を卒業してから中堅の商社にOLとして勤務し始めた。でもその頃には、ベストセラー作家になっていた。OLとして働いてるのは、私の正体に疑問を持たせないため。私、前世は異世界で魔導師やってたみたいで、闇魔法のエキスパートだったらしい。転生したときにその才能も持ってこられたらしく、ありがたいこと。だから、会社には大抵私の身代わり人形が行ってるの。無気力に言われた仕事を淡々とこなすだけなら人形で十分。何かあれば、私が中に入るわ。
私のペンネームは、『オッパ・パリパリ』。世間では私の作風があまりに多彩だから複数の作家集団じゃないかと言われてるけど、私が全部書いてるのよね。ごめんなさいね。まあでもこっちは身元を知られにくくなって御の字。
発表した作品はたくさんあるんだけれど、代表作とされているのは『高校生巫女探偵 浦姫は逃がさない』。これは最初は私が関わった事件をベースに少しぼかしながらも詳細をまとめたものだったんだけど、主人公浦姫の名前でインスタを立ち上げると、ファンの皆さんのコメントに混じって、チラチラと助けてくださいとか、事件の香りがするDMや投稿がどんどん増えて行ったの。それで私の方で優秀な配下に探らせたところ、新事実がたくさん出てきて。それを元に事件の真相を追求する話を書いてったところ、バカウケしてしまい、売れっ子になって行ったわけ。YouTubeにもチャンネルを持っていて、配下が調べたことの一部を動画で回したり、そのことから類推される可能性をみんなで推理したり。そうやって最終的に出来上がる作品に視聴者が一部関わるっていう体験も私の作品をますます押し上げる結果になったのよね。
それで今日の『クズ男の成敗』なんだけど、どんなクズ男かっていうと、部下の優秀な女の子の成果をまるパクりして、その女の子を自分が使い込んだ会社のお金の横領犯に仕立て上げて警察に通報した男。被害者の女の子からのSOSメールをきっかけに私が捜査に入ったところ、比較的簡単に証拠が集まって、そいつのクロが判明したわけ。
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「はあ、慈雨、調査報告書ありがとう。それにしてもあまりに単純な使い込み事件だったわね。もうちょっとなんか色々関わってくるかと思ったけど。」
「あのね羽矢子、そんなにあちこちに陰謀が落ちていてはいけないのでは。少なくともここは世界一安全な大国日本なんだから。」
慈雨の本名は龍宮寺 慈雨。政財界で影響力を持つ龍宮寺家の3男。私と同じように、父親から睨まれて居場所がない系の人。代わりに祖母以下女たちからは圧倒的な支持を得ている。私の護衛兼諜報係浦霞12使徒の束、つまりトップだ。学生の頃からの友人で、私以上に美しい、目に毒な男なんです。なので本業のない時は私の持ってる店の一つ、ゲイバーのSTALLIONを任せてる。
「まあでも、一つ予想外だったのはこの子ね。あんたもどうして連れてきたりしたのよ。」
「そんなこと言ったって、この子自分のヤバさが全く分かってない、天才やらかし工女なんだもの。この子の持ってる技術が悪用されたらやばい影響が出るのが分かってるのに、放置できないでしょ?この広い世界にそんな子を悪用しないのは羽矢子だけなんだから?」
はあ。この信頼は嬉しい反面、面倒ごとが増えるのは確実なわけで。
「それであなた自己紹介してもらえる?私はあなたからメールをもらった、『オッパ・パリパリ』
こと契捲羽矢子。今回のあなたの事件を調べさせた張本人。」
「綾瀬市子と申します。本当に実在したんですね。私個人じゃなくて団体だと思っていたから。あの、今回の件本当にありがとうございました。私、物作りが大好きで、最初警察が来た時何を言われてるのかさっぱりわからなかったんです。経費の請求し忘れちゃったのかな?ぐらいで」
「そんな金額の話なら、警察は動かないでしょ?」
珍しく慈雨が突っ込んでいる。
「そうなんですか?よくわからなくて。うち両親も海外で働いてて、中学生からずっと一人暮らしだったから。通いのお手伝いさんはいたけど、話すこともなかったんでちょっと常識に疎いところがあるみたいで。この会社も社長が父の後輩だからっていうので、結構自由にやらせてもらってたんです。」
はあ、これは周りにかなり問題がある。積極的か消極的かはわからないけど、親の育児放棄にまず問題がありそう。ただ裕福な家庭に育ったみたいだから、外から見たらそうは見えなかったんだろう。
「それで、犯人の男との面識はあるの?」
「それが、全く身に覚えがなくて。会ったこともないはずなんです。同じ会社だからどこかで見かけたとかあるかもしれませんが、少なくとも紹介されて何か話をしたり一緒にプロジェクトを進めたってことはなかったです。」
「そうなんだ。いつも仕事は誰から指示されて、何をやってたの?」
「私は、社長からの指示で言われたものを作っていました。間には誰もいません。」
「それで今までにどんなものを作ったの?」
その質問で初めて目に力がこもった。
「最近完成させたのが、目的別多用途ロボットです。これは、目的遂行のために最善の形を選び開発したロボットです。人型にこだわっていては、コスト面や技術面、効果の面で最適の結果が出せません。リモート型からAI制御に切り替えました。電力消費の効率化と全固体電池の小型化にも成功しました。」
すごいことなんだけど、確かに慈雨が心配するのもわかる。使い方によっては世界の武力のヒエラルキーが一気に変わる恐れがある。今までは技術的に不可能だったことがコスト面でまだ改善が必要とはいえ量産化の目処がたった意義は大きい。あれ?これって。
「慈雨、違うかもしれないんだけど、何かおかしい気がするの。私の思い過ごしならいいんだけど。」
慈雨の耳にそっと小さな声で告げる。慈雨は何も言わず小さく頷くと部屋を出ていった。
「あなたしれっと言ってるけど、量産化と小型化の足枷をあなたが外したってことわかってる?この分野で競争していた相手はみんなあなたは脅威よ。私ね、今回の男があまりに簡単に馬脚を現したことにずっと違和感があったの。それこそ簡単に奴が豪遊した跡が追えたのよ。それに、そこで使われたとされる金額があなたが横領したことになっている金額とほぼ合致する。そこがおかしいのよ。あんな小物がそんな自分の身にならないことで奪った金を全部使うかしら?」
「うーん、私にはよくわかりません。ということはまだ終わりじゃないっていうことですか?」
「もちろんそうね。そしてあなたの命が危ないわ。だから私が保護しようと思うんだけどあなたはどう思う?」
「あの、私は好きなものづくりができて食べていけたらそれでいいので、匿ってもらえるなら嬉しいです。でも私そんなにお金ないからどうやって返せばいいかしら。」
「ここから先、私の話すことに対して絶対の守秘義務を負うことに同意してもらうわ。それで私が作ってもらいたいものを作ってくれたらそれでチャラ。あなたには研究室と家、十分食べていける給料と研究費を出すわよ。」
薄い契約書を差し出す。
「これはね、ただの紙切れじゃないの。契約をしたら破れない。破ったらあなたは全ての記憶を失って一人外の世界に放り出されることになる。それでよければサインしてちょうだい。」
少し考えていたけど、素直にサインする。
「私、どうせ一人で放り出されたら何にもできないし、守ってもらえるならそれで。あなたが悪い人だとは思えないしね」
思いの外豪胆な子だったわけね。天才ってこういうバランスの悪い子が多いわよね。
「わかった。私もここにサインしたわ。これで契約は完了。それであなたのことを知っている人間の記憶からあなたのことを消していこうと思うんだけど、一緒にくる?」
「記憶を消すってどうするんですか?」
「私ね、魔法が使えるの。言ったって信じられないだろうから、百聞は一見に如かずっていうでしょ?だから見てちょうだい。」
『影渡』
まず最初に向かったのは、彼女のマンション。
「信じてくれた?」
「えー〜ーー。私のマンションのそば」
「闇魔法『影渡』っていう魔法なの。影から影に移動ができるの。あなたの家の影に移動したってわけ。じゃあ、セキュリティを解除して中に入りましょう。」
「今日は通いのお手伝いさんが来てるはず。」と彼女が言い出した。
「ちょうどよかった、彼女の中からあなたの記憶を消さないといけないって思ってたから手間が省けたわ。」
「そうですね。」
その言葉には珍しく哀しみの匂いがした。鍵を開けて中に入る。するとキッチンで食事の支度をしていた中年と老年の間くらいの女性が振り返って
「あら、お嬢様。どうなさったのですか?会社に行かれたのでは?」
「ちょっと具合が悪くて早退してきたのよ。」
「まあ、いけません。すぐにお粥を作りますので、それを召し上がってお薬を飲んで早くおやすみなってください。それとも病院に行かれますか?」
かなり世話焼きの女性のようだ。彼女からは嫌な感じがしない。本当に市子のことを心配している。
「あの、私市子ちゃんの友達の契捲羽矢子と申します。あの、実は市子ちゃん大変なトラブルに巻き込まれてしまって、このままでは命が危ないんです。それで私が市子ちゃんを保護することにしたので、あなたとの雇用契約を解かないといけなくなりました。でも、市子ちゃんはあなたに大変な恩義を感じてるみたいなの。私としてもできれば生活能力皆無の市子ちゃんにはあなたのような方がついてくださると嬉しいんだけど、世間的には消えたことにしないといけないので、あなたのご家族や知人と会えなくなってしまいます。それでも一緒に来てくれますか?」
「まあ、そんな大変な目に。お嬢様。私はもう天涯孤独のみなんです。主人は随分前に亡くなりましたし、子供はいません。親戚や知人も親しくしているものはおりません。ですから、お嬢様がよろしいのでしたら。私を連れて行ってもらいたいと思います。」
ずっと俯いて小さく震えていた市子が目を赤くして、彼女の手を握る。
「真智子さん、ありがとう嬉しい。」
「いえいえ、お嬢様。私こそお嬢様のおそばにいられますことありがたく思っております。」
二人の世界に入ってるとこ悪いんだけど、さっさと進めるよ。
「真智子さん、フルネームいただけますか?」
「はい、私安達 真智子と申します。」
「OK.これが契約書。よくよんでここにサインして」
「市子ちゃんの私物はどこ?あと、この部屋は誰の名義?」
「私のお部屋はあそこです。この家は父の名義です。でも彼らが帰ってきたことはありません。」
「わかった。ここにあるもの全部持って行っていいってことね。真智子さんサインできた?」
「はい、ここに。」受け取った契約書に私の名前も書く。
「じゃあここにあるもの全部運ぶわね。『インベントリ』」
魔法を発動すると全ての家の中のものが綺麗に消え去る。
「「えええ?」」
「驚いた?これから慣れて行ってね。じゃあ、真智子さんの家に行きましょう。家は賃貸?持ち家?」
「賃貸です。」
「じゃあ、真智子さんはゆっくり怪しまれないようにフェードアウトしていこう。まずは不動産屋に退去の申請。役所に転出届を出しに行こうそれで、京都の私の家に引っ越したように偽装します。だから不動産屋には、働いていたところを解雇されて家賃が払えなくなる前に、住み込みの仕事を見つけたので引っ越すことになったと伝えて。」
三人で、市子ちゃんの家を出たあと、タクシーで不動産屋と役所に向かった。手続き自体はあっさりと終了。それからタクシーで真智子さんの家に来た。ちょっと古めの団地で、住人たちが手入れしているであろう花壇の花が美しく咲いていた。
「綺麗な花ね。」
「ええ、ご近所さんで協力して手入れしてるんです。」
「じゃあ、みなさんにお別れを言うのは寂しいね。」
「そうですね。でもみなさん施設に入られたり、ご家族に引き取られて行ったり、亡くなられたりで、この団地も住人が減って寂しくなってきてるんです。」
「新しいお家には小さな庭がついてるから、そこでガーデニングするといいわ。」
「まあ、素敵ですね。楽しみが増えました。」
しんみりしてた真智子さんが笑顔を見せる。
「私にも教えてくれる?考えてみたら、工房で物作っている時間以外何してたか思い出せないわ。こんなことじゃダメね」
左右別の靴下を履いてる段階で、考えるまでもなく、お前は基礎からダメだろう。
「ダメじゃないけど、これから少しづつあなたの世界を広げていけばいいわ。」
外行きの顔でちょっと綺麗に返しておいた。
真智子さんの家に入って、当座必要になるものだけをまとめてもらう。着替えや貴重品思い出の品など。
「それから、退去の立ち合いだけど、代行サービスに依頼しておくわ。一応ご近所さんの目があるから、引越しの車が来ない間にもぬけの殻って怪しまれるでしょ?だから引越し業者もうちの手のものを向かわせるから安心して。」
京都の私の家(山本静香名義)に荷物は送ることにして、必要なものは転移で取りに行けばいいしね。
「さあ、新居に行きましょう。」
タクシーで、自宅のあるタワーマンション『HALUUB』の101の部屋にやってきた。
「ここは、私も30階のペントハウスに住んでいるし、セキュリティも万全だから安心して。あなた達の部屋は101。それと、あなた専用の工房はB1A 地下一階のAルームよ。この部屋と繋いであるから、階段降りるだけで行けるわ。いきなり部屋に転移してきたから、まずは玄関から。
収納は玄関だけでなく、左側の扉を開けてくれると、納戸と洗濯ルームがあるわ。濡れた服を一時的に干しておけるクローゼットもあるから利用して。廊下をまっすぐ進んで、扉を開けると、リビングよ。奥にアイランドキッチンとダイニングテーブルがあるわ。市子ちゃんの部屋はマスターベッドルームがここにあって、その隣のゲストルームを真智子さんが使ってくれる?」
豪華な部屋に驚いている二人だったけど、市子ちゃんの部屋についてるジャグジーとトイレにびっくり。
「寝室に水回りがくっついてるって、豪華だわ」
「真智子さんの部屋は少し狭いけど、基本同じ作りよ。お風呂は普通の檜ぶろよ。」
「「普通じゃない」」
ツッコミまでピッタリだなんて、羨ましくなんかないからね。ないんだから。
「それから、ガラス窓の向こうはまだ手を入れていない屋外スペースがあるので、好きなように使って頂戴」
「うわー、広い。これは手を入れがいのある庭ね」
草を生やしっぱなしは良くないと、魔法でざっと刈っただけの庭を見せる。マイルドなコメントに感謝。ひとしきりわちゃわちゃと喋った後に、ダイニングテーブルに戻ってくる。真智子さんにキッチンの使い方を説明しつつ、二人でお茶を入れる。
「市子ちゃんもそのうちお茶の淹れ方ぐらいはマスターしましょうね。」
私が市子ちゃんにいうと、彼女は素直に
「はい、精進します。」
と返す。お嬢様、突っ込むところがどこにもない。
「えっと、まず二人にはこれを渡しておくわ。一応二人は顔と名前を変えてもらいます。これが新しいパスポート。それから、その名前の人の基本情報。頭に入れておいてね。」
「市子ちゃんには一番辛いことだと思うんだけど、これからあなたのご両親のところに行って、あなたの記憶を消しに行きます。」
市子ちゃんは諦めた顔をしてるけど、やっぱりどこかまだ信じたいんだろうな。どっちが残酷なんだろう。どうしてあげるのがいいのかな。
「と、思ったけどしばらく放置しよう。色々と忙しいし、市子ちゃんが消えて真犯人やそれから両親がどう動くのかちょっと興味があるんだよね。でも二人の見た目は変えておくわね」
『フェイスチェンジ』
昔の面影が全くない別人に生まれ変わった二人。お互いの顔を見て笑い始める。
「嫌だー似合わない。真智子さんじゃない。あのそこはかとなく不幸を背負った感じの顔が好きだったのに。」
「それを言ったら、お嬢様こそ。いつもオドオドしてるか無感動か。歳をとっても小動物みたいなかわいさがあったのに、百戦錬磨の水商売のママみたいじゃない。」
「そう。これから先変えるのは顔と体と名前だけじゃないの。中身から変わらないといけない。性格と外見はどこか繋がってるものよ。二人は気づいてないだけ。あなた達にはこの顔に相応しい心を持ってる。早くなれてちょうだいね。あと、その顔に今着てる服は二人とも合わなすぎだからこれからお買い物に行きます。差し当たって今日はあたしの服をあげるから、これを着てちょうだい。」
アイテムボックスから、市子ちゃんにはミルキーイエローのワンピース。透け感のあるシフォンオーガンジーと繊細なレース切り替えが特徴で、胸元は隠して、膝下まであるスカート丈、袖は7分でありながら、シフォン生地の上に網目の粗いボタニカルデザインのレースが縫い付けられたもので、羽織なしでも美しく着られるワンピースになっている。白いレザー生地のボックス型バックに、白のローヒール。小ぶりのペリドットのネックレスとイヤリング。エメラルドが埋まった腕時計。
真智子さんにはパステルカラーのエメラルドグリーンのサテン生地を使ったスーツ。ゴールドの高めのヒールと金のチェーンネックレス。大ぶりの金のイヤリング。薄い金色のクラッチバック。
市子ちゃんは可愛く清楚にあざとく、真智子さんは余裕がある、強い、有能をイメージして。
メイクもコンセプトに合わせて仕上げる。
「はああ。疲れたわ。こんなところかしら。メイクは早く自分でできるようになってね。」
「羽矢子さん、ありがとう。こんな服着たことないですーー。」
「私も、嫌だ。これ本当にあたし?」
「あーもう力が抜けるわね。真智子さん、なまらない。できる女がいきなりなまったら大笑いのネタになるわよ。市子ちゃん、あなたはコンセプトに合わせて装う訓練をこれからしてもらうから頑張るのよ。今日はこれから夕飯を食べに行って、その後あたしの店に行きます。市子ちゃんには作ってもらいたいものがあるから、今日はその下見。いいわね。」
『クリーン』
『メイクアップ』
『ドレス』
3つの魔法を唱えるとよそ行きの私ができる。
「羽矢子さんずるい」
「ほほほ、ごめん遊ばせ」
私は、自分のボディガードに電話すると、準備ができているという返事が返ってきた。
地下駐車場に停まっている車に乗り込む。
「駿、お待たせ。」
「どういたしまして。では参りましょうか?」
風切 駿。浦霞12使徒の一人で、フリーのジャーナリスト。色白イケメンの変装マスター。
格闘技のスペシャリストで、私が呆れるくらい強い。女の子が憧れる要素ばかり持っているくせに、男の子いやそれもずいぶん年上のおじさまが好物っていう困った性癖の持ち主だ。今は、私のアドバイザーを務めてくれている、音羽 弦一郎一筋らしく。ああ、頭が痛いわ。
今日は、私たちのエスコート役をしつつ、断罪現場のライブ配信で大儲けするらしい。彼のYouTubeチャンネルは浦姫関係のチャンネルね。
「緊張しなくていいわよ。今のあなたのキャラを全力で演じて頂戴。綾小路 壱子ちゃん、桐生院 祥子さん。」
「ありがとう、名前なんだっけって思ってた。」
「私もです。」
「ほら、素が出てる。ちなみに今日のあたしは山本静香。新宿歌舞伎町 キャバクラ 宵姫
のオーナー輝夜。いいわね。」
「わかったわ。」
駿にエスコートされて、本日の戦いの場である、最上階の展望レストラン、《バビロンダイニング》
にやってきた。このレストランに入るには、一度、33階でエレベーターを降りて、通路を抜けて、係員のいるゲートを抜けなければならない。一階から直接アクセスできないのは不便だが、セキュリティ面では優れている。見目の良い、男女が恭しく近づいてくる。そんな二人に、招待状を見せる。
「山本様、ようこそお越しくださいました。お連れ様は3名様でございますね。それではご案内いたします。」
私にエスコートがいるので、女性が先頭に立って案内してくれる。エレベーターを二つ上がって35階で降りると、私たちのテーブルまで迷いのない足取りで案内してくれる。常に私たちの様子を目の端にとらえ、歩く速さも調整してくれている。この辺りのスタッフ教育はさすがだ。
テーブルに着くと、私を最上席に座らせる。
「お飲み物はいかがいたしましょうか?」
「ではシャンパンを3つに、ミモザを一つ。」
「かしこまりました。」
不自然に取られないように、周りの顔ぶれをチェックする。今日の私たちの獲物達はまだ来ていないようだ。
素早く隣にいる駿に小声で指示を出す。
「今日のこの様子だと、彼らのテーブルはあのあたりになりそうよ。カメラの調子に抜かりはないか配置も含めて再確認しておいて。」
「御意」
駿はトイレに行くふりをして、テーブルを離れる。この会場に忍び込ませているスタッフ達へお指示だしと機器の確認に行ったのだろう。先ほど案内してくれた女性とは違う、ウェイターが飲み物を持って近づいてくる。
「お待たせしました。ミモザのお客様は?」
にこやかに笑顔を浮かべながら、私に尋ねる。
「そちらのご令嬢にお願いします。」
と綾小路 壱子ちゃんを指す。柔らかい笑顔を浮かべて、ウエイターのサービスを妨げないように、動かず静かに待つ。特にペコペコすることもなく、サービスが終わった後に、ありがとうと小さな声で一言。令嬢らしさが出ていていいわ。上出来。
それから、私にシャンパンのサービスを行う際に、
「山本様はこちらのコースターがお好きと伺いました。皆様と同じものと両方お持ちしました。」
そう言って、グラスの下とその横に2枚のコースターを置く。
「ええ、そうなの。前に使われていたコースターで、最近デザインが変わったのよね。今のも素敵だけど、前のが好きなんだって、何気なく言ったことを覚えていただけて嬉しいわ。ありがとう。」
と、にこやかに感激してる風を装いながら、もう一枚のコースターの表面を指で撫でる。
やっぱり。点字が打ち込まれている。書かれているメッセージを指で読んだ後に、
「でも、在庫の少ない貴重品になるだろうし、お気持ちだけいただいて、お返しさせていただくわ。私以外にもきっといるファンの方に出して差し上げて。」
「はい。それでは」
ウエイターが何事もなかったように、テーブルを離れると、
「乾杯しましょう」
そう言って、軽くフルートグラスを掲げて、口をつける。そこに駿が戻ってくる。
「あ、ひどい。僕抜きで先に乾杯しちゃうなんて。」
「キレが悪かったのかしら?」
「切れ味は抜群ですよ。」
「あら、そう。それはよかった。」
下ネタだと思ってる、壱子ちゃんは顔をほのかに赤くしているが、実はそうではない。
準備は万端ということだ。
間をおかず、前菜から順に運ばれてくる。二人とも、そつなく新しい人間になりきれている。
奴らのテーブルだと目されたテーブルにバラバラと人が集まり始める。
最初に現れたのは、市子の上司で彼女を陥れた張本人。案内された席に落ち着かないように座っている。次に現れたのは、市子ちゃんの会社の社長と市子ちゃんの父親。そしてほぼ同時に現れたのは経済産業省と外務省の官僚。そして、元外務大臣とC国領事。一つのテーブルに集まった顔ぶれを見るだけで、どういう話かはおおよそわかる。わからないのは父親だ。他のみんなが初めましての挨拶からにこやかに話をしている中、父親だけが険しい顔を崩さない。
彼らの顔合わせからずっと魔法で盗聴をしている。証拠確保のため、カメラでも録音はしているが。ここでは核心に触れない会話でやり過ごすようだ。この後、別室での会議に移行するのかと思い始めた時に、痺れを切らした父親が不穏な言葉をテーブルに落とす。
「娘の命は返してくれるんだろうな」
「一体、何のお話しですか?お酒を召し上がりすぎましたか?おい君、彼を別室に運んでくれ」
「待て、お前ら話が違うぞ。」
少し騒がしくなったテーブルに周りの視線が注がれるが、一瞬で意識を奪われた父親は、SPたちに運ばれていく。それから、何事もなかったかのように笑顔で会話を再開する。
私は食事の途中だけど、みんなに断って化粧室に向かった。個室で身代わりロボットを出すと、自身は『インビジブル』で姿を消す。身代わりロボットに席に戻らせて、私は、市子ちゃんの父親の後を追う。スタッフ達専用の階段で34階のVIP控え室に押し込まれたようだ。そこには中国人の護衛とどこぞの組の若い衆が詰めていた。
「綾瀬さん、困りますね。お嬢さんを無事に助けたいんですよね。だったら私たちを怒らせるような真似はしないでもらおうか。」
「市子の研究成果を渡せば手を出さないということだから、黙認したんだ。なぜ娘が、横領犯人に仕立て上げられて、誘拐されなければならない。」
「だから、彼女の身柄を確保してるのは私たちではないと何度も言ってるだろうが」
そういうと、数人がかりで暴行を加える。
「あんたも、俺たちに協力すると決めたんだ。個体電池の量産化に娘さんの技術を使えば、耐久性が上がるだけでなく、材料の確保が安価で容易になるんだ。それを阻止したかったのは、あんたも同じだろう。お前の研究資金が打ち切られるからな。」
ゲスどもは、どんな世界にも湧いてくる。これは決められたバグだから嘆いても仕方ない。
バグは叩いて消す。どこの世界でもやることは同じ。プログラムのバグと違うところは、血が流れることくらいか。
『ナイトメアラビリンス』
父親以外の男達に一斉に魔法をかける。悪夢の袋小路で何度も恐怖に怯えながら殺される体験を繰り返すがいい。死の恐怖を植え付けておけば、記憶を消されても、来世で悪いことに走らないものも出てくるだろう。カリス様に感謝してもらいたいものだ。
父親の怪我を治してやり、彼の前に姿を表す。
「市子ちゃんは私が保護している。安心しろ。綾瀬市子はこの世に存在しなくなる。彼女は新しい名前と顔を得て、新しい人生を歩ませる、お前と違って幸せな人生をな。本当はお前も一緒に消してやろうと思っていた。でもまあ、娘の身の心配をしたお前には、まだ人間らしい感情が残っているんだろう。お前がすることは一つ。お前の罪を全て告白し、この件に関わった全ての人間を告発することだ。お前がその通りにするというのなら、身の安全は保証してやる。」
すると、ゆっくり起き上がると私の前までやってきて、床に土下座して許しをこうた。
「おっしゃる通りにいたします。ですから、市子のことをよろしくお願いいたします。」
「わかったわ。あなたには申し訳ないけど、私のことを口外しないっていうこの契約書にサインしてもらうわ。」
魔法契約書を渡し、サインさせる。しっかり契約はなされた。
「もうすぐ、上にいた悪者達がここに戻ってくるわ。あなたには、攻撃が入らないようにしておくので、安心して。多分殺されそうになるだろうけど、大丈夫だから。証拠の映像が撮れたら、助けが来るようにしてあるから、もう少し頑張ってちょうだい。」
そう言って、手のひらをひらひらさせながらその部屋から出ていく。すると前から、ジャケットを脱いだ駿が歩いてくる。ハイタッチを交わすと
「さっと、駿ちゃん出番ですよ。あとはよろしくね」
廊下の監視カメラなどは全てループさせてあり、外部のものに見られることはない。
その部屋に仕掛けられたカメラのライブ配信が駿のチャンネルで行われているのも知らず、悪者達が部屋に入ってくる。お決まりの悪者ムーブを決めたあと、一人の男が殺そうとする。そこに颯爽と登場するのが仮面を被った、駿ちゃん。
悪玉5人を血祭りにあげたあと、起き出してきたごろつき10人も一瞬で制圧。私が呼んでおいた警察が部屋に乗り込んでくる。外交特権で、警察に逮捕されないC国領事には、『傀儡』の魔法をかけておいた。これで、いい情報ルートができた。
警察には善意の市民の名前で、情報提供を行い、父親の身柄保護は徹底する。留置所でも毒殺されそうになってたからね。元外務大臣は事件に関わっていないと苦しい弁明をしていただが、駿ちゃんのチャンネルの生配信で、殺害現場に笑顔で立ってるところを見られていることから、国民の誰もそんな嘘信じちゃいない。
まあ、あとはお上にどうにかしてもらって、私たちは小市民として清く正しく美しく生きていくだけですわ。おほほ
「リシャールヘネシー入りました。」
「ドンペリ十本いただきました」
「サロンとドンペリキュヴェいただきました」
「夢雀いただきました」
全ての断罪劇の仕込みが済んだ私は、結果を見ることなく駿達に任せて、自分がオーナーをしている新宿歌舞伎町のキャバクラ【宵姫】にやってきた。殿堂入りNo.1キャストでもある輝夜の名前で久しぶりに店に出ると、古馴染みのお客様の卓に挨拶をして回る。神出鬼没でいつ会えるかわからない輝夜に会えた客達は目の色を変えて喜び、先ほどの高級酒祭りが始まってしまう。
「ありがとうございます。高いお酒を入れていただけて嬉しいですけど、それよりも細く長くお付き合いをさせてくださいね。うちの女の子はみんな情に厚い子が多いですから、可愛がってやってくださいませ。」
客達は少しでも高い酒を入れてもらおうとガツガツ向かってくる女の子も嫌ではないが、輝夜の美しさと奥ゆかしさは、見るもの全てを魅了する。
「俺はついてると思うんだ。輝夜オーナーは滅多にお店に入らないのに、俺ほぼ毎回遭遇してるんだよね。俺の引きの良さに自分でもびっくりするぜ。」
「坂本様、以前お会いした時よりも筋肉つきましたね。顔もどんどん良くなってますわよ。女達が黙ってないでしょうね。」
羽矢子は輝夜としての喋り方や所作で客を煽っていく。軽く、坂本の胸に手を置いて、大袈裟にびっくりして見せる。
完全に輝夜に意識を持っていかれてしまってる坂本に、指名されたキャストである、あさみは面白くない。でも輝夜には敵わないとわかっているので本気で嫉妬しない。
「坂本様、ママはそろそろ次の卓に向かわないといけませんから、そろそろこっちを向いてくださいね。」
注文した酒が届いたので、新しく作り直したものを勧める。浅見が輝夜の分も作ってくれたので、
乾杯したあと一口いただく。
「あさみちゃん、本当にお酒作るの上手になったわね。それに坂本さんのことよく見てる。グラスを置く位置は私もそこがいいと思うわ。」
坂本は、普段はソファに深くもたれて飲んでいるので、手前にグラスを置いているけれど、今は前に体を乗り出しているので、腕が当たってしまう。その辺りをよく見て、グラスの置き場所を変えている。素敵はこまめに拭き取っているし、グラスにも手を添えるだけで握らない。
こんな感じで輝夜はどのキャストにも争わないで、褒めるので、この店のキャストはナンバーになっても輝夜には敵意を向けない。それが、お客様にとっても居心地の良さにつながっているようだ。
「慌ただしくてすみません。坂本さん、他の卓も回らせていただきますね。ごゆっくり。」
残りのお酒もいただいて、コースターをグラスの上に置く。
「オーナーと乾杯できてよかった。」
「私もですわ。どうぞごゆっくり。」
それから、全ての卓を周り、初めてきた客の卓につく。
「私、この店のオーナーをしております輝夜と申します。ご挨拶が遅くなりまして申し訳ございません。ご一緒させていただいてよろしいでしょうか?」
「おお、いいぞ。座れ座れ」
目の奥が笑っていない、いやらしい目で見てくる。流暢な日本語だが、ところどころに外国人特有のイントネーションがある。
卓の一番端しか空いていないので座ろうとすると、客の横についている指名されたキャストが席を変わろうとする。それを客が止めて、私に端に座れという。顔に出さずに言う通りにすると、
指名キャストが飲み物を作ってくれる。
「誰の許可を得て、作ってるんだ?」
「あ、すみません。」
うん、これはよくない。他の卓の客達にも不穏な感じが伝わりつつある。
「由美子ちゃん、ありがとう。私もお酒たくさんいただいたので、結構よ。」
そう言って、席を立つ。
「それではごゆっくり」
「誰が席を立っていいと言った?」
これはよくないわね。
「みんな、今日はお疲れ様。一旦奥に下がりなさい。今すぐに。」
最後の方は威圧を込めて言い放つ。ビクッと震えたキャスト達は失礼しますと声をかけると全員席を立って裏に引っ込んでいった。
「何勝手な真似してるんだ、ババア。」
「まあ、お酒に飲まれてしまいましたか?大変。お水でも飲まれるとよろしいわ。」
そういうと、前髪を掴んで顔を上に向けると、ミネラルのボトルを口に突っ込む。
「たんとお上がり。」
息がうまく吸えなかったのか、顔を真っ赤にして悪態をつく
「こんなことをしてタダで済むと思ってるのか?」
「坊やそのまま、同じ言葉を返すわ。私が誰だかわかってないようだから、今回だけは許してあげるけど、次はないわ。お前は出禁。歌舞伎町・六本木・銀座の店でお前が入れる店はないと思いなさい。『酩酊』」
すっと右手を挙げると、黒服がやってくる。
血中アルコールの濃度を上げて眠らせる。体の力が抜けてぐにゃぐにゃになった男を黒服に引き渡す。
「下で待ってる運転士に渡してきて。」
その卓の片付けはスタッフに任せて、この店のママの蓮水怜を呼び出す。市子ちゃんと真智子さんの相手を頼んでいたので、二人にも断りを入れて少し話をする。
「ちょっと、今日の無銭飲食の代金を取り返してくるわ。あとよろしくね。二人は誰かに送らせて。タワーの一階に住んでもらうことにしたから。」
「はい、わかりました。私が送って行きます」
「よろしくね」
裏のスタッフルームで普段着に着替えると、夜の街へ飛び出して行った。
『索敵』
ああ、ここね。奴の家の特定は簡単にできた。姿を消して中にはいる。
家の中を見回すと、盗品の山。美術品や工芸品、金庫内の金や宝石など取れるものを根こそぎ奪ってアイテムボックスへ。
ベランダの鍵を開けて外に出ると、そのまま『フライ』で飛んでいく。泥棒ですもの、裏口から出るのが当然でしょ?
少し寒いけど、空の散歩はやっぱり楽しい。
今日も1日盛りだくさんだったわ。グレゴリアに合わなかったと言うことは平穏な1日だったと言うことよね。明日も穏やかな日になりますように。
優秀な天才科学者を保護して、たくさんの盗品も回収した。明日はもっといい日になるはず。
市子ちゃんに作ってもらいたいものをあれこれ考えながら、誰かわからない神様に明日の平穏を祈って、家路についた。
おまけ。
踏み込んできた警察に身柄を拘束された一味の中にいたあの小物が逮捕されてオドオドする姿が放送され、
市子ちゃんの名誉は回復された。奴らの罪状に誘拐、殺人、死体損壊をつけるか思案中
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